〇千葉県

2020年7月 1日 (水)

???(千葉県南房総市平久里川流域)

00_heguri_01

00_heguri_02

 

千葉・平久里の石を見ていて、小さいけれどもらしからぬ色を見つけました。こんな美しい青の鉱物はここにはないはず。一目見て、なんだこれは!? というインパクトがあります。

多分、この結晶がくっついた母岩(か母岩についた別の鉱物)の色が、見る角度によって、屈折で表面に浮かび上がっているのだろうと思うのですが、平久里で青い鉱物といったら、斑銅鉱くらいしか思いつきません。実際、これとは違う石ですが、青や紫の斑銅鉱が点在しているものもありました(以前取り上げた自然銅のついていた石です)。こんな深い青ではなく、メタリックな感じの水色に近い青ですが、レンズのように小さな青い部分が拡大されているような感じです。

2枚目の写真は、針で周りを少し削って広くして、角度を変え撮影したもの。やはり青は一部分しか見えなくなりましたが(この青は班銅鉱の青っぽい)、この結晶はなんだろう。見た感じ、非常に整っていて、自形結晶のように見えますが、単にランダムに割れただけかもしれません。

ここで産出する鉱物の中であり得そうだとしたら、方解石か、魚眼石か、方沸石か。。。結晶面の形から、方沸石っぽい気もするのですが、方沸石のような丸みは全然感じられないですね。もっとシャープな感じ。ちょっと分かりませんね。。。

非常にきれいなのですが、その正体がわからないのはもやもやします。

 

2020年6月28日 (日)

あられ石(千葉県銚子市長崎鼻)

Aragonite Ca(CO3) 炭酸塩鉱物等

 

Aragonite_choshi_04

Aragonite_choshi_01

Aragonite_choshi_03

Aragonite_choshi_02

 

銚子の長崎鼻は、あられ石や琥珀の産地で有名です。

黒い母岩は古銅輝石安山岩で、叩くといい音で響くので楽器としても使われた讃岐石(カンカン石、sanukite)と同じものです。青いのはセラドン石。古銅輝石安山岩の間隙に、セラドン石やたまにあられ石が入っています。さらにまれにピンク色のあられ石もあるそうですが、そうそう出るものではないみたいです。

4枚の写真はどれも、ひとつの石を割って出てきた別の部位。

一番上は4cmくらいの大きな結晶で、ネット等でよく見る柱状結晶。

あとは1cmもないまとまりのものばかりです。一番最後の4枚目は、微細な針状結晶が球状に集合しています。

ある程度の大きさに育たないと、柱状にはならないのかな? もともと直方晶系で、針状あるいは板状結晶が120度の角度で連晶して六角柱を作るといいます。

成分的には方解石と同一(同質異象)で、違いは、硬度、比重があられ石のほうがわずかに高く、へき開(割れやすさ)が違うとのこと。四角い方解石のへき開が「3方向に完全」で、平行四辺形に割れやすいというのはわかります。あられ石の六角柱結晶が、伸長方向に平行に割れやすい(1方向)というのもわかる。でも、方解石はさまざまな形をとります。たとえば方解石の犬歯状の結晶のへき開はどうなのでしょう? 六角柱状ではない先の尖ったあられ石と犬歯状方解石では、どうへき開が違うのか。どう見わけをつければよいのか。

正直見た目だけではまったく分かりません。ネット等で調べても、この辺を説明してくれているものは全然見当たりません。もしかしてみんな知ってる常識とかを自分が知らないだけ? 結局、産地と形状等から類推するしかないのでしょうか。

専門の研究室等では、微細なものに関してはどうしているのか気になります。

いろいろ検索してみると、鉱物学だけでなく、とりわけ生物学の分野に絡んで(方解石やあられ石は多くの生物が利用している)、方解石とあられ石を分離するための、重液分離や染色法といった方法があるらしいということがわかりました(Seiichi Suzuki, Yoshihiro Togo, Yoshinori HikidaUsing Meigen’s staining for aragonite-calcite identifi cation in fossil molluscan shells under the scanning electron microscope, The Journal of the Geological Society of Japan Vol.99, No.1, 1993)。たとえば、硝酸コバルト(II)を蒸留水に10重量%の濃度にして70℃に保ち、試料を15分加熱すると、あられ石は紫色に染まり、方解石は変わらないそうです。けれども、「結晶形態から肉眼観察による方解石,霰石分離は困難であった」(加藤和浩・和田秀樹「微量同位体比測定のための染色法による方解石一霞石の分離法」静岡大学地球科学研究報告28、2001年7月)などという記述もあり、やっぱり見ただけでは無理ということですか。

方解石とあられ石の違いについては、専門家ではない自分はあまり突っ込まないほうがよい問題のようですw

でも、きちんと判別するための方法があることがわかって、ちょっとすっきりした気分です。

 

2020年5月 6日 (水)

自然銅(千葉県南房総市平久里川流域)

Copper Cu 元素鉱物

 

Copper_heguri_01

 

千葉県の有名な産地、伊予が岳(千葉県で唯一「岳」のつく山らしい)のふもと、平久里(へぐり)川の支流・荒川で拾ったものです。

周囲に採石場がある小さな川の、小さな滝のそばで見つけました。

斑銅鉱らしき紫や青が散りばめられた中に、箔状で赤銅色にきらめいていて、こういうのを見つけるとどきどきしますね。金や銀もいいけど、個人的には銅の方が好きです。二次鉱物の青や緑も大好物。

Heguri_01

ここで採集できる鉱物は、他に沸石類、方解石、ゾノトラ石、ペクトライト、トベルモリ-石などがあります。結晶した沸石は別として、どれも白い鉱物で似ていて、なかなか判別できないですね。。。

都心から近く、行きやすい産地なので、もう大したものはないかなと思っていたのですが、思ったよりもいろいろなものが見つかりました。少しずつ川岸の露頭が崩れ、その都度川原に新しい石が充填されるのでしょう。

すぐそばの伊予が岳は岩山ですが(低いけど登ると結構面白い)、こことはまったく岩質が違います。

このあたりは、嶺岡オフィオライトと呼ばれる地質地域で、上部マントルから地殻を構成するいろいろな種類の岩の層が切れ切れに重なっていて、地質的にとても興味深いところです(確か伊予が岳か富山に、説明の看板があったような)。フィリピン海プレートによって南の海から北上してきた海洋性地殻が、日本にぶつかって折れ重なりながらのし上がり、陸地になったのが、このあたりの地質です。だから、いろいろ異なった岩質の層が、狭い地域のあちこちに散らばった感じになっているのです。

千葉石(chibaite)という石英に似た新鉱物も、この荒川辺の採石場で発見されたそうです(「新鉱物『千葉石』」)。

新鉱物発見と新小惑星発見は、現代に残った数少ない可能性のある夢ですね。ちなみに日本の新鉱物に、「櫻井鉱」という鉱物があるのだ。「あお」という小惑星も見つかればいいのに(謎)。