最近のトラックバック

無料ブログはココログ

〇千葉県

2021年10月17日 (日)

沸石(千葉県南房総市平久里川流域)2

方沸石 Analcime Na(AlSi2O6)・H2O 珪酸塩鉱物

トムソン沸石 Thomsonite-Ca NaCa2Al5Si5O20・6H2O 珪酸塩鉱物

 

千葉県平久里(荒川)の沸石類、続きです。

(前回はソーダ沸石 沸石(千葉県南房総市平久里川流域)2

 

Analcime_heguri_01

Analcime_heguri_02

 

片側が押しつぶされたような、左右対称の幅の広い菱形が見えるので、方沸石の偏菱24面体の結晶だと思います。この面の形を凧型といったりしますね。西洋凧の形です。ザクロ石もこの形をとるものが多いです。

写真では判別しにくいのですが、白くてちょっと濁ったような光沢のものと、透明度が高くて少し青っぽい光沢のものがまじりあっています。2枚目の写真で、ところどころ天地左右が対称の幅の狭い菱形の光が見えるので、多分青っぽい透明なものは魚眼石ではないかと思うんですがどうでしょうか。。。

方沸石は長石に近い性質を持っていて、準長石という扱いをされることもあるそうです。分類の境界線上にある感じでしょうか。準長石とは、長石に似ているが、長石よりも珪酸分が少ない鉱物のグループで、石英とは共存しないそうです。確かに平久里では石英って見ないですね。。。石英ができるほど珪酸分が多ければ、方沸石ではなく長石ができるとか。

準長石には、他には霞石や白榴石などがありましたが、白榴石は現在では沸石に分類されています。白榴石というのはあまり聞かないですが、日本での産出は(まだ)確認されていないようです。結晶形は偏菱24面体で方沸石やザクロ石と同じですが、実際に見たことはないです。

 

Thomsonite_heguri_01

 

3枚目の写真は、上部に方沸石が、下部に柱状の結晶が見えます。ソーダ沸石にも似ているのですが、断面が正方形ではなく長方形、ちょっと厚めの板状になっていて、トムソン沸石ではないかと思います。平久里では、これが母岩にへばりつくようにびっしりついているのをよく見かけますね。

 

Thomsonite_heguri_02

 

こちらもトムソン沸石の、球状の集合体ではないかと思います。トムソン沸石というと、むしろこういう集合した姿のほうが一般的かもしれません。「トムソン沸石」で画像検索すると、板状結晶の写真はほとんど出てこず、球状集合ばかりです。断面がどうなっているのか、切ってみたいですね(まあ画像検索すればそういうのも出てきますけど)。

トムソン沸石のグループにはCaを含んだ灰トムソン沸石と、Stを含んだストロンチウムトムソン沸石の2種類があります。日本で産出するトムソン沸石のほとんどは灰トムソン沸石なので、わざわざ「灰」はつけないことが多いようです。

 

2021年10月 2日 (土)

沸石(千葉県南房総市平久里川流域)1

ソーダ沸石 Natrolite Na2(Si3Al2)O10・2H2O 珪酸塩鉱物

 

Natrolite_heguri_01

Natrolite_heguri_02

 

千葉県平久里のソーダ沸石です。

晶洞の中にきれいな四角柱状の結晶がひしめいているのですが、狭い隙間からのぞき込むようにしか見ることができません。とても怖くて割ったり入口を広げたりできないw がんばればがんばっただけ失敗して、すべて粉々になりそう。もっとらんとです、わたし。。。(ネガティブ・スパイラル)

でもそのおかげで、石を割った衝撃にも耐えて、きれいなままの結晶が残されたんだから、まあよかった。ちゃんと見れないけどね。

平久里で見られる鉱物は、沸石各種、方解石、ペクトライト、魚眼石、ゾノトラ石、トベルモリー石等々、みんな白や無色(透明)なものばかりで、結晶形がはっきりしていないものは、正直どれがどれやらちょっと自信ないです。また、その色のせいで、写真を撮るのがすごく難しい。。。

でも、これだけいろんな鉱物があるのに、千葉県は昔は「石なし県」と揶揄されていたとか。正直、神奈川なんてもっとないような気もしますが。。。鉱物的にいえば、やっぱり目立つ大きさの水晶がなかったことがそのゆえんでしょうか。鋸山をはじめ、採石場はたくさんあるし、やわい凝灰岩を手掘りした(廃)隧道も無数にあります。石そのものはいっぱいあるんですよね。2020年には、とうとうチバニアンなんて地質年代の名称までつけられて、すっかり日本の地質学の中心のような存在にまで成り上りました。

ところで、千葉の採石場でネット検索したら、ロケ用採石場の紹介ページが出てきました。これってやっぱあれ? 特撮ものとかで火薬使用する戦闘シーンって必ず採石場跡みたいなところでやってたけど、それですよねぇw

