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2022年10月に作成された記事

2022年10月30日 (日)

重晶石(群馬県甘楽郡下仁田町中丸鉱山)

Baryte Ba(SO4) 硫酸塩鉱物等

 

Baryte_nakamarum_01

Barite_nakamarum_02

 

下仁田・中丸鉱山の重晶石です。

国道254号線沿い、荒船湖近くのとんかつ屋さんの駐車場をお借りして、行きました。次の日の帰り(荒船山に行った)、このお店に寄って食べていこうと思ったら休みでした。残念! 近くに温泉施設もあるので、そこに駐車して、温泉に入っていくのもいいかも?

(20221106追記 メインの写真をアップするのを忘れていましたw)

橋から沢に下りられるので、沢を遡上していってもいいのですが、駐車場の裏手、沢の左岸沿いに踏み跡があるので、そこを登った方が楽だと思います。しばらく行って沢に下りて急な箇所に来たら、今度は右岸沿いにジグザグに登る踏み跡があるので、そこを登りきると、坑口に出ます(登る途中の斜面にも、分かりづらいけれど、抗口の跡らしい穴がありました)。坑口の上が下の写真のようなズリになっていて、その上にも平場があったので、そこがメインの坑道だったのかな?

山ほどあるズリの石を割って探していけば、多分ここに来る人の一番のターゲットである輝安鉱は見つかるでしょう(そのうち取り上げます)。そうやっているうちに見つけたのが、写真の重晶石です。こちらはそのまま落ちていたので、すぐ目につきました。

 

Nakamarum
中丸鉱山のズリ。写真で見るよりは急斜面なので、複数で行くときは落石注意ですね(鉱山跡は大抵そうだけど)。

 

 

地図を見ると、荒船湖、中丸鉱山すぐそばを南北に電線が走っているのがわかります。

この電線は西群馬幹線といって、静岡から群馬までを走る長い電線で、平均で100mを超える巨大鉄塔群が延々と立ち並んでいます。

人家を避けるためか、山の中を通っていて、関東近辺の山に行く機会の多い自分には、とても馴染みが深い幹線です。よくこの鉄塔の管理道も利用させてもらったりもするのです。鉄塔は尾根上、稜線上に作られることが多いので、尾根歩きがメインだと、出会うことも多いのです。林道から尾根にあがる時、擁壁になっていたり、とても登れない崖だったりすることも多く、管理道というのは尾根の取り付きに便利なのですね。プラスチック製の階段があるのが東電管理道の目印。

この幹線の出発は、群馬・四万温泉手前の四万湖そばの、西群馬開閉所。ここから大月の東山梨変電所を経由して、静岡県駿河小山の新富士変電所まで延々と続いています。群馬から山梨までで140km近く、200以上の深い山中の鉄塔が、わずか5年程度で作られたというのは、ちょっと信じられません。

鉱山がらみでその経路をざっと説明wすると。。。新潟の柏崎刈羽原子力発電所や福島の第一第二原発(まあ今はああなってしまいましたが)からの電気を西群馬開閉所で集め、八ッ場ダムそばで吾妻川を越え、関東山地の深い山中を通って、中丸鉱山、荒船湖すぐわきを通過。双晶水晶で有名な三ッ岩岳西方、御座山(この周辺が人里離れ山深いのは、あの航空機墜落で有名な御巣鷹山の周辺ということでわかると思います)、御陵山そばを通過して長野県川上村を越え、奥秩父に入ります。瑞牆山の西から、増富鉱山のほぼ直上を通って徐々に東に進路を変え、黒平北方、乙女鉱山のある琴川ダムのそばを通り、笛吹川を越えてから竹森・鈴庫鉱山、黄金沢鉱山のすぐそばを通過、大菩薩湖に近づくとまた進路を南に変え、日川沿いに走り、門井沢のペグマタイト直上を通って、笹子雁ヶ腹摺山を越えて、大月の東山梨変電所にたどり着きます。

