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2022年2月 6日 (日)

海緑石?(神奈川県足柄上郡山北町尺里川)

海緑石 Glauconite? K(Fe, Mg, Al)2(Si, Al)4O10(OH)2 珪酸塩鉱物
緑泥石 Chlorite? [ A ][(OH)8|AlSi3O10] 珪酸塩鉱物
セラドン石 Celadonite? KMgFe3+Si4O10(OH)2 珪酸塩鉱物

 

Glauconite_takamatsum_01

Glauconite_takamatsum_02

 

高松鉱山の近くの沢で拾ってきた石を顕微鏡で見ていて、妙な構造物を見つけました(場所としては、以前の忍石と同じですが、今回の石は多分マンガン鉱山としての高松鉱山とは無関係だと思います)。

結構大きくて、最初ぱっと目に入った時はなんか虫関係のように見えて、ビクゥとしました(石を顕微鏡で見ていると、たまに虫がすごいでかく見えてぎゃーとなることってありますよね?)。

これはまた不思議な形。こんなのは見たことないですねぇ。

緑のきれいな透明感のある鉱物の欠片が、白い地にきれいに整列しています。その整列の仕方もいろいろあって、面白い。まるで何らかの生物由来のようにも見える配列です。

この緑の石はなんだろう。緑の石といえば。。。高松鉱山ではクロムをわずかに含んだ透輝石が出るようです。あと、一番最初に思い出したのは、ここは丹沢層大山亜層群ですので、セラドン石。大山の周辺(特に大山の北側)では必ず目にする緑の石です。川音川下流の松田惣領あたりでも多いみたいです(そのあたりはいつも通り過ぎるだけなので、よく知らないのだけれど)。見かけ的にも場所的にも、まあセラドン石でおかしくはない? あとは緑泥石という可能性もあるか。

でもそういえば、高松鉱山は酒匂川支流・尺里川(これで「ひさりがわ」と読みます。多分「久里」がどこかで「尺」になっちゃった?)ですが、そのすぐ西側の皆瀬川では、海緑石が見つかっています。セラドン石と海緑石は、ほとんど見分けがつかないとか。

この構造の白い地はなんだろう。セラドン石は、あちこちでよく見かけますが、こんなのは見たことがないです。ぱっと見、石灰岩とか方解石のように見えるんですが。。。

海緑石は、浅めの海で堆積した泥岩、砂岩、石灰岩などの中で見つかるそうです。化石、石炭、石油などのそばで見つかることが多いなど、どうも有機物との関連があるようなないような。。。海緑石の見つかった皆瀬川も、石灰岩、サンゴや有孔虫の化石が多いところです。それに対してセラドン石は、火山灰が海中で堆積した凝灰岩中でできますので、見かけは似ているけれど、でき方はまるで違いますね。

この整然とした配列がどうしてできたか考えてみました。

その1(有孔虫化石の海緑石化?)

貝殻の化石が、緑泥石、海緑石に交代された例があるようです。上の写真も、何かの生物の殻の模様のようにも見えなくもない?(鈴木清一、疋田吉識、上木原明美「緑泥石および"海緑石"に交代された化石貝殻微細構造」日本地質学会学術大会講演要旨194 第99年学術大会〈92熊本〉、1992、https://www.jstage.jst.go.jp/article/geosocabst/1992/0/1992_301/_pdf/-char/ja)。詳細がわからないのですが、この論文の本文には写真など出ているのでしょうか。見てみたいなあ。殻の部分の多くは方解石になっているということですが。。。例えばここに出ている、有孔虫、Elphidiumエルフィディウムの写真を見ると、非常に似てるような気がするのですが、どうなんでしょう(島根半島・宍道湖中海ジオパーク (https://kunibiki-geopark.jp/)> 有孔虫について)。1枚目の写真の構造物の大きさは直径約1mmで、有孔虫の大きさですね。

その2(破壊の瞬間が保存された?)

フィリピン海プレートにのった伊豆地塊が日本本土に近づくにつれ、どんどん間の海は浅くなっていきます。それと同時に現在の丹沢にあたる地域が隆起し、そこから流出する土砂が海に流れ込み、さらに浅海化が進みます(足柄層)。やがて海は完全になくなり、伊豆が半島となります。浅い海であったところは土砂に埋まり、さらに伊豆の移動で強い圧力を受けて、石灰岩か砂岩、泥岩中に海緑石が生成されます。

プレートの移動はさらに続き、丹沢の隆起は続きますが、やがて圧力に耐えきれず、その昔は浅海であった境界付近はぐちゃぐちゃに破砕されることになります(神縄断層)。海緑石も強く圧力を受けますが、まずその周囲の柔らかい石灰岩か砂岩、泥岩が岩の中で細かく砂のように破壊され、粘度の高い液状化したような状態になり、海緑石もその中で強い圧力を受けて破裂。けれども砂の中で破片はばらばらにならず、破壊の瞬間の状態が保存され、やがてそのかたちのまま、再び固まった。。。とか?

 

という感じで、白い地の部分を考慮して、海緑石か緑泥石ではないかと考え、記事のタイトルも「海緑石?」としました。緑泥石はもう取り上げているので、別の鉱物名にしたいですからね(笑)。

個人的には、その1(有孔虫化石の海緑石化?)が正解ではないかと思っていますが、どうなんでしょうか。。。

 

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