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2022年7月 4日 (月)

硫酸鉛鉱(群馬県甘楽郡下仁田町中丸鉱山)

Anglesite Pb(SO4) 硫酸塩鉱物等

 

Anglesite_nakamarum_01

Anglesite_nakamarum_02

 

下仁田の中丸鉱山で採集した硫酸鉛鉱です。

群馬県下仁田から長野県佐久に関東山地中を抜ける国道254号線、荒船湖の北あたりにあり、輝安鉱で有名な中丸鉱山です。最初、ズリできれいな劈開の石を見つけて、よく見もせず方鉛鉱かなと思い何気なく拾った石ですが、あとでよくよく見てみれば、確かに方鉛鉱の部分もあるのだけれども、多くは透明な草色になっていました。内側できれいな虹色に光っている部分もあちこちにあり、実にきれいなもんです。方鉛鉱仮晶ということになるのでしょうか。まるで宝石のようですが、モース硬度3なので、宝石にはなれません。

方鉛鉱が酸化して、硫酸鉛鉱になります(PbS+2O2→PbSO4)。写真中の銀色の部分が方鉛鉱でしょう。明確な境界で区切られ変化しているさまがよくわかります。金属質のものがこんな透明なものに変化するとは面白いですね。この境界はどのように決まるんでしょうか。まったくランダムなのか、成分の違いなのか、環境の違いなのか、興味あります。

屈折率が高い(1.88-1.89)ので、輝きが強く、虹色に光る部分が多いのもそのせいかな? 長波UVで、濃い目のオレンジ色に光ります。Anglesiteという名前は、イギリス・ウェールズのアングルシー島で1783年に発見されたことに由来します。アングルシー島では、ローマ帝国時代から、鉛や亜鉛、鉄などの採掘が盛んだったといいます。

この方鉛鉱と硫酸鉛鉱に接する感じで、小さな水晶がついていましたが、なんか違和感がある。。。光り方が水晶とちょっと違っていて、ガラス光沢と樹脂光沢の中間のような感じ。あと、頭の角度が水晶とちょっと違うような。水晶よりとんがりが小さい。

 

Anglesite_nakamarum_03

 

これも、色は全然違いますが、硫酸鉛鉱の結晶かと思います。こちらは長波UVで光りません。硫酸鉛鉱はさらに風化して白鉛鉱に変質するらしいので、もしかしたら白鉛鉱になっているのかもしれません。光り方、透明の質感などは、そういえば何となく白鉛鉱っぽい気もしますが、まあ分からないので、このまま硫酸鉛鉱ということにしておきましょう。

 

下仁田といえばまあネギでしょうが(コンニャクも特産品でおいしい)、2011年には下仁田町全域がジオパークに認定されています。妙義山や荒船山といった、低いけれど非常に特徴のある山もあり、鉱山としては中小坂鉄山もジオパークの一角とされていますね。そのおかげでちゃんと鉱山へ行く人のための駐車場まで作られているのですが、どうやらヒルでいっぱいらしい。。。江戸時代末期に発見された鉱床のため、幕末から明治にかけての歴史にも大いに関わってきます。

中丸鉱山のほうは、歴史はよくわかりません。八幡鉱山と呼ばれていた、1954(昭和29)年には野上鉱業によりアンチモンを中心に銅、鉛、亜鉛などが採掘されていたが、1955年1月27日に落盤事故があり、1959年(昭和34年)頃には閉山した、等々。いつ見つかったかは分かりません。時代を考えると、戦時中資源輸入が止まり、各地で小さな鉱山が探し出され採掘が行われましたが、ここもそういった小規模鉱山のひとつでしょうか?

自分は荒船山に行った時に、その途中ということで寄りました。坑口もズリもしっかり残っているので、なかなか面白いところでした。下仁田の道の駅はジオパークということで、鉱物の標本セットも売られていたのですが、その中に前回の川場・鉱石山の柘榴石も入っていました。でもいまいちの標本だった。もっときれいなの、すぐ見つかるのになぁ(こういうセットから興味が目覚めるってよくありますしね)。

 

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