東山梨変電所から本社ヶ丸稜線を越え、宝鉱山直上を通り(宝鉱山から本社ヶ丸に登る登山道は、この幹線鉄塔の管理道です)、三つ峠・湯の沢鉱山そばを通って都留・桂川を越え、道志と丹沢をつなぐ山伏峠、オリンピックの自転車コースにもなった明神峠を通って、西丹沢南麓・富士スピードウェイそばの新富士変電所にようやく到着です(ちなみにこのすぐそばの須川上流にも鉱山があったという話が。。。)。

すごいですね。西丹沢から荒船湖、さらに四万まで全部つながってるって、実にわくわくします。各所で自分のよく行く場所とかぶることも多いので、とてもなじみ深い電線なのです。また君か、って感じで。電気になれるスタンドがいたら、あっという間に移動できるわw(レッド・ホット・チリ・ペッパー)。

普通は山登りでは景観的には鉄塔と電線は邪魔ものなのかもしれませんが、個人的には場所の特定やルートどりという点で、大変お世話になっている存在です。この鉄塔群全部を周るとか、そういう趣味もありなのかも?(いやないかw)

 

264208
左:神奈川・西丹沢ヒモシ峠の264号鉄塔。右:山梨・笹子雁ヶ腹摺山北尾根の208号鉄塔。

 

147_
左:山梨・増富・五里山の147号鉄塔。右:山梨・鈴庫山から見た竹森の西群馬幹線。左下の鉄塔のすぐ向こう側に黄金沢鉱山がある。鈴庫鉱山は画面下の尾根の向こう側。

 

213
本社ヶ丸から見た東山梨変電所。その右上の尾根上のひときわ大きいのが213号鉄塔。上の三角の山は笹子雁ヶ腹摺山。

 

2022年10月10日 (月)

珪灰石(茨城県笠間市柊山)

Wollastonite CaSiO3 珪酸塩鉱物

 

Wollastonite_hiiragiyama_01

Wollastonite_hiiragiyama_02

 

柊山は、稲田石で有名な稲田にあります。稲田石は白っぽい御影石、つまり花崗岩で、白っぽいということはつまり長石の構成比率が高いということになります。柊山はスカルン鉱物で知られているところですね。珪灰石は、石灰岩がマグマなどの接触により熱変成してできる、もっとも普通に見られるスカルン鉱物のひとつです。

真っ白い柱状の結晶の集まりで、なかなかうまく写真にとれません。。。沸石などもそうですが、白い鉱物は難しいですね。この写真も、色のコントラストをぐっと上げて調整して、ようやく表面の雰囲気がなんとなく出てきました。いつもは、写真の調整は最低限にするようにしているのですが。

 

柊山は稲田、福原駅のそばにある低い山で、頂上のそばのピークで大山祇神社や聖徳太子の碑などがあり、公園になっています。ちゃんと整備が継続されているわけではない感じで、車で林道経由で公園まで行けるものの、なんかヤブっぽいなぁ。。。あんまり人は訪れない感じがひしひしと伝わってきます(公園から北側の林道は、倒木等で車両通行不能でした)。公園や林道をちょっと散歩すると、石英の塊などがちらほら落ちていて、なんかありそう感は漂ってきます。でも、山の中はヤブが濃いので、正直あんまり入りたくない。。。

公園は開けていて、東側の眺めがあります。公園ピークの一角に珪灰石でできた大岩があったので、その周囲で転石を探して、採集しました(露頭をハンマーで叩くのはあんまり好きではないので、小さな転石を探して済ますことが多いです。ましてや山神社のある近くでは、はばかられますね)。多分、昔は近くの採石場などで探させてもらえたのかなぁ? 正直、人里離れた山奥ではない、こういう里山はいまいち苦手です。

 

公園の中をぶらぶらしていて、ちょっと季節外れな感じの、ギンリョウソウを見つけました。山に行くとあちこちで時折見かけるギンリョウソウですが、これだけもこもことたくさん寄り集まってるのはなかなか見たことないですね。

 

Hiiragiyama_01

 

ギンリョウソウは腐生植物です。光合成をせず、菌類と共生して栄養をとっている植物で、基本葉っぱはなく、一種異様な見かけをしていることが多い不思議植物。もっとも普通に見かけるのがギンリョウソウで、まれにツチアケビやシャクジョウソウなどを見つけることもあります。「腐生」といっても、別に死骸などに生えるわけではなく、菌類と共生していることを表現しているのでしょう。

