最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 板状節理(静岡県伊豆の国市葛城山) | トップページ | 硫砒鉄鉱(埼玉県秩父市秩父鉱山) »

2022年12月 1日 (木)

セラドン石(神奈川県愛甲郡清川村煤ヶ谷)

Celadonite KMgFe3+Si4O10(OH)2 珪酸塩鉱物

Celadonite_susugaya_01

Celadonite_susugaya_02

 

南関東、伊豆や千葉などでよく見ることのできる、青緑の石です。相模川中流から下のあたりで緑のきれいな石があったら、大抵はこのセラドン石だと思います。その産地の中心は、厚木で相模川に合流する中津川・小鮎川流域の、いわゆる東丹沢地域。とりわけ、七沢、煤ヶ谷に多く感じられます。丹沢層煤ヶ谷亜層群にあたる地域ですね。この標本は、小鮎川の支流・谷太郎川流域で拾ったものです。

特に珍しい石というわけではなく、川に普通に転がっています。探す必要もなく、すぐに見つかります。乾燥しているとちょっとくすんだ色だけれども、濡れると緑が鮮やかになって見違えるほど美しさが際立つので、川の中にあるととても目立ちます。東丹沢では薄い緑がかった凝灰岩が多く、コケの緑も多いのですが、濃い緑のセラドン石は目を引きますね。相州大山から宮ヶ瀬の山中では、ちょくちょく細かいセラドン石が散らばった露頭に行きあうことも多いです。

ただし、春から秋の間にこの辺の山に行くのは、お勧めしません。当地の気温が10度以上になる、特に雨上がりは、自分は近寄りません。。。

厚木や伊勢原の弥生~古墳時代の遺跡から、このセラドン石を加工した装飾品が出土しています。昔の人も、やっぱり気になったんでしょうね。こう言ってしまうとちょっとあれですが、ヒスイの代用品みたいな感じかもしれません。昔の人はきれいな緑の石が大好きですから。。。ただし、ヒスイに比べると、かなりやわいです(モース硬度は2、加工がしやすいということでもある)。

伊豆・河津では、このセラドン石の表面を細かい輝沸石が覆い、透明できらめく緑の宝石のような状態になったものがあり、とてもきれいです(玉髄(静岡県河津町やんだ)参照)。インドでも、セラドン石で緑に見える輝沸石や魚眼石が産出するようです。

 

Celadonite_susugaya_03
川の中に転がる、セラドン石(濃い青緑部分)を含む火山礫凝灰岩(七沢石)

 

セラドン石は雲母族の鉱物。500万年前に丹沢地域が本州に接触する以前、まだ太平洋の海だった1500万年前頃に、噴火した火山の火山灰や火山礫などの噴出物が海の底に堆積して堆積岩となり、それがさらに熱(マグマ、熱水など)を受けて、変成してできました。海中の成分と反応して青緑になる(鉄成分による?)といわれていますが、詳しくは知りません。海緑石とは見分けがつかないほど似ているので、産地で判断するしかありません。

地図を見ると、小鮎川上流から宮ヶ瀬湖にかけて、まっすぐな線を引けるような地形になっているのがわかると思います。これがかつてのプレート境界線であった、牧馬-煤ヶ谷構造線。その北側、相模川に沿った線は、藤野木-愛川構造線といい、やはりかつてのプレート境界です。丹沢山域を中心にして、楕円(の上半分)を幾重にも囲むようにつながる線です(楕円の下にあたるのが国府津-神縄断層)。

プレートの沈み込み帯だけあって、煤ヶ谷のあたりの山は激しい地殻変動のあとが残されていて、本来は地面に平行なはずの地層が、垂直に立ってしまったと思われるさまなども見られます(そのうち紹介するかも)。

 

ところでまったく関係ないのですが、うちのねこは、煤ヶ谷の出身です。子ねこの時、山のなかで死にそうになっていたそうで、引き取った時も、弱弱しくて心配しましたが、今では元気すぎて困るのだ。懐かしい煤ヶ谷の石に反応するかなと思ったけど、まったくそんなことはなかった(当たり前w)。

 

« 板状節理(静岡県伊豆の国市葛城山) | トップページ | 硫砒鉄鉱(埼玉県秩父市秩父鉱山) »

▽珪酸塩鉱物」カテゴリの記事

○神奈川県」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 板状節理(静岡県伊豆の国市葛城山) | トップページ | 硫砒鉄鉱(埼玉県秩父市秩父鉱山) »