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○埼玉県

2022年4月17日 (日)

種山石?(埼玉県飯能市岩井沢鉱山)

Taneyamalite (Na,Ca)Mn2+12(Si,Al)12(O,OH)44 珪酸塩鉱物

Taneyamalite_iwaizawam_01

 

種山石。。。ではないかと思うのですが、はたしてどうか。。。

岩井沢鉱山といえば、ぜひとも見つけたいのがこの種山石。熊本県の種山鉱山と、岩井沢鉱山で発見され、1981年に報告された日本産のマンガン系の新鉱物です。黒緑から茶褐色の繊維状で、脈状に分布することが多いが、種山鉱山のものは鉄分が多くて黒味が強く、岩井沢のものはマンガン成分が多くて黄色が強いとか。

日本では、他にも四国のマンガン鉱山等で産出しますが、日本以外ではアメリカのカリフォルニア周辺でしか見つかっていない珍しい鉱物です。種山石よりも数年前にアメリカで発見されたハウィー石(Howieite: Na(Fe,Mn)10(Fe,Al)2Si12O31(OH)13)という鉱物の仲間ですが、こちらも種山石とほぼ同じ場所でしか見つかっていない鉱物です(こちらは岩井沢では確認されていない?)。

何かは分からないのですが、繊維状ではないが似たような色合い(透明度さまざま)の箇所(大抵脈状に入っている)も多く、ちょっと自信ないですけど。。。

 

子どものころ西武沿線に住んでいたので、奥武蔵は行きやすいということでよく訪れていたのですが、その後引っ越したり山に行かなくなって長いこと離れていました。最近は石への興味もあって、ちょくちょく行くようになったのですが、何となく懐かしく感じたのが、地面を踏む感覚でした。もちろんあちこちから見える武甲山の姿も懐かしい(でもこんなに削れてなかったような記憶。。。)のですが、地面を歩く感触が、たとえば丹沢や奥秩父、伊豆なんかとは全然違うんですよね。言葉にしようとすると難しいのですが、なんとなく乾いているのにじっとりとしていて滑りやすい感じというか。。。ようするにこれはチャート系の感触なんですね。奥多摩なんかでも同じ感触があります。

歩く感触が、その地域の岩質で明らかに違うというのは、間違いなくあるんですが、あまり聞きません。花崗岩の感触と、伊豆の白浜層の岩の感触の違い。。。三浦半島と千葉の鋸山は似てるとか。。。言葉にしずらい、数字で表現できないもので、鉱物の光沢の違いに似ているかもしれない。光沢の表現というのも、なんというか、わかるようなわからないような。。。けっこう謎なところがありますよね。なめて味で判断の一助にするとか、もしかしたらあるんだろうか(まあこれはやらないほうがいいと思いますがw)。触感の違いというのも役にたちそうな気がしないでもない。

もしかしたら犬系の動物だったら、匂いで地域の差、地質の差などを感じているのかもしれない。そのあたりをうまく表現する方法が見つかると、便利だし面白そうですが。。。他人とその差を共有することがはたしてできるのか。

でも、色というのも、はたして他人ときちんとその差異を共有できているのか。左右の目で色がちょっと違って見える人もいますし、自分は左右の耳でかなり聞こえ方が違います。

こう考えていくと、実は人によってまったく認識する世界の姿が違うのではないか、すべての人のコミュニケーションは勘違いによって成り立っているのではないか、という疑問すら出てきてしまうので、ここで話を中断しておこうと思いますw

 

2022年3月26日 (土)

菱苦土石(埼玉県秩父市秩父鉱山)

Magnesite Mg(CO3) 炭酸塩鉱物等

 

Magnesite_chichibum_01

Magnesite_chichibum_02

 

秩父鉱山・道伸窪のそばの沢で見つけたもの。面が湾曲していて、爪のような形状が特徴的ですね。

菱苦土石、苦灰石(Dolomite: CaMg(CO3)2)、菱鉄鉱(Siderite: Fe(CO3))のどれかではないかとかなり迷いました。色、形状、モース硬度、劈開などは、3つともほぼ変わりがないので、なかなか判断がつきかねます(秩父鉱山では全部産出するとのこと)。

冷希塩酸でほとんど反応が見られないこと、温希塩酸で発泡すること、溶液が無色であったことなどから、菱苦土石としました(苦灰石は冷希塩酸で発泡する。菱鉄鉱は溶液が黄緑色をしているとのこと〈藤原卓編著『必携鉱物鑑定図鑑』白川書院、2014年〉)。ちなみに長波UVでは蛍光しませんでした。

