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2021年11月に作成された記事

2021年11月30日 (火)

閃亜鉛鉱(山梨県南巨摩郡身延町川尻鉱山)

Sphalerite ZnS 硫化鉱物

 

Sphalerite_motosu_01

 

前回の草間鉱山のほど近く、本栖湖畔の川尻鉱山(本栖鉱山)の閃亜鉛鉱です。

戦後の昭和30年まで稼働していた鉱山で、金銀銅などを中心に採掘していました。例によって武田信玄の開発した金山という話ですが、一時中断していた後、大正から再び掘られるようになりました。その詳しい歴史や、働いていた方のインタビューが、こちらのサイトに掲載されていますので、興味のある方はそちらを参照のこと→山梨県下部町川尻金山の金鉱石。閃亜鉛鉱も採掘の対象であったようですね。

現在は、鉱山への入口付近は洪庵キャンプ村になっていますが、このインタビューを見ると、洪庵の経営者(?)も鉱山の関係者だったことがあるみたいですね。洪庵キャンプ村は、富士山の見える対岸の洪庵キャンプ場よりも人が少なく静かなので、これまで時折利用していましたが、まさかその奥に鉱山があったとは。キャンプ村の奥は非常になだらかで広い扇状地形が広がっていて、沢はかなり大幅に改修工事されています。その沢に沿って御飯峠に登る道のそばに、大きく立派な坑道が口を開けています(「現在地 下部町釜額金山」という古い木の道標のあるあたりの対岸です。ここも昔は金山という地名だったようですね)。

 

Motosum_01

 

少し離れた平地に、茶色に酸化した鉱石が散らばっている場所がありました。多分ここが選鉱場だったところかな? 下の写真のような感じの鉱石の中に、金がついていたみたいですが、まあ選鉱した後の鉱石だしね。。。金は今のところ見つけられていません。

黄鉄鉱、黄銅鉱、ちょっと青っぽいところは方鉛鉱か。黒いのは閃亜鉛鉱でしょう。きれいな結晶という感じではない塊ですが、ずっしりと重くて、豊かな鉱石という感じでいいですね。

 

Koseki_motosu_01

Koseki_motosu_02

 

この周辺にはいくつも枝沢がありますが、それぞれの川原の石を探してみると、小さな水晶や方解石の塊や緑のパンペリー石のようなのも見つかります。その沢沿いに露頭があるのか、それとも鉱山のズリが広範囲にわたって散らばっているのが紛れたのか、ちょっと判断がつきませんが、場所によっては少し母岩の種類が異なるようです。

まあ洪庵はそのうちまた来ることもあるでしょうし、キャンプ場から歩いてすぐなので、この先いろいろ調べてみたