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〇千葉県

2022年9月23日 (金)

菫泥石(千葉県鴨川市八岡海岸)

kammererite(クリノクロア:clinochlore Mg5Al(AlSi3O10)(OH)8) 珪酸塩鉱物


Kammererite_youka_01

Kammererite_youka_02

 

千葉県八岡海岸で採集したもの。非常に小さくて細かいのですが、1枚目の写真には、美しい紫色のきらめく微結晶がなんとか見えると思います。

八岡海岸南の山(巾着山)では、大正9(1920)年まで鴨川鉱山が操業していて、ニッケルや銅などを採掘していたといいます(太海とか浜貝渚〈はまかいすか〉など、いろいろ地名が錯綜していてよくわからないのですが)。嶺岡オフィオライトといわれる構造で、この場所については以前「孔雀石(千葉県鴨川市八岡海岸)」でも書きました。蛇紋岩中のニッケル鉱床が採掘対象だったのではないかと思いますが、それならば、菫泥石があってもおかしくはないですよねぇ? この紫色と場所を考えあわせて菫泥石としました。ちなみにこの石にも、孔雀石がついています。

以前群馬のクロム鉱山あとである八塩鉱山で探し、なんだか石の一部が紫っぽいけどもしかしたらこれが菫泥石かなぁ? という中途半端な採集をしたことはあるのですが、まさか千葉で小さいけれども結晶質のそれ(かもしれないもの)を見つけるとは思いませんでした。でも顕微鏡で見ても、小さくて結晶形はよく判別できません。実は実体顕微鏡以外も、大昔の大きな木箱に入った顕微鏡があるんですが、出すのが面倒くさくてねw 実体顕微鏡に慣れてしまうと、そうでないものは、立体感が重要な鉱物では面白くなくて。。。

菫泥石は正式な鉱物名ではなく、クリノクロア(緑泥石)のアルミニウムの一部がクロムで置換された変種です(記事冒頭の化学式はクリノクロアです)。そのまんま、クロム緑泥石とも呼ばれます。ありふれた緑泥石の地味な緑(といっても拡大すればきれいなんですけど)と比べると、紫の鉱物はそうそうないですし、きれいで心惹かれますね。

 

八岡海岸そばには車を置けるような場所があまりないので、自分は少し山に入ったところにある魚見塚一戦場公園の駐車場に停めました(鴨川漁港にも駐車できるでしょう)。

面白い名前の公園ですが、石橋山合戦のあと千葉に逃げてきた頼朝が、ここで地元の豪族と戦った戦場あとらしいです。千葉の歴史の舞台といえば、頼朝関係と里見関係くらいしか見かけませんが、だからといって富山にある伏姫がこもったという洞窟が、なかば史実みたいな感じで扱われているのは笑いますw まあ江戸時代から聖地巡礼されてきたという意味では、歴史的遺物といっていいんでしょうけど、なんか腑に落ちないな。。。でもこういうの嫌いじゃない。ちなみに、嶺岡オフィオライトは富山近くまで伸びています。

 

Kamogawayouka

八岡海岸。鴨川鉱山は写真の右側にあった。右手の広い磯場はもしかしたら全部ズリ由来なのか?

 

2022年6月24日 (金)

ポクロフスキー石?(千葉県鴨川市八岡海岸)

Pokrovskite Mg2(CO3)(OH)2 炭酸塩鉱物

 

前回の孔雀石(千葉県鴨川市八岡海岸)から続き。

千葉県鴨川の八岡海岸、鴨川鉱山のズリと思われる場所で見つけたもの。

繊維状の孔雀石のそばに、褐色繊維状のものを見つけました。これはなんだろう? よく見ると、色の濃い部分は光を反射して、思ったよりもきらきらしています。孔雀石が変質して、その形状のまま茶色の別の鉱物になったようにしか見えません。すぐそばに孔雀石がなかったら、見当もつかなかったに違いありません。

 

Pokrovskite_yooka_02

Pokrovskite_youka_01

 

孔雀石のグループを調べ、ポクロフスキー石という鉱物ではないかとあたりをつけたのですが、はたしてどうでしょう。。。孔雀石のグループの中で、褐色になるものはこの石くらいしかなかったからですが、自分もはじめて知った鉱物ですし、(日本語で)ネット検索してもあまり情報がでてきません。日本では、福岡県飯塚市の古屋敷というところでの産出が確認されているようです。ただし、古屋敷のポクロフスキー石は、アルチニ石に似た白色透明の結晶だそうですが(上原誠一郎・武田朋之「福岡県飯塚市古屋敷産ポクロウスク石」日本鉱物科学会年会講演要旨集、2014)。

孔雀石のCu(銅)が、Mg(マグネシウム)に置き換わったものです。鴨川鉱山では、嶺岡オフィオライト中の蛇紋岩を採掘してニッケルを精錬していました(銅も抽出していた?)。Mgは蛇紋石の主要構成元素ですので、ポクロフスキー石の材料は十分そろっている、ということになりますね。ちなみに、同じ石の数センチ横には、思いもかけず、菫泥石らしい紫の結晶もついていました(多分そのうち取り上げます)。母岩は蛇紋石ということになります。

ポクロフスキー石は、ロシアの鉱物学者、Pavel Vladimirovich Pokrovskii(Павла Владимировича Покровского, 1912-1979)にちなんで命名されました。カザフスタンの蛇紋岩地域で発見されたようですが、詳しいことはよくわかりません。デジタル鉱物図鑑には載っていませんので、本当にその鉱物かはわかりませんが、念のためちょっとデータを載せておきます。

ポクロフスキー石(ポクロウスク石)、孔雀石グループ、単斜晶系、モース硬度3、劈開完全、比重2.5。

 

千葉県は、以前は石なし県などといわれていたらしいですが、特に嶺岡地域はとても鉱物種が豊富で、驚きますね。全然石なしなんかじゃないじゃん。神奈川のほうが全然石なしです。。。

自分は顕微鏡で見るのが好きなので、現地でルーペだけで探すのは、かなり無理があります。はっきり何かを見つけた場合以外は、なんとなく怪しげな石を選んで持ち帰り、顕微鏡で探したりするのですが、こうなると頼りになるのは自分の「勘」ということになります。

「勘」というとずいぶんあやふやで頼りなげなものに聞こえるのですが、個人的には「直観」「勘」というのは、偶然、偶発性というのとはちょっと違うんじゃないかと思っています。目線の意識を集中させることのできる部分というのはとても狭いもので、ほんとに「点」でしかない。広い範囲からなにものかを探すのに、「意識」というのは効率が悪すぎます。「勘」というものを明確な手法として活用できれば、大変に便利なのではないか、と考えるわけです。

自分の印象では、視点を定めず、視界をぼんやりさせて、なんか気になった石を探す(自然と目に飛び込んでくる)、つまり「無意識」で探す、みたいなものじゃないかと思っています。それには、探す対象への知識や経験が意識の領域から無意識の領域にまで深まっている必要があると思うので、自分ではまだまだ全然足りないんですが。。。「自然と目に飛び込んでくる」というのは、偶然ではなく、精神的活動の発露なのですね。

それとちょっと似たようなものに、ユングとパウリの、意味のある偶然「シンクロニシティ」という考えがありますが、これは別にオカルト的なものではありません(オカルト的なものが悪いといっているわけではない)。人間の無意識が、偶発的な出来事のなかから自分に関わる「意味のある〈象徴〉」を見出そうとする、精神の方向性、みたいなもので、人間の精神の状態を表す言葉と考えています。「金」「賢者の石」を追求する錬金術を、人間の精神の象徴と考えたユングらしい、精神の内外の接触面を表現しようとした言葉ですね。錬金術じゃなんだか中世っぽいしウケが悪いので、より現代的に量子物理学要素を入れたと(これはギャグとして言ってるんですよ?w)。

けっしてただの言葉遊び、頭の中だけの概念・思考というだけでなく、鉱物を探すという実際の遊びにも活用できる考えなのです(これは半分はギャグで半分は本気)。確かユングの自伝には、河原かどこかでふと目に留まって拾った石がえらく気に入って、ずっと大事にしていたとか、そんなエピソードがあったような。。。(何十年も前に読んだものなので、ちょっと自信ない)

 

2022年6月20日 (月)

孔雀石(千葉県鴨川市八岡海岸)

孔雀石 Malachite Cu2(CO3)(OH)2 炭酸塩鉱物等

アタカマ石? Atacamite Cu2Cl(OH)3 ハロゲン化鉱物

 

Malachite_yooka_01

Malachite_yooka_02

Malachite_yooka_03

 

千葉鴨川の八岡(よおか)海岸は、湾の中にいくつかの小さな島が点在し、鴨川松島などといわれたりしています。北側半分を九十九里浜が占める千葉は、深く切れ込んだ湾などがほとんどないので、こういう風景はあまり見られないからかもしれませんが、正直わざわざ他県の名勝地である「松島」なんてつけるのはどうかと思わざるをえない。。。(全国に〇〇松島という景勝地はいくつもありますが、どこも同様に思います)千葉は千葉ならではの景色があって、たとえば屏風ヶ浦みたいなところはなかなか他にないですしね。松島的な風景としては、松島に到底かなうわけないんだから。。。

でもここは、さまざまな岩石が見られる嶺岡オフィオライト(「自然銅」(千葉県南房総市平久里川流域)の項参照)が海に面した地域で、鉱物もいろいろなものが産出します。自分的にはもうそれだけで松島よりレベル上なのだw

これはその海岸で拾った孔雀石。皮膜状だったり、こういうきれいな球状(小さい)で見られます。

海岸の南の巾着山にあった鴨川鉱山のズリ石が、海岸に散在しているようです。鴨川鉱山は、採掘した蛇紋岩からニッケルなどを精錬していたらしいですが、現在は、鉱山により山を崩されて平らになったところに、千葉県立鴨川青少年自然の家が建っています。こちらで当時の写真が紹介されています(jinomonta064のブログ)。

 

ネット上で検索すると、ここの孔雀石を採集した人はみんな、波が高ければ海水をかぶるであろう海岸沿いの孔雀石ということで、アタカマ石を期待していますね。自分も孔雀石を見つけた時、最初にそれを思いましたw でも、アタカマ石の写真を見ると、孔雀石よりはブロシャン銅鉱っぽい青みの入った深緑から黒っぽい色をしていて、どうやらこれは違うみたいです。繊維状のものもありましたが、どう見ても孔雀石にしか見えないなぁ。。。3枚目の写真の黒い球体は、孔雀石が変色したものでしょうか、これはアタカマ石ではない。。。ですよね? 後ろの薄青い皮膜状の部分は、珪孔雀石?

アタカマ石は、銅を含んだ石や岩が酸化してできる鉱物です。砂漠や海岸などでよく生成され、孔雀石と一緒になっていることが多いそうです。孔雀石があるということは、ここの石は銅を多く含んでいるということですが、自然銅、黄銅鉱などは見かけませんでした。どういうかたちで一次的な銅成分があるのかが、よくわかりません(ちなみに伊豆や丹沢でよく見かけるのと同じような、緑色の多分凝灰岩中に黄鉄鉱が入っている石はありました)。

海岸の山側のズリ状のところでばかり探していましたが、満潮になると海水につかるような、もっと海に近いところで探してみれば、もしかしたらはっきりとアタカマ石とわかるようなものが見つかるかもしれません。今度行ったらそうしてみよう。日本ではきれいな板状結晶などはほとんど見られないそうですが。。。

ところで、繊維状の孔雀石などもあったのですが、それに接してちょっと怪しげなものを見つけました。

それは、次回に取り上げることにします。

 

2021年10月17日 (日)

沸石(千葉県南房総市平久里川流域)2

方沸石 Analcime Na(AlSi2O6)・H2O 珪酸塩鉱物

トムソン沸石 Thomsonite-Ca NaCa2Al5Si5O20・6H2O 珪酸塩鉱物

 

千葉県平久里(荒川)の沸石類、続きです。

(前回はソーダ沸石 沸石(千葉県南房総市平久里川流域)2

 

Analcime_heguri_01

Analcime_heguri_02

 

片側が押しつぶされたような、左右対称の幅の広い菱形が見えるので、方沸石の偏菱24面体の結晶だと思います。この面の形を凧型といったりしますね。西洋凧の形です。ザクロ石もこの形をとるものが多いです。

写真では判別しにくいのですが、白くてちょっと濁ったような光沢のものと、透明度が高くて少し青っぽい光沢のものがまじりあっています。2枚目の写真で、ところどころ天地左右が対称の幅の狭い菱形の光が見えるので、多分青っぽい透明なものは魚眼石ではないかと思うんですがどうでしょうか。。。

方沸石は長石に近い性質を持っていて、準長石という扱いをされることもあるそうです。分類の境界線上にある感じでしょうか。準長石とは、長石に似ているが、長石よりも珪酸分が少ない鉱物のグループで、石英とは共存しないそうです。確かに平久里では石英って見ないですね。。。石英ができるほど珪酸分が多ければ、方沸石ではなく長石ができるとか。