菱苦土石も菱鉄鉱も、方解石の仲間です。「苦土」はマグネシウムのこと。わかりやすい名前ですね。

上2枚の写真は同じ石の違う部分。ほぼ菱苦土石の塊です。

下の写真は同じ場所で採集した、違う石についていた菱苦土石。

 

Magnesite_chichibum_03

 

透明で白い地は方解石です。こちらも湾曲した菱形の結晶ですが、大小さまざまの球状に寄り集まっているのが特徴です。

どちらも石英、方解石、黄鉄鉱等が一緒についていて、特に3枚目の石では黄鉄鉱の双晶があちこちにくっついているという。。。なんかもうさすが秩父鉱山としか言えない。

 

菱苦土石(Mg(CO3))のMgが、Feになると菱鉄鉱(Fe(CO3))になりますが、自然界では「100%」「0%」というのはほとんど存在しないと思います。必ず他のものが混じっているもので、この菱苦土石も結構多くのFeが混じっているのかもしれない(黄鉄鉱〈FeS2〉が共存しているわけだし)。詳しいことはもっと信用ある資料で「固溶体」について調べてもらったほうがよいですが、ほとんどの鉱物の種類というのは、かっちりしたものではなくグラデーションになっていて、あやふやなものと考えたほうがよいのでは、名前をつけること(レッテルを貼ること)ははたして正しい認識方法なのか、などとたまに考えたりします。

「自然」というものは、もともとあやふやなのがデフォルトであるといえるかもしれません。「数字で表せない科学」「計算できない科学」というものが、現実では当たり前にあると感じます。科学において計算できるのは、計算できるように事象を限定しているからで、本当はありのまま計算せずに捉えることができるような方法があればそうしたほうがいいだろうし、むしろ計算することによって本質から離れてしまうことだってあり得るのでは。。。

 

「レッテルを貼る」というのは、人間関係では明らかに否定的な意味合いを含んでいますねw 相手に「〇〇主義者」などというレッテルを貼りつけて(その人の思想がどの程度その主義と重なっているかどうかは関係ない)、そのレッテルを批判することで、相手の言論を封じるという議論の仕方をしている人をよく見かけます。というか、「〇〇主義者」などという言葉は、いい意味でも悪い意味でも、そういう使い方しかできないものです。それは個人ごとに必ずあるグラデーションをスミベタで塗りつぶしてしまう。いやだねぇw

今では、その反対の意味であるはずの「多様性」という言葉ですら、使われすぎて、なんか「〇〇主義者」と似たニュアンスになってきてるような気がするのだ。

ということで、今回はキーボードが走りすぎて書いてしまったけれども、こういう「個人的意見」はできる限り書かないようにするのが一番ですねw 自省。。。

 

2022年3月17日 (木)

辰砂(埼玉県飯能市岩井沢鉱山)

Cinnabar HgS 硫化鉱物

 

Cinnabar_iwaizawam_01

Cinnabar_iwaizawam_02

 

埼玉県の奥武蔵にある岩井沢鉱山あとで見つけた辰砂です。結晶質ではなく箔状ですが、真っ赤な色がきれいですね。

辰砂があるところに、2枚目左下のようなオレンジ色の部分もよく見られたのですが、これはなんだろう? 辰砂の色違い? 色的には、鶏冠石(Realgar:AsS)か、それが分解したパラ鶏冠石(Pararealgar:As4S4)のように見えますが。

辰砂は以前奥多摩のものを取り上げました(辰砂(東京都西多摩郡奥多摩町鋸山))。奥多摩と奥武蔵は全然別の山域というイメージですが、直線距離で約20kmくらいで隣り合っています。周辺は基本チャートが多く、マンガン鉱山の跡があちこちにあります。鋸山の多摩川の対岸は日原で、そこから川苔山、有馬山と繋がって、名栗地区。さらに正丸峠を経由すれば岩井沢のある高麗川北の稜線です。

岩井沢の上の稜線には奥武蔵グリーンラインという舗装林道が走っているので、むしろそこから下る方が行きやすいかもしれません(ただしグリーンラインから岩井沢に下る正規の道はないようです)。グリーンラインは、埼玉の自転車やバイク乗りの人なら、定番のコース。下から鉱山経由でブナ峠まで登ってみましたが、峠付近にブナは特に見当たりませんでした。植林の多いところなので、作業林道があちこち通っていて、行き様はいくらでもありますが、山としては特に面白い山域ではないですね。。。山コーヒーをするのによさげな関八州見晴台とか、ハイキングコースとして知られる場所もありますが、まあ地味ですよね。

坑道は岩井沢上流の枝沢沿い(廃林道あり)にあります。坑口周辺や下流に鉱石が転がっているので、そこを探します。マンガン鉱山だったので、黒い石を割ると、石英、ピンクの菱マンガン鉱(?)や黒くてきらきらした繊維状の水(軟)マンガン鉱、カリオピライトなどのマンガン鉱石、よくわからない緑っぽい鉱物などが現れてきます。まれにこんな真っ赤な辰砂も出てきます。

石を割る楽しさはマンガン鉱石が一番ですね(よく判別できないけれども)。

 

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2021年12月 6日 (月)

車骨鉱(埼玉県秩父市秩父鉱山)

Bournonite CuPbSbS3 硫化鉱物

 

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秩父鉱山の代表的な鉱物のひとつである、車骨鉱です。

採集したのは、六助沢。それも上流などではなく、広河原沢との合流すぐ(橋の下をくぐって六助沢に入ったところ)です。車骨鉱のポイントといえば大黒が最も有名ですし、自分もここで車骨鉱を探そうとしていたわけではないのですが、六助沢の上流ではアンチモン鉱物(輝安鉱など)が出るのだからまああってもおかしくはないですよね。

硬度は2.5~3で、そんなに硬くないのに、下までよくぞ無事に流れ落ちてきたものです。2枚目の写真は、かなり大きな塊だったものが割れてしまったようですが、やはり顕微鏡サイズだからこそ、残ったのでしょう。肉眼レベルのものを探そうとすると、多分かなり大変だろうと思いますが、鏡下ならばそんな大きさは必要ないのだ。

同行者がなんかきれいといって取り分けておいた石をルーペでのぞいてみたら、これでした。同行者は車骨鉱を知っているわけではないのですが。時々、珍しいものが入っている石をそうとは知らず見つけることがあるので、なんとなく気になったと言う石は、確認するようにしています。でかした! 青みがかった黒をベースに、虹色に輝いていて、とてもきれいです。やっぱり秩父鉱山に来たらぜひ見つけたいナンバー1の鉱物ですからね。

鉛と銅とアンチモン、硫黄からなる、板状の結晶が双晶を繰り返して、歯車のようにぎざぎざになることから、車骨鉱と名付けられたそうです。鉱山などで呼ばれていたドイツ語の「Rädelerz」(歯車Radの鉱石Erzという意味)を直訳したとか。でも直訳なら「骨」という語は出てこないはず。

「車骨」をネットで検索すると、「くるまぼね」として「大きい骨」という意味とか、腰の骨の意味で使われている例などが出てきますが、これではどうも意味がよく分かりません。引用元を見ても、俳諧などかなり限定的な使用で、一般的な言葉ではなさそう。

個人的には、直訳というより、「竜骨車」などからの連想をくわえて、むしろ意訳して造語された言葉ではないかという気がします。竜骨車とは、農業用水を、低い水面から高い農地へとくみ上げる足踏み式の揚水機で、歯車と多くの樋をつけたキャタピラから構成され、見かけがまるで竜の骨のようであることから「竜骨車」という名前がつきました。検索すると似たような構造でさまざまな形状の画像を見ることができますが、これらから車骨鉱を連想するのは、かなり容易な気がします。いずれにせよ、印象的ないい邦名だと思いますね。だって、こんな名前の鉱物、つい探したくなるもん(笑)

(以上、参考サイト「鉱物たちの庭 661. 車骨鉱」)

 

ところで現在(2021年12月)、またしても中津川の道路は崩れて通行止めになっていて、六助沢どころか、大黒にすら行けない状況のようです。行けないとなると行きたくなってしまうのは人情ですが、ほんとうに早く通行可能になってほしいですね。数回しか訪れておらず、まだまだ見たいところがたくさんあります。

以前、川上村からせめて三国峠まで車で行ってみようと思い、挑戦してみたことがあるのですが、あえなく途中で挫折、半分も行けず引き返しました。うちの車は林道に弱いのですw ジムニーとか軽トラなら余裕かな? 今は峠から秩父側は全面通行止めですが、歩きならばどうにかなるのかな? 登山道の崩れたのは大抵何とかなるのですが、谷あいの林道が崩れると、歩きでもお手上げなことが多いのですよね。。。山から林道に降りてくる時でも、擁壁が大きな障害になる場合がとても多いのです。

 

2021年9月23日 (木)

玉髄(埼玉県飯能市上名栗武川岳周辺)

Chalcedony SiO2 酸化鉱物

 

Chalcedony_takekawadake_01

 

埼玉県・奥武蔵の武川岳南尾根(名郷からの登山道)上で見つけた玉髄です。

この周辺は後期ジュラ紀から前期白亜紀の付加体層で、石灰石やチャートが散らばります。尾根の東側は石灰の採石場、西側の沢に下りればマンガン鉱山のあった山中のほど近くです(現在名郷からウノタワ、妻坂峠に登る林道・登山道は崩壊のため通行止めになっています。2021年9月現在)。

この石は小さな水晶、緑簾石がついていて、山に登る途中で見つけて拾ってきたものです。石英か方解石か調べようと長波UVをあてていて、光るところがあるのに気づきました。青くきれいに光ります。

 

Chalcedony_takekawadake_02

 

きれいですねー。蛍光する玉髄は初めて拾いました。

玉髄は微細な石英が繊維組織をとったもので、自体は蛍光はしないのですが、内部に不純物が含まれているとそれが光ります。ウランが含まれていると緑に、鉱物油などが含まれていると青く、他にもランタノイド系の元素が含まれていると黄に、マンガンが含まれていて青緑に光るなどいろいろな場合があるようです(蛍光鉱物一辺倒 石英の項)。玉髄の破面はスポンジ状をしていて微細な孔があいており、そこに水などが含まれることによって、水晶とは若干異なる化学的性質を持つのだそうです(比重、屈折率がちょっと違う)。

写真は青く光っているので、石油とか、メタンとか、樹脂のようなものが含まれているのかな? ここらへんの地層は海成なので、メタンの気泡でも含んでいるのか? よくわかりませんが、写真を見る限り、何か入ってそうな見かけはしてますねw

 

奥武蔵のこのあたり(から秩父にかけて)は、石灰採石場、マンガン鉱山があちこちにあります。小松鉱山のようにバナジウム系の鉱物が産出するところもありますが、詳しい場所はわかりません(このあたりじゃないかと思う場所はあるが、まあ見つけるのは無理かなw)。

武川岳から稜線を歩いて鳥首峠から名郷に戻りましたが、峠の下、石灰を採掘していた武蔵白岩鉱山の廃墟が残っていました。2015年まで稼働していたそうですが、今でもズリに飲み込まれつつある村の廃墟、軌道のレールなどを見ることができます。子どものころは西武沿線に住んでいたのでこの近辺もよく来ていたのだけれど、当時はまだ稼働していたんだなぁ。

 

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武川岳南尾根。尾根上には石灰岩が多く、よじ登るような場面もあるよ。

Okumusasi_02
白岩集落の廃墟。その裏手は真っ白い石灰のズリが迫ってきている。

 

Okumusasi_03
白岩集落跡から林道まで続く軌道のレール。

 

石灰といえば、最近SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に対応しているという、石灰を使った紙の代替品が話題になっています。木や水を使用しないということで、エコだということなんですが、それに対する批判もあって、どうもよくわかりません。

木の伐採をしなくてすむし水も使わない、石灰は世界中に文字通り山ほどあるってことですね。

反対意見としては、木は植えれば再生できるし、水は消費しているわけでなく利用しているだけ、むしろ石灰は再生できない、ということのようです。

まあでも石灰は、海に生物の死骸が堆積しプレートが動いている限り、現在進行形で生成され続けている(数百万年単位だがw)ので、資源として限りがあるということはないですよね。

でも石灰採掘で山(と森)が崩されるというのも確かです。石灰だけでなく、クリーンエネルギーといわれる水力、風力、太陽光発電も、そういう意味ではクリーンとはとてもいえない。水力なんて環境負荷は表面だけを見ても甚大です。

風力、太陽光発電も、狭い日本では大抵平野ではなく山中に作りますが、作るためにはそれ自体の用地だけでなく、道路(林道)をいっぱい作らなければなりません(植林でもそうですが)。山というのは重力という絶え間ない力に常に抵抗しているわけで、もともと崩れるものですが、道路というのは山の斜面を切っているので大規模な崩壊のきっかけになることが非常に多いのです(伊豆大島の大雨による土石流もそうでした)。山中で皆伐したあとに作られた太陽光発電の場所にでくわすと、土砂が流れ出ていたりするのを見たりもします。山の自然の侵食を加速している、というイメージですね。