普段の生活圏ではほとんど目にすることがなく、湿った暗い森の中で、真っ白なギンリョウソウが顔をのぞかせている姿を見つけると、とても印象なので、つい写真に撮りたくなってしまいます。

ちなみにランなども、葉っぱも葉緑素もありますが、菌類に依存している植物です。やっぱりちょっと不思議な形をした花が印象的ですよね。こういう印象がどこからくるのか考えて見ると、「菌類との共生」という生活様式が、ヒトからずいぶん遠いところにあるということが関係しているような気がします(こういう環境、生活様式からくる形態のことを「生活形」といいます)。鉱物の結晶と環境の間には、こういう関係はないんでしょうかねぇ?

 

2022年10月 4日 (火)

蛍石(福島県南会津郡蛍鉱山)

Fluorite CaF2 ハロゲン化鉱物

 

Fluorite_hotarum_01

Fluorite_hotarum_02

Fluorite_hotarum_03

Fluorite_hotarum_04

 

蛍石で知られる、福島県会津の蛍鉱山で採集した蛍石です。センチ単位の結構大きな塊(というより、寄り集まっている感じかな)も見つけることができますが、顕微鏡で見て面白かったものをいくつか。やはり鉱物はミクロの世界のほうが面白い。

3枚目の写真は、蛍石の上に、針のような水晶が生えていますね。この細かな水晶がとても多いのですが、不用意に素手で石を持つと、刺さりますw ここでは蛍石(基本無色、灰色、緑で、まれに紫のものもある)と、この水晶が見られますが、他にどういう鉱物がでるかはわかりません。でも、群生した水晶もなかなかきれいで、まれに紫水晶や松茸水晶も産出するらしく、なかなか楽しい場所ですね。

蛍石は、UVライトを持っていけばすぐに見つかると思います。ここの蛍石は、きちんと青く光ります。沢沿いのズリでも見つかるし、稜線近くにある坑口(いくつかある)の近くまで登れば、立派なものも見つかりやすい気がします。自分は会津の山に行ったついでに、ちょっと寄ってみたのですが、まさかのUVライト忘れw でも普通に肉眼で見ても、サイズが大きいので、劈開面や形、色、光沢で蛍石だとわかります。

 

南会津の山奥、檜枝岐の西にひとつ山を越えた、湿原で有名な田代山や帝釈山を源流とする西根川流域が、蛍鉱山の現場(というかこの辺は稜線がなだらかで湿原になっている山が多い)。昭和12(1937)年から19(1944)年まで操業していたようです。

星きのこ園というところで、きのこ、鉱物1日採取権を購入します(1日2000円)。そういえば星製薬の創業者(星新一のご先祖さま)も会津出身でしたね。この辺はきのこ採取が生計の重要な一部になっているようで、無断立ち入り禁止の看板が多いので、こういう形で正式に認められての採集は、むしろ大変ありがたいです。多分ふらふらと山の中をさまよっていると、きのこ泥棒と間違われるでしょう。きのこも探せばいろいろ取れそう。自分たちが行った時も、ひとかかえもあるマイタケを採ってきた人が、「今日はこれしか採れなかった」などと言ってましたw 自慢か!

ポイントは何か所かあるようです。きのこ園の方が軽トラで林道の終点まで送ってくれ、場所を教えてもらったので、まあそんな苦労もなくたどり着けました(きれいな道があるわけではない)。ヘルメットを持った、坑道の中に入るらしい集団もいました。鉱物が目当てなのか、地下探検が目的なのかはわかりませんが、なんでもかんでも「危険! 禁止!」ばっかりの今の時代、まだまだこういう人たちも活動できるというのは、何だかほっとします。きのこ園に戻ってきて、果物などをふるまってもらいながら、お話など聞くことができました。南会津に行ったらぜひどうぞ(まあそこまで行くのがえらく大変なわけだが)。

 

Aidukomagatake_01Mousengoke_01
左:檜枝岐の会津駒ヶ岳。右:湿原は、モウセンゴケの大群生地。赤い絨毯のように見える。

 

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