準長石には、他には霞石や白榴石などがありましたが、白榴石は現在では沸石に分類されています。白榴石というのはあまり聞かないですが、日本での産出は(まだ)確認されていないようです。結晶形は偏菱24面体で方沸石やザクロ石と同じですが、実際に見たことはないです。

 

Thomsonite_heguri_01

 

3枚目の写真は、上部に方沸石が、下部に柱状の結晶が見えます。ソーダ沸石にも似ているのですが、断面が正方形ではなく長方形、ちょっと厚めの板状になっていて、トムソン沸石ではないかと思います。平久里では、これが母岩にへばりつくようにびっしりついているのをよく見かけますね。

 

Thomsonite_heguri_02

 

こちらもトムソン沸石の、球状の集合体ではないかと思います。トムソン沸石というと、むしろこういう集合した姿のほうが一般的かもしれません。「トムソン沸石」で画像検索すると、板状結晶の写真はほとんど出てこず、球状集合ばかりです。断面がどうなっているのか、切ってみたいですね(まあ画像検索すればそういうのも出てきますけど)。

トムソン沸石のグループにはCaを含んだ灰トムソン沸石と、Stを含んだストロンチウムトムソン沸石の2種類があります。日本で産出するトムソン沸石のほとんどは灰トムソン沸石なので、わざわざ「灰」はつけないことが多いようです。

 

2021年10月 2日 (土)

沸石(千葉県南房総市平久里川流域)1

ソーダ沸石 Natrolite Na2(Si3Al2)O10・2H2O 珪酸塩鉱物

 

Natrolite_heguri_01

Natrolite_heguri_02

 

千葉県平久里のソーダ沸石です。

晶洞の中にきれいな四角柱状の結晶がひしめいているのですが、狭い隙間からのぞき込むようにしか見ることができません。とても怖くて割ったり入口を広げたりできないw がんばればがんばっただけ失敗して、すべて粉々になりそう。もっとらんとです、わたし。。。(ネガティブ・スパイラル)

でもそのおかげで、石を割った衝撃にも耐えて、きれいなままの結晶が残されたんだから、まあよかった。ちゃんと見れないけどね。

平久里で見られる鉱物は、沸石各種、方解石、ペクトライト、魚眼石、ゾノトラ石、トベルモリー石等々、みんな白や無色(透明)なものばかりで、結晶形がはっきりしていないものは、正直どれがどれやらちょっと自信ないです。また、その色のせいで、写真を撮るのがすごく難しい。。。

でも、これだけいろんな鉱物があるのに、千葉県は昔は「石なし県」と揶揄されていたとか。正直、神奈川なんてもっとないような気もしますが。。。鉱物的にいえば、やっぱり目立つ大きさの水晶がなかったことがそのゆえんでしょうか。鋸山をはじめ、採石場はたくさんあるし、やわい凝灰岩を手掘りした(廃)隧道も無数にあります。石そのものはいっぱいあるんですよね。2020年には、とうとうチバニアンなんて地質年代の名称までつけられて、すっかり日本の地質学の中心のような存在にまで成り上りました。

ところで、千葉の採石場でネット検索したら、ロケ用採石場の紹介ページが出てきました。これってやっぱあれ? 特撮ものとかで火薬使用する戦闘シーンって必ず採石場跡みたいなところでやってたけど、それですよねぇw

 

ソーダとはナトリウムのこと。だから、ソーダ沸石は、ほぼNatrolite(ナトリウム石)の直訳ということになりますね。鉱物には「lite」の語尾を持つ名前が多いですが、ギリシャ語のリトス=石がその語源です。観葉植物としてよく売られている、多肉植物のリトープスというのも、そのまるで石のような見かけからきています。

西欧の言葉の語源の多くがギリシャ語なのを見ると、やはりそっちの勉強をするならギリシャ語って必須なんですかねぇ。

日本の歴史・古典を知りたいのなら、漢学の知識が必須だと自分は考えていますが、それと同じような関係性にあるのかな。日本の古典や江戸の大衆文学など読むと、わざわざその断りなどもなく、ごく当たり前に中国の歴史や逸話などが下地にされていて、ようするにそういう知識は誰でも知っているのが当然だったんだなと思います。