さらにいうなら(日本での)植林というのは、自然林を皆伐して杉・檜の単層林にしているわけで、非常に広い範囲にわたって生態系を完全に変えているわけです。特に昭和の拡大造林政策によって、昔からの里山だけでなく、さらに奥の稜線の上まで植林にされました。今でもとっくに崩れた林道の奥、まったく手入れをなされていない植林をよく見かけたりします。最近シカの食害がーとかいろいろ言われて悪役にされますが、一番影響を直接受けたのがこのシカです。というか、環境に対するシカの影響など、人間による影響と比べたらないようなもので、ようするに「自然」環境に対する悪役ではなく、人間の経済活動に対する悪役なのですね。

 

ようするに何が言いたいのかというと、何が自然環境により良いのか、より悪いのか、なんてことを理解するレベルに人間はまだ達していないのではないか、ということ。さらに、そのレベルに達することはないのではないか、ということです。

やはり最近悪役にされるプラスチックですが、本当に環境負荷が高いのかどうか。そもそも海にビニール袋が捨てられているのは、樹脂が悪いわけでなく、そこらへんに捨てる人間が悪いんじゃ。。。その代替として紙が使われるほうが負荷が高いんじゃないか、さらにその代替として石灰が使われるほうが負荷が高いんじゃないか、さらにその代替として。。。

昔、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)ってのがかなり話題・問題になりましたが、現在ではその影響はないとされていたり、まったく解明されていなかったり、ようするに一時の流行でしかなかった。甘味料のチクロも毒だといって世界中で規制されたけれど、結局それを示すような実験結果はひとつもないし(ちなみに日本では今も規制されてる)。これも一時の流行です。新コロのワクチンも似たようなものでは?

 

多分、人間は最終的に何が正解なのか、理解しきることは不可能なんでしょう。わかることはないのだ、と理解することが大事なんじゃないかなあ。そこからどう行動したほうがいいか、見えてくるような気がします(ここで「しなければいけない」と言うと、一気に間違ったほうに進んでしまう)。ソクラテスですね。ソクラテスの「無知の知」というのは、「知らないということを知る」「だからもっと調べなければならない、勉強しなくちゃいけない」ということではありません。後半が違うと思う。

なんか、えらく話が大きくなってしまったので、ここでおしまいw

 

2021年8月29日 (日)

方解石(埼玉県秩父郡小鹿野町二子山)

Calcite Ca(CO3) 炭酸塩鉱物等

 

Calsite_futagoyama_01

Calsite_futagoyama_03

 

秩父鉱山の北にある二子山の方解石です。

鉱物目当てで行ったのでなく、以前登山目的のみで訪れた時に、きらきら光っていてきれいだったので拾ってきたものです(最近戸棚を整理していて発見しましたw)。方解石であることは知っていましたが、まだ鉱物を集めたりしていないころの昔のことです。多分、東峰・西峰を登ったあと、魚尾道峠(よのうとうげ)に下りる途中だったような気がしますが。。。方解石のポイントって、股峠近くでしたっけ? 近くは通っているはずなので、ポイントから登山道に転げ落ちてきたものかもしれません。

透明度が高く、あちこち結晶内部が七色に光っているところがあって、とてもきれいです。方解石は非常にありふれた鉱物ですが、場所によってまったく異なる、さまざまな形態で見られるのが、とても楽しいのです。ここの方解石はそのシャープさ、透明さ、輝きに非常に魅力があります。

西峰と東峰からなる二子山は石灰岩の山で、フズリナ(紡錘虫)やウミユリの化石なども見つかります。古生代に南の海で堆積した有機物の層がプレート移動してきて、中生代ジュラ紀に日本に付加した後に隆起してできた山です。遥か遠い過去の海の残滓を垣間見ることができます。

このあたりには同じような断崖絶壁の山も多いですが、二子山は特に独立した岩稜の見かけのすごさや、普通の登山道があることもあって、人気の山ですね。クライミングの人も多いです。西峰には普通の登山道のほかにも中・上級者用の鎖などがついていないルートもあって、岩を登るのが好きだけどクライミングまではちょっと。。。という人にもとても面白い山です。昔鎖が邪魔と言われて、わざわざはずしたらしい。確かに、峻険とはいえ、手がかり足がかりは多くて、登りやすいです(表妙義などとは比較になりません)。

最近特によく感じる一般登山道の過剰整備を思うと、鎖をすべてはずしたルートを残したのは、高く評価されるべきだと思います。日本ではちょっとしたところでも危ないあぶない危険きけん! と、誰でも子ども扱いするのがデフォななか、よくこういう大人な対応をしたなあと感心します。最近、「山を登りにきたのに、いつのまにか階段ばかり登っていた、な、なにを言っているのかわからねーと思うがry)」と思うことが多くてねw

