最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 2022年8月 | トップページ | 2022年10月 »

2022年9月に作成された記事

2022年9月23日 (金)

菫泥石(千葉県鴨川市八岡海岸)

kammererite(クリノクロア:clinochlore Mg5Al(AlSi3O10)(OH)8) 珪酸塩鉱物


Kammererite_youka_01

Kammererite_youka_02

 

千葉県八岡海岸で採集したもの。非常に小さくて細かいのですが、1枚目の写真には、美しい紫色のきらめく微結晶がなんとか見えると思います。

八岡海岸南の山(巾着山)では、大正9(1920)年まで鴨川鉱山が操業していて、ニッケルや銅などを採掘していたといいます(太海とか浜貝渚〈はまかいすか〉など、いろいろ地名が錯綜していてよくわからないのですが)。嶺岡オフィオライトといわれる構造で、この場所については以前「孔雀石(千葉県鴨川市八岡海岸)」でも書きました。蛇紋岩中のニッケル鉱床が採掘対象だったのではないかと思いますが、それならば、菫泥石があってもおかしくはないですよねぇ? この紫色と場所を考えあわせて菫泥石としました。ちなみにこの石にも、孔雀石がついています。

以前群馬のクロム鉱山あとである八塩鉱山で探し、なんだか石の一部が紫っぽいけどもしかしたらこれが菫泥石かなぁ? という中途半端な採集をしたことはあるのですが、まさか千葉で小さいけれども結晶質のそれ(かもしれないもの)を見つけるとは思いませんでした。でも顕微鏡で見ても、小さくて結晶形はよく判別できません。実は実体顕微鏡以外も、大昔の大きな木箱に入った顕微鏡があるんですが、出すのが面倒くさくてねw 実体顕微鏡に慣れてしまうと、そうでないものは、立体感が重要な鉱物では面白くなくて。。。

菫泥石は正式な鉱物名ではなく、クリノクロア(緑泥石)のアルミニウムの一部がクロムで置換された変種です(記事冒頭の化学式はクリノクロアです)。そのまんま、クロム緑泥石とも呼ばれます。ありふれた緑泥石の地味な緑(といっても拡大すればきれいなんですけど)と比べると、紫の鉱物はそうそうないですし、きれいで心惹かれますね。

 

八岡海岸そばには車を置けるような場所があまりないので、自分は少し山に入ったところにある魚見塚一戦場公園の駐車場に停めました(鴨川漁港にも駐車できるでしょう)。

面白い名前の公園ですが、石橋山合戦のあと千葉に逃げてきた頼朝が、ここで地元の豪族と戦った戦場あとらしいです。千葉の歴史の舞台といえば、頼朝関係と里見関係くらいしか見かけませんが、だからといって富山にある伏姫がこもったという洞窟が、なかば史実みたいな感じで扱われているのは笑いますw まあ江戸時代から聖地巡礼されてきたという意味では、歴史的遺物といっていいんでしょうけど、なんか腑に落ちないな。。。でもこういうの嫌いじゃない。ちなみに、嶺岡オフィオライトは富山近くまで伸びています。

 

Kamogawayouka

八岡海岸。鴨川鉱山は写真の右側にあった。右手の広い磯場はもしかしたら全部ズリ由来なのか?

 

2022年9月18日 (日)

???(埼玉県秩父市秩父鉱山)

???

 

000_chichibum_01

000_chichibum_02

 

秩父鉱山の大黒の河原で見つけたもの。最初ちっちゃな羽虫の羽かなんかがくっついているのかと思ったら、薄板状の鉱物でした。

なんだかよくわかりませんが、面白いので。。。写真を撮ってみると若干緑がかった半透明のように見え、真ん中辺はちょっと厚く、周辺部はとても薄くなっています。

毛鉱かブーランジェ鉱(あるいはその両方)と一緒になっているので、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、硫黄(S)などが絡んだもの、かなぁ? いくつかサイズ違いのものも見えますね。まあ、ありふれた鉱物の形状違い、表面に微細なブーランジェ鉱などが張り付いて、質感が面白くなった感じでしょうかね。推測でも名前をあげることができるほどの見当がつくわけではないので、疑問形でのタイトルです。

薄板状になる鉱物はいろいろありますが、通常は〇角形を基本とする形状になります。結晶というのは原子の格子によるものなので、当然といえば当然なのですが、原子レベルで曲線を基本とするものというのは、あり得ないのでしょうか(マクロレベルで曲線に見えるという意味でなく、基本構造において)。なんかこう、結晶化する際に原子レベルで原子そのものの重力による空間の歪みによって、曲線を描くとか、そんな感じのw というか重力ってなんだ。重力子ってあるのか。