最近高校で漢文など必要ないという声もちょこちょこ聞かれます。でも日本に住んで日本語を母語としているんだから、やっぱり昔から基礎知識とされていた漢学は必要なんじゃないかなぁ。別に中国語を勉強したり、白文を読めるようになる必要はないし。自国の古典を読めない、理解できないというのは、やっぱりちょっとね。。。シェークスピアを知らないイギリス人や、ゲーテを知らないドイツ人がいたら、「え、知らんのwww」ってなるでしょ? 源氏物語を知らない日本人がいたら、やっぱり外からそう思われてるってことに。別にマンガでしか知らなくても全然いいんです。自分だって原文で源氏物語なんて理解できないんだから(とはいいつつ、やっぱりそれは情けないことなんだと思うけれども)。

学問って表面だけさらっと流しても、面白さは見えてこないですよねぇ。ある程度深いところを見て、ああこれとあれ(同じ学科だとは限らない)は全然関係なさそうだけど、実は根っこは同じだったんだなぁ、と気づくところから、面白くなってくるものだと思います。できれば広い範囲を学ぶ学生のうちに、できるだけ幅広く見渡したほうがいいんでしょうね。学校を卒業してからだって、別に勉強はいくらでもできるけど、時間がなくなるので。。。

ところで、最近若い人はよく「気づきがある」みたいな言い方をするようですが、自分はこれがすごく違和感があります。自分が若いころはこんな言い回しはなくて、「気づき」は動詞としてしか使わなかったと思う。でも最近気づいたのですが、こういう言い回しって、最近の教育関係の文章、学習指導要領なんかにやたらと出てくるんですね。自分のころは今のアクティブ・ラーニングなんてものもなかったし、最近の学校ではどういう授業をしているのか、とても興味があります。

もう一度、中学高校からやり直してみたいなぁw

 

2020年7月 1日 (水)

???(千葉県南房総市平久里川流域)

00_heguri_01

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千葉・平久里の石を見ていて、小さいけれどもらしからぬ色を見つけました。こんな美しい青の鉱物はここにはないはず。一目見て、なんだこれは!? というインパクトがあります。

多分、この結晶がくっついた母岩(か母岩についた別の鉱物)の色が、見る角度によって、屈折で表面に浮かび上がっているのだろうと思うのですが、平久里で青い鉱物といったら、斑銅鉱くらいしか思いつきません。実際、これとは違う石ですが、青や紫の斑銅鉱が点在しているものもありました(以前取り上げた自然銅のついていた石です)。こんな深い青ではなく、メタリックな感じの水色に近い青ですが、レンズのように小さな青い部分が拡大されているような感じです。

2枚目の写真は、針で周りを少し削って広くして、角度を変え撮影したもの。やはり青は一部分しか見えなくなりましたが(この青は班銅鉱の青っぽい)、この結晶はなんだろう。見た感じ、非常に整っていて、自形結晶のように見えますが、単にランダムに割れただけかもしれません。

ここで産出する鉱物の中であり得そうだとしたら、方解石か、魚眼石か、方沸石か。。。結晶面の形から、方沸石っぽい気もするのですが、方沸石のような丸みは全然感じられないですね。もっとシャープな感じ。ちょっと分かりませんね。。。

非常にきれいなのですが、その正体がわからないのはもやもやします。

 

2020年6月28日 (日)

あられ石(千葉県銚子市長崎鼻)

Aragonite Ca(CO3) 炭酸塩鉱物等

 

Aragonite_choshi_04

Aragonite_choshi_01

Aragonite_choshi_03

Aragonite_choshi_02

 

銚子の長崎鼻は、あられ石や琥珀の産地で有名です。

黒い母岩は古銅輝石安山岩で、叩くといい音で響くので楽器としても使われた讃岐石(カンカン石、sanukite)と同じものです。青いのはセラドン石。古銅輝石安山岩の間隙に、セラドン石やたまにあられ石が入っています。さらにまれにピンク色のあられ石もあるそうですが、そうそう出るものではないみたいです。