秩父の石灰岩の山は、いくつか採掘の対象となり、姿を変えています。二子山の隣の叶山も石灰岩が採掘され、下の写真のような姿です。掘られる前はどんなだったんでしょうね。。。子どものころ見た記憶の中の武甲山の姿は、今見る姿とずいぶん印象が違うんですが。。。これらの山々がコンクリートの材料になり、日本の近代化を支えてきたわけです。どんなに姿を変え、たとえ消えてなくなってしまったとしても、山の名前は記憶にとどめておきたいですね。

 

Futagoyama_01

魚尾道峠付近から見た西峰の岩稜。まるでミニ・ヨーロッパ・アルプスといった風情。

 

Futagoyama_02

西峰の岩尾根と、隣の叶山。石灰岩が採掘される前は、二子山のような岩山だったのかも?

 

2021年7月10日 (土)

灰礬柘榴石(埼玉県秩父市秩父鉱山)

Grossular Ca3Al2(SiO4)3 珪酸塩鉱物

 

Grossular_chichibum_02

Grossular_chichibum_01

Grossular_chichibum_03

 

たまには見栄えのいいものを。

秩父鉱山橋掛沢の灰礬柘榴石です。

ここでは、基本飴色をしたものが多いようですが、3枚目のように透明なものもちらほらと見られます。同所ではベスブ石も産するのですが、柘榴石と色も形も似ていて、正直どっちがどっちか自信ないんですよねぇ。。。ベスブ石のほうがもうちょっと緑が混じった感じの色になるのかな。。。でも灰礬柘榴石といっても、産地によっていろいろな色のものがあるのがややこしいところ(まあ鉱物って他のものもそういうの多いですが)。

他の成分が混じっておらず、理想的な組成、つまりほぼCaAlSiOの3種だけでできたものほど無色透明です。クロムが混じれば緑がかり、マンガンが混じればピンク、1、2枚目のような飴色は、酸化した鉄分による色でしょうかね?

でも、Grossularという名前は、セイヨウスグリ(グーズベリー、ラテン語でgrossularium)という植物の名前に由来します。多分その透明感のある黄緑色の実からきているのだろうと思います(1808年ドイツのヴェルナーによる命名)。ちなみにヴェルナーは1803年にまずこの石にKanelsteinという名前をつけています。意味はシナモンストーン。こちらはシナモンの茶色からきているのでしょう。いろんな色があり得る鉱物を、色から名前を付けるのはどうやらやめたほうがいいみたいですねw

 

橋掛沢は両神山から流れ出る沢ですが、それにしては産地まで特に危険なところがなく行きやすいので、秩父鉱山の中でも人にすすめやすいところです。訪れる人も多いのかな? 結晶も大きくて肉眼、ルーペだけで十分観察できる立派さ。隣の石灰沢と並んで、秩父鉱山の代表的な産地のひとつといえると思います。

両神山は標高1723mとそんなに高いわけでなく、高さだけでいえば秩父の山の中では前衛のひとつでしかないんですが、その山容が麓からよく見えるために、古くからよく知られていたのでしょう(「名山」となるには、麓から格好よく見えることが第一の条件ではないかと思います)。岩場が多い山の例にもれず、やっぱり修験道の道場として栄えていたようです。開山は奈良時代、役小角による・・・ってどこでも名前が出すぎですね>役行者。修験道の地は、大抵役小角が開山した、来山したという話がついてまわります。まったく困った人だw(安倍晴明、日蓮とともに、日本三大呪術ヒーローといえるw)

イザナギ、イザナミ両神を祀るから両神山になったという説や、日本武尊がこの地を通りすぎるのに八日かかったので「八日見(ようかみ)山」と呼ばれるようになったという説、山上に竜頭神社奥社があり竜神山とも呼ばれていたそうで(『世界大百科事典』平凡社)、そこから漢字があてられた説などいろいろあって、面白いですね。いずれにせよ、古代からよく知られた山だったのでしょう。

実は行ってみたいとずっと思いながら、なぜかまだ登ったことがない山のひとつなんですよねぇ。両神山は百名山のひとつになってしまっているので、人の多いところにはあんまり行く気がしない天邪鬼体質のせいもありますw 北の二子山(方解石で有名ですね)や中津川流域側から見える両神山はとても立派で憧れもあるんですが。。。

 

2021年5月23日 (日)

毛鉱(埼玉県秩父市秩父鉱山)

Jamesonite Pb4FeSb6S14 硫化鉱物

 