 

ソーダとはナトリウムのこと。だから、ソーダ沸石は、ほぼNatrolite(ナトリウム石)の直訳ということになりますね。鉱物には「lite」の語尾を持つ名前が多いですが、ギリシャ語のリトス=石がその語源です。観葉植物としてよく売られている、多肉植物のリトープスというのも、そのまるで石のような見かけからきています。

西欧の言葉の語源の多くがギリシャ語なのを見ると、やはりそっちの勉強をするならギリシャ語って必須なんですかねぇ。

日本の歴史・古典を知りたいのなら、漢学の知識が必須だと自分は考えていますが、それと同じような関係性にあるのかな。日本の古典や江戸の大衆文学など読むと、わざわざその断りなどもなく、ごく当たり前に中国の歴史や逸話などが下地にされていて、ようするにそういう知識は誰でも知っているのが当然だったんだなと思います。

最近高校で漢文など必要ないという声もちょこちょこ聞かれます。でも日本に住んで日本語を母語としているんだから、やっぱり昔から基礎知識とされていた漢学は必要なんじゃないかなぁ。別に中国語を勉強したり、白文を読めるようになる必要はないし。自国の古典を読めない、理解できないというのは、やっぱりちょっとね。。。シェークスピアを知らないイギリス人や、ゲーテを知らないドイツ人がいたら、「え、知らんのwww」ってなるでしょ? 源氏物語を知らない日本人がいたら、やっぱり外からそう思われてるってことに。別にマンガでしか知らなくても全然いいんです。自分だって原文で源氏物語なんて理解できないんだから(とはいいつつ、やっぱりそれは情けないことなんだと思うけれども)。

学問って表面だけさらっと流しても、面白さは見えてこないですよねぇ。ある程度深いところを見て、ああこれとあれ(同じ学科だとは限らない)は全然関係なさそうだけど、実は根っこは同じだったんだなぁ、と気づくところから、面白くなってくるものだと思います。できれば広い範囲を学ぶ学生のうちに、できるだけ幅広く見渡したほうがいいんでしょうね。学校を卒業してからだって、別に勉強はいくらでもできるけど、時間がなくなるので。。。

ところで、最近若い人はよく「気づきがある」みたいな言い方をするようですが、自分はこれがすごく違和感があります。自分が若いころはこんな言い回しはなくて、「気づき」は動詞としてしか使わなかったと思う。でも最近気づいたのですが、こういう言い回しって、最近の教育関係の文章、学習指導要領なんかにやたらと出てくるんですね。自分のころは今のアクティブ・ラーニングなんてものもなかったし、最近の学校ではどういう授業をしているのか、とても興味があります。

もう一度、中学高校からやり直してみたいなぁw

 

2020年7月 1日 (水)

???(千葉県南房総市平久里川流域)

00_heguri_01

00_heguri_02

 

千葉・平久里の石を見ていて、小さいけれどもらしからぬ色を見つけました。こんな美しい青の鉱物はここにはないはず。一目見て、なんだこれは!? というインパクトがあります。

多分、この結晶がくっついた母岩(か母岩についた別の鉱物)の色が、見る角度によって、屈折で表面に浮かび上がっているのだろうと思うのですが、平久里で青い鉱物といったら、斑銅鉱くらいしか思いつきません。実際、これとは違う石ですが、青や紫の斑銅鉱が点在しているものもありました(以前取り上げた自然銅のついていた石です)。こんな深い青ではなく、メタリックな感じの水色に近い青ですが、レンズのように小さな青い部分が拡大されているような感じです。

2枚目の写真は、針で周りを少し削って広くして、角度を変え撮影したもの。やはり青は一部分しか見えなくなりましたが(この青は班銅鉱の青っぽい)、この結晶はなんだろう。見た感じ、非常に整っていて、自形結晶のように見えますが、単にランダムに割れただけかもしれません。

ここで産出する鉱物の中であり得そうだとしたら、方解石か、魚眼石か、方沸石か。。。結晶面の形から、方沸石っぽい気もするのですが、方沸石のような丸みは全然感じられないですね。もっとシャープな感じ。ちょっと分かりませんね。。。

非常にきれいなのですが、その正体がわからないのはもやもやします。

 

2020年6月28日 (日)

あられ石(千葉県銚子市長崎鼻)

Aragonite Ca(CO3) 炭酸塩鉱物等

 

Aragonite_choshi_04

Aragonite_choshi_01

Aragonite_choshi_03

Aragonite_choshi_02

 

銚子の長崎鼻は、あられ石や琥珀の産地で有名です。

黒い母岩は古銅輝石安山岩で、叩くといい音で響くので楽器としても使われた讃岐石(カンカン石、sanukite)と同じものです。青いのはセラドン石。古銅輝石安山岩の間隙に、セラドン石やたまにあられ石が入っています。さらにまれにピンク色のあられ石もあるそうですが、そうそう出るものではないみたいです。

4枚の写真はどれも、ひとつの石を割って出てきた別の部位。

一番上は4cmくらいの大きな結晶で、ネット等でよく見る柱状結晶。

あとは1cmもないまとまりのものばかりです。一番最後の4枚目は、微細な針状結晶が球状に集合しています。

ある程度の大きさに育たないと、柱状にはならないのかな? もともと直方晶系で、針状あるいは板状結晶が120度の角度で連晶して六角柱を作るといいます。

成分的には方解石と同一(同質異象)で、違いは、硬度、比重があられ石のほうがわずかに高く、へき開(割れやすさ)が違うとのこと。四角い方解石のへき開が「3方向に完全」で、平行四辺形に割れやすいというのはわかります。あられ石の六角柱結晶が、伸長方向に平行に割れやすい(1方向)というのもわかる。でも、方解石はさまざまな形をとります。たとえば方解石の犬歯状の結晶のへき開はどうなのでしょう? 六角柱状ではない先の尖ったあられ石と犬歯状方解石では、どうへき開が違うのか。どう見わけをつければよいのか。

正直見た目だけではまったく分かりません。ネット等で調べても、この辺を説明してくれているものは全然見当たりません。もしかしてみんな知ってる常識とかを自分が知らないだけ? 結局、産地と形状等から類推するしかないのでしょうか。

専門の研究室等では、微細なものに関してはどうしているのか気になります。

いろいろ検索してみると、鉱物学だけでなく、とりわけ生物学の分野に絡んで(方解石やあられ石は多くの生物が利用している)、方解石とあられ石を分離するための、重液分離や染色法といった方法があるらしいということがわかりました(Seiichi Suzuki, Yoshihiro Togo, Yoshinori HikidaUsing Meigen’s staining for aragonite-calcite identifi cation in fossil molluscan shells under the scanning electron microscope, The Journal of the Geological Society of Japan Vol.99, No.1, 1993)。たとえば、硝酸コバルト(II)を蒸留水に10重量%の濃度にして70℃に保ち、試料を15分加熱すると、あられ石は紫色に染まり、方解石は変わらないそうです。けれども、「結晶形態から肉眼観察による方解石,霰石分離は困難であった」(加藤和浩・和田秀樹「微量同位体比測定のための染色法による方解石一霞石の分離法」静岡大学地球科学研究報告28、2001年7月)などという記述もあり、やっぱり見ただけでは無理ということですか。

方解石とあられ石の違いについては、専門家ではない自分はあまり突っ込まないほうがよい問題のようですw

でも、きちんと判別するための方法があることがわかって、ちょっとすっきりした気分です。

 

2020年5月 6日 (水)

自然銅(千葉県南房総市平久里川流域)

Copper Cu 元素鉱物

 

Copper_heguri_01

 

千葉県の有名な産地、伊予が岳(千葉県で唯一「岳」のつく山らしい)のふもと、平久里(へぐり)川の支流・荒川で拾ったものです。

周囲に採石場がある小さな川の、小さな滝のそばで見つけました。

斑銅鉱らしき紫や青が散りばめられた中に、箔状で赤銅色にきらめいていて、こういうのを見つけるとどきどきしますね。金や銀もいいけど、個人的には銅の方が好きです。二次鉱物の青や緑も大好物。

Heguri_01

ここで採集できる鉱物は、他に沸石類、方解石、ゾノトラ石、ペクトライト、トベルモリ-石などがあります。結晶した沸石は別として、どれも白い鉱物で似ていて、なかなか判別できないですね。。。

都心から近く、行きやすい産地なので、もう大したものはないかなと思っていたのですが、思ったよりもいろいろなものが見つかりました。少しずつ川岸の露頭が崩れ、その都度川原に新しい石が充填されるのでしょう。

すぐそばの伊予が岳は岩山ですが(低いけど登ると結構面白い)、こことはまったく岩質が違います。

このあたりは、嶺岡オフィオライトと呼ばれる地質地域で、上部マントルから地殻を構成するいろいろな種類の岩の層が切れ切れに重なっていて、地質的にとても興味深いところです(確か伊予が岳か富山に、説明の看板があったような)。フィリピン海プレートによって南の海から北上してきた海洋性地殻が、日本にぶつかって折れ重なりながらのし上がり、陸地になったのが、このあたりの地質です。だから、いろいろ異なった岩質の層が、狭い地域のあちこちに散らばった感じになっているのです。

千葉石(chibaite)という石英に似た新鉱物も、この荒川辺の採石場で発見されたそうです(「新鉱物『千葉石』」)。

新鉱物発見と新小惑星発見は、現代に残った数少ない可能性のある夢ですね。ちなみに日本の新鉱物に、「櫻井鉱」という鉱物があるのだ。「あお」という小惑星も見つかればいいのに(謎)。