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2022年3月に作成された記事

2022年3月26日 (土)

菱苦土石(埼玉県秩父市秩父鉱山)

Magnesite Mg(CO3) 炭酸塩鉱物等

 

Magnesite_chichibum_01

Magnesite_chichibum_02

 

秩父鉱山・道伸窪のそばの沢で見つけたもの。面が湾曲していて、爪のような形状が特徴的ですね。

菱苦土石、苦灰石(Dolomite: CaMg(CO3)2)、菱鉄鉱(Siderite: Fe(CO3))のどれかではないかとかなり迷いました。色、形状、モース硬度、劈開などは、3つともほぼ変わりがないので、なかなか判断がつきかねます(秩父鉱山では全部産出するとのこと)。

冷希塩酸でほとんど反応が見られないこと、温希塩酸で発泡すること、溶液が無色であったことなどから、菱苦土石としました(苦灰石は冷希塩酸で発泡する。菱鉄鉱は溶液が黄緑色をしているとのこと〈藤原卓編著『必携鉱物鑑定図鑑』白川書院、2014年〉)。ちなみに長波UVでは蛍光しませんでした。

菱苦土石も菱鉄鉱も、方解石の仲間です。「苦土」はマグネシウムのこと。わかりやすい名前ですね。

上2枚の写真は同じ石の違う部分。ほぼ菱苦土石の塊です。

下の写真は同じ場所で採集した、違う石についていた菱苦土石。

 

Magnesite_chichibum_03

 

透明で白い地は方解石です。こちらも湾曲した菱形の結晶ですが、大小さまざまの球状に寄り集まっているのが特徴です。

どちらも石英、方解石、黄鉄鉱等が一緒についていて、特に3枚目の石では黄鉄鉱の双晶があちこちにくっついているという。。。なんかもうさすが秩父鉱山としか言えない。

 

菱苦土石(Mg(CO3))のMgが、Feになると菱鉄鉱(Fe(CO3))になりますが、自然界では「100%」「0%」というのはほとんど存在しないと思います。必ず他のものが混じっているもので、この菱苦土石も結構多くのFeが混じっているのかもしれない(黄鉄鉱〈FeS2〉が共存しているわけだし)。詳しいことはもっと信用ある資料で「固溶体」について調べてもらったほうがよいですが、ほとんどの鉱物の種類というのは、かっちりしたものではなくグラデーションになっていて、あやふやなものと考えたほうがよいのでは、名前をつけること(レッテルを貼ること)ははたして正しい認識方法なのか、などとたまに考えたりします。

「自然」というものは、もともとあやふやなのがデフォルトであるといえるかもしれません。「数字で表せない科学」「計算できない科学」というものが、現実では当たり前にあると感じます。科学において計算できるのは、計算できるように事象を限定しているからで、本当はありのまま計算せずに捉えることができるような方法があればそうしたほうがいいだろうし、むしろ計算することによって本質から離れてしまうことだってあり得るのでは。。。

 

「レッテルを貼る」というのは、人間関係では明らかに否定的な意味合いを含んでいますねw 相手に「〇〇主義者」などというレッテルを貼りつけて(その人の思想がどの程度その主義と重なっているかどうかは関係ない)、そのレッテルを批判することで、相手の言論を封じるという議論の仕方をしている人をよく見かけます。というか、「〇〇主義者」などという言葉は、いい意味でも悪い意味でも、そういう使い方しかできないものです。それは個人ごとに必ずあるグラデーションをスミベタで塗りつぶしてしまう。いやだねぇw

今では、その反対の意味であるはずの「多様性」という言葉ですら、使われすぎて、なんか「〇〇主義者」と似たニュアンスになってきてるような気がするのだ。

ということで、今回はキーボードが走りすぎて書いてしまったけれども、こういう「個人的意見」はできる限り書かないようにするのが一番ですねw 自省。。。

 

2022年3月17日 (木)

辰砂(埼玉県飯能市岩井沢鉱山)

Cinnabar HgS 硫化鉱物

 

Cinnabar_iwaizawam_01

Cinnabar_iwaizawam_02

 

埼玉県の奥武蔵にある岩井沢鉱山あとで見つけた辰砂です。結晶質ではなく箔状ですが、真っ赤な色がきれいですね。

辰砂があるところに、2枚目左下のようなオレンジ色の部分もよく見られたのですが、これはなんだろう? 辰砂の色違い? 色的には、鶏冠石(Realgar:AsS)か、それが分解したパラ鶏冠石(Pararealgar:As4S4)のように見えますが。

辰砂は以前奥多摩のものを取り上げました(辰砂(東京都西多摩郡奥多摩町鋸山))。奥多摩と奥武蔵は全然別の山域というイメージですが、直線距離で約20kmくらいで隣り合っています。周辺は基本チャートが多く、マンガン鉱山の跡があちこちにあります。鋸山の多摩川の対岸は日原で、そこから川苔山、有馬山と繋がって、名栗地区。さらに正丸峠を経由すれば岩井沢のある高麗川北の稜線です。

岩井沢の上の稜線には奥武蔵グリーンラインという舗装林道が走っているので、むしろそこから下る方が行きやすいかもしれません(ただしグリーンラインから岩井沢に下る正規の道はないようです)。グリーンラインは、埼玉の自転車やバイク乗りの人なら、定番のコース。下から鉱山経由でブナ峠まで登ってみましたが、峠付近にブナは特に見当たりませんでした。植林の多いところなので、作業林道があちこち通っていて、行き様はいくらでもありますが、山としては特に面白い山域ではないですね。。。山コーヒーをするのによさげな関八州見晴台とか、ハイキングコースとして知られる場所もありますが、まあ地味ですよね。

坑道は岩井沢上流の枝沢沿い(廃林道あり)にあります。坑口周辺や下流に鉱石が転がっているので、そこを探します。マンガン鉱山だったので、黒い石を割ると、石英、ピンクの菱マンガン鉱(?)や黒くてきらきらした繊維状の水(軟)マンガン鉱、カリオピライトなどのマンガン鉱石、よくわからない緑っぽい鉱物などが現れてきます。まれにこんな真っ赤な辰砂も出てきます。

石を割る楽しさはマンガン鉱石が一番ですね(よく判別できないけれども)。

 

Iwaisawam_01

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