Jamesonite_chichibum_03

Jamesonite_chichibum_01

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秩父鉱山、大黒の川原で見つけた毛鉱です(すべて1つの石の部分)。あったのは、マンガン鉱などが見つかるところ。大黒でちょっと珍しいものを見つけるのは、ほとんどこのとても狭い範囲内で、ちょうどここに捨てられたズリが特別だったのだろうと思います。大黒川原の右岸斜面は全部ズリでできているようですし、まだまだいろいろなものが埋まっているんでしょうねぇ。川原上の広い駐車スペースも、ズリで平地を広げたような感じに見えます。

毛鉱とブーランジェ鉱は、なかなか肉眼では判別が難しいようですが、特に1枚目のものはサイズがかなり大きく毛というよりはまさに針で、ブーランジェ鉱とは見た感じが全然違うと感じました(詳しくはブーランジェ鉱(山梨県甲州市黄金沢鉱山)を参照のこと)。色も黄鉄鉱のようにちょっと黄色がかっていて、立派です。少なくとも1枚目の写真は、毛鉱と確定していいのではないかと。まあ正確なところはわかりませんけどね。。。

2枚目の写真では、ブーランジェ鉱との違いがよくわからないです。どうやら毛鉱らしいものと同じ石の欠片についていたので毛鉱だろう、といった程度の考え。でも、毛鉱とブーランジェ鉱は共生するので、ブーランジェ鉱の可能性もあります。

あと、3枚目のように、青く見える部分もいくつかあって、とてもきれいです。この青は何に由来するんでしょう。mindat.orgの毛鉱の写真を見ても、いくつか青く輝く写真があります。拡大すると、どうやら基本的に虹色の輝きをもったものが、反射の加減で特に青が強調されているような感じです。どうやら地色というわけではないみたいです。ちなみにブーランジェ鉱のmindat.orgの写真を見ると、やはり青によったものが多く見受けられますね。

どの写真も、まわりはほぼ全部石英(水晶)です。

 

鉱物名は、スコットランドの博物・鉱物学者・ロバート・ジェイムソン(Robert Jameson, 1774-1854)にちなみます。エジンバラ大学出身ですが、ドイツのフライベルク鉱山学校(Bergakademie Freiberg)で、ヴェルナー(Abraham Gottlob Werner, 1749-1817)の下でも学んでいます。

ここでも何度も名前が出てきたヴェルナー。その下で学んだということは、ジェイムソンもやはり岩の水成論の立場に立っていました。この時代のヴェルナーの影響の大きさがわかりますね。

 

2021年3月18日 (木)

マンガン斧石(埼玉県秩父市秩父鉱山)

マンガン斧石 Axinite-(Mn) Ca4Mn2+2Al4[B2Si8O30](OH)2  珪酸塩鉱物

チンゼン斧石 Tinzenite Ca2Mn2+4Al4[B2Si8O30](OH)2  珪酸塩鉱物

 

Axinitemn_chichibum_01

 

前回の鉄斧石から続き、今回はマンガン斧石。秩父鉱山、大黒下の川原産です。

鉄斧石の鉄FeのかわりにマンガンMnが入ったもので、若干肌色がかった感じ。マンガン鉱物に多い赤・ピンク系が若干混じっているってことか。結晶が少しずつズレながら重なって集合しているさまがわかります。結晶面が滑らかなので、きらめきがきれいです。

大黒の川原わきの斜面はどうやらズリでできているようで、さらにその一部の狭い範囲だけでマンガン系の石が多く見られます(ピンクの菱マンガン鉱が目立つ)。このマンガンがらみの石に、いろいろな珍しい鉱物が共存していることが多いようです。マンガン斧石も、その狭い範囲内で見つかります。

同じ石の別の箇所には、色の濃いものもついていました。

 

Axinitemn_chichibum_02

 

表面に赤さびがついているわけではなさそうです。これは、マンガン斧石よりマンガン成分を多く含む、チンゼン斧石ではないかと思うのですが、どうでしょうね。写真を見る限り、こんな色をしていることが多いみたいですが。

マンガン斧石に比べるとかなり珍しいようで、ぐっと産地は減ります。CaのかわりにMnがちょっと増えただけなんですが、こんなに色が変わっちゃうものなんですかね。まあ分析したわけではないので、記事のタイトルは「マンガン斧石」としておくことにします。鉱物の組成というのは連続的なグラデーションで、わずかな差の鉱物の場合、分析なしでは判断できません。色なんてちょっとした差で変わってしまいます。。。

名前は、スイスのチンゼン(Tinzen, Tinizong)という地名に由来します。チンゼンそばのAlpe Parsettensというところで産するらしいですが、この場所がどういうところなのかよく分かりません。Alpeというのは、アルプスの山の名前ではなく、アルプスの中腹の草原地帯のことなのだそうですが、そこに鉱山等があったのか、露頭なのか。。。google mapで検索しても出てきませんね。