自分は物理学は詳しくないので、SF的な空想をするしかないのです(というかそれが楽しいのです)。物質領域の世界をどんどん細分化していくと、物質世界の範疇ではなくなり、数学領域になる。つまり、思考・情報と物質が実は直接つながってるんじゃないか。。。とか。鉱物とは、物質界のものでありながら、その数学領域に直接つながる表象でもあり、すなわち情報・思考の物質化である。。。かっこいい。

ポーランドのスタニスワフ・レムの小説で、世界のオカルトな情報を体系化して、コンピュータにそのとんでもない量の情報をとにかくまとめてぶっこんでいったら、情報量がある一点を過ぎたところでポンっと全部消えて、かわりに1個の原子になって、その連鎖反応で多くの情報が消滅し、世界が滅んだとかいうのがあった気がします。つまりエネルギー=質量=情報であると(光速の二乗かなんかで変換式が書けるとか?)。こういうの、大好きですねぇw

レムは、最高のSF作家のひとりで、自然科学全盛時代の哲学者ともいえます。たまに小説というよりは単なる架空の歴史書か解説書じゃないか、というのもありましたが、実際、架空の書物の書評とかいう変なものまで突き進んでいきました。知識の求道者みたいなイメージがあります。タルコフスキーの映画『ソラリス』の原作者として有名ですが、映画は自分の書きたいものとは違うといって、否定的だったようです。まあそりゃ映画と小説が違うのは当たり前なんですけどね。映画監督は原作者の代弁者ではありませんから。でも、なんでもふにゃふにゃで受け入れちゃう自分は、こういう頑固一徹な態度は憧れますw

 

 

秩父鉱山といえば、坑道での事故(2022,7月)がありました。詳しい事情はわかりませんので、なんとも言いようがありませんが、まあそれほど大きくネットで騒ぎになったりはしませんでした。鉱物採集が撮り鉄みたいな贄の羊にされなくてよかったよ。。。あんまり無茶はしないでね、という感じです。自分は、暗いよー狭いよーこわいよーという感じで(古いw でもリメイクされるらしい。まじか)、坑道には入らないのですが、こういう事故は別に無茶しなくても、経験や知識、注意深い行動がそろっていても、いくらでも起こりえるものなので。でもこの事故ってほんとに鉱物目当てだったの? なんか違うような気がするけど。。。(まあしない人にとっては、なんでも一緒だけど)

まあこの話題はいろいろ書いていくと、世情に関する意見とか何かへの批判になってしまうので、ここでは書きません(書いたけど消した)。今の時代、言論の自由は大きく制限されていますので。。。

 

2022年9月 3日 (土)

磁硫鉄鉱(静岡県河津町河津川流域S鉱山)

Pyrrhotite Fe7S8 硫化鉱物

 

Pyrrhotite_izusm_01

Pyrrhotite_izusm_02

 

伊豆のS鉱山の下のズリ産。結晶の形、色などから、磁硫鉄鉱ではないかと思いますが、磁性はほとんどない感じです。ネオジム磁石を近づけてみても気づけるレベルの反応はなかったですが、まあどう見ても磁硫鉄鉱にしか見えないかなって。。。もし磁性がないことから磁硫鉄鉱の可能性が低いとしたら、ではなんなのか、自分にはわかりません。

磁性のない磁硫鉄鉱には、トロイリ鉱(Troilite)という鉱物があるそうなのですが、隕石中には普通に含まれているけれど(発見はイタリアに落下したAlbareto隕石から)、地球上ではまれなようです。でも結晶は見られず、粒状で磁硫鉄鉱などと一緒になっている(つまり簡単に磁性のなさを観察できるような状態ではない)そうなので、まあ一般的に見つけられるようなものじゃないですね。

まあ、磁性がとても弱い磁硫鉄鉱ということでいいんじゃないでしょうかw

奥山鉱山や土肥鉱山、あるいは溶岩中から少量は見つかるようですが、こんなちゃんとした結晶は伊豆ではなかなかないと思うので、そういう意味では結構珍しいかもね。ましてや、何があるのかよく分からない、鉱物採集の対象としてはほとんど知られていない場所だったので、鉱物としてはまったく珍しいものではないけれども、見つけたときはなかなかおーっという感じでした。写真映えしますし。

 

Kannonyama_01

S鉱山からほど近い観音山の岩峰群。伊豆東部火山群のひとつ、観音山東火山などの痕跡が残る。天城南端・登り尾山域の、伊豆の秘境。登ると非常に面白いけれど、かなり険しいし、多分クマいるよ。行かないほうがいいよ?(脅し)

 

« 2022年8月 | トップページ | 2022年10月 »