4枚の写真はどれも、ひとつの石を割って出てきた別の部位。

一番上は4cmくらいの大きな結晶で、ネット等でよく見る柱状結晶。

あとは1cmもないまとまりのものばかりです。一番最後の4枚目は、微細な針状結晶が球状に集合しています。

ある程度の大きさに育たないと、柱状にはならないのかな? もともと直方晶系で、針状あるいは板状結晶が120度の角度で連晶して六角柱を作るといいます。

成分的には方解石と同一(同質異象)で、違いは、硬度、比重があられ石のほうがわずかに高く、へき開(割れやすさ)が違うとのこと。四角い方解石のへき開が「3方向に完全」で、平行四辺形に割れやすいというのはわかります。あられ石の六角柱結晶が、伸長方向に平行に割れやすい(1方向)というのもわかる。でも、方解石はさまざまな形をとります。たとえば方解石の犬歯状の結晶のへき開はどうなのでしょう? 六角柱状ではない先の尖ったあられ石と犬歯状方解石では、どうへき開が違うのか。どう見わけをつければよいのか。

正直見た目だけではまったく分かりません。ネット等で調べても、この辺を説明してくれているものは全然見当たりません。もしかしてみんな知ってる常識とかを自分が知らないだけ? 結局、産地と形状等から類推するしかないのでしょうか。

専門の研究室等では、微細なものに関してはどうしているのか気になります。

いろいろ検索してみると、鉱物学だけでなく、とりわけ生物学の分野に絡んで(方解石やあられ石は多くの生物が利用している)、方解石とあられ石を分離するための、重液分離や染色法といった方法があるらしいということがわかりました(Seiichi Suzuki, Yoshihiro Togo, Yoshinori HikidaUsing Meigen’s staining for aragonite-calcite identifi cation in fossil molluscan shells under the scanning electron microscope, The Journal of the Geological Society of Japan Vol.99, No.1, 1993)。たとえば、硝酸コバルト(II)を蒸留水に10重量%の濃度にして70℃に保ち、試料を15分加熱すると、あられ石は紫色に染まり、方解石は変わらないそうです。けれども、「結晶形態から肉眼観察による方解石,霰石分離は困難であった」(加藤和浩・和田秀樹「微量同位体比測定のための染色法による方解石一霞石の分離法」静岡大学地球科学研究報告28、2001年7月)などという記述もあり、やっぱり見ただけでは無理ということですか。

方解石とあられ石の違いについては、専門家ではない自分はあまり突っ込まないほうがよい問題のようですw

でも、きちんと判別するための方法があることがわかって、ちょっとすっきりした気分です。

 

2020年5月 6日 (水)

自然銅(千葉県南房総市平久里川流域)

Copper Cu 元素鉱物

 

Copper_heguri_01

 

千葉県の有名な産地、伊予が岳(千葉県で唯一「岳」のつく山らしい)のふもと、平久里(へぐり)川の支流・荒川で拾ったものです。

周囲に採石場がある小さな川の、小さな滝のそばで見つけました。

斑銅鉱らしき紫や青が散りばめられた中に、箔状で赤銅色にきらめいていて、こういうのを見つけるとどきどきしますね。金や銀もいいけど、個人的には銅の方が好きです。二次鉱物の青や緑も大好物。

Heguri_01

ここで採集できる鉱物は、他に沸石類、方解石、ゾノトラ石、ペクトライト、トベルモリ-石などがあります。結晶した沸石は別として、どれも白い鉱物で似ていて、なかなか判別できないですね。。。

都心から近く、行きやすい産地なので、もう大したものはないかなと思っていたのですが、思ったよりもいろいろなものが見つかりました。少しずつ川岸の露頭が崩れ、その都度川原に新しい石が充填されるのでしょう。

すぐそばの伊予が岳は岩山ですが(低いけど登ると結構面白い)、こことはまったく岩質が違います。

このあたりは、嶺岡オフィオライトと呼ばれる地質地域で、上部マントルから地殻を構成するいろいろな種類の岩の層が切れ切れに重なっていて、地質的にとても興味深いところです(確か伊予が岳か富山に、説明の看板があったような)。フィリピン海プレートによって南の海から北上してきた海洋性地殻が、日本にぶつかって折れ重なりながらのし上がり、陸地になったのが、このあたりの地質です。だから、いろいろ異なった岩質の層が、狭い地域のあちこちに散らばった感じになっているのです。

千葉石(chibaite)という石英に似た新鉱物も、この荒川辺の採石場で発見されたそうです(「新鉱物『千葉石』」)。

新鉱物発見と新小惑星発見は、現代に残った数少ない可能性のある夢ですね。ちなみに日本の新鉱物に、「櫻井鉱」という鉱物があるのだ。「あお」という小惑星も見つかればいいのに(謎)。