 

荒川の上流、奥秩父もみじ湖で、奥秩父の三国山を源流とする支流の中津川が合流します。さらに少し上流、中津川の支流・神流川が合流しますが、その神流川沿いに大黒の鉱山跡があります。地形図にも(廃坑)として表記されている、まさに秩父鉱山の中心地といっていいところですね。中津川はずっと深い渓谷が続きますが、このあたりは川原が若干広がっていて、気持ちのいいところです。

川沿いの崖にいくつか掘ったあとが見られますが、特に大きな坑口が真っ黒い口をあけていて、なかなか不気味な感じです。多分中は深い坑道が延々と続いているんでしょう。自分は洞窟とか苦手なので、鉱山あとにいっても坑道に入ることはほとんどないんですが、そういうのが好きな人たちの記録や写真を見ているとちょっと面白そうだなとも感じますが、感じるだけで入りたくはないですねw ベルヌの『地底探検』みたいなもんですかねぇ。

 

Chichibum_daikoku_01Chichibum_daikoku_02
左:神流川沿いの崖に大きな坑道が。右:大黒付近の沢の様子。

 

2021年3月11日 (木)

鉄斧石(埼玉県秩父市秩父鉱山)

Axinite-(Fe) Ca4Fe2+2Al4[B2Si8O30](OH)2 珪酸塩鉱物

 

Axinitefe_chichibum_01

Axinitefe_chichibum_02

 

秩父鉱山・六助沢で採集した、鉄斧石です。斧の形が明確にわかる結晶ではありませんが、うす紫がとてもきれいな結晶。周囲の緑の小さな結晶は、緑簾石です。

名前は見てわかる通り、まさに結晶の形が斧のようだということで、1797年、フランスの鉱物(結晶)学者・ルネ=ジュスト・アユイ(René Just Haüy:1743~1822年)によって、ギリシャ語のαξίνα(axina:斧)を語源として命名されました。時代的にちょうどフランス革命の真っただ中で生きた人ですね。聖職者でもあった彼は実際、聖職者民事基本法に反発して投獄されたりしています。

それまでは鉄電気石の一種と考えられており、さまざまな人によって、いろいろな名前をつけられていたようです。その名前を連ねてみると。。。Espéce de Schorl、Schorl violet、Schorl transparent lenticulaire、Thumerstein、Thumite、Yanolite、Glasschörl、axinit、ferroaxinite。。。一番シンプルで短いaxinitになってよかったな、と(ちなみに「Schorl」は鉄電気石のことです)。

現在ではその成分の違いによって、鉄斧石(Fe)、苦土斧石(Mg)、マンガン斧石(Mn)、チンゼン斧石(Mnが多い)の4種類に分けられ、斧石グループを作っています(2007年より)。鉄斧石がもっとも産出が多いらしいですが、自分にとってはこれが初めて見つけた鉄斧石です。スカルンなどでは割と出やすいようです。

 

狭い範囲にいくつものスポットがある秩父鉱山ですが、各ポイントで微妙に出るものが違っていて、大変楽しいです。しかもそれぞれの結晶が立派で種類も多く、何度行ってもあきないで時間を忘れてしまいます。六助沢は、普通の鉱石のほか、マンガン、輝安鉱などのアンチモン鉱物なども産出するところで、もうちょっといろいろ探してみたいですね。まだそれほど上まで行ったことがないので。

もともと六助鉱山では金・銀・鉛などを採っていたようですが、日窒鉱業開発(現・ニッチツ)に買収されてからは、肥料の重要な原料の硫酸を目的に、閃亜鉛鉱が採掘されていたようです。その経緯については「樵路巡遊」というサイトの「六助道【廃径】が詳しいですので、興味ある方はぜひ。

石目当ての人もよく見かけるところですが、釣り人も割と見かけます。こんな鉱山の川で魚とれるのか分かりませんが、どうなんでしょう、釣れたとしても、あんまり食べたくはないような気もしますけど。。。以前も釣りの人と会ったら、「割れた石がたくさんあるけどこれはなんだろう?」という反応でした。ですよねー、お互い自分の興味あることはよく知ってるけれど、そうでなければ全然知らないものですよね。

自分も川や海によく行っていたにも関わらず、これまで釣りだけはなぜか全然やらないできてしまいました(唯一冬の赤城山でワカサギ釣りだけはしたことがあるが、一匹も釣れずw)。今となっては石釣りに忙しくて、とても手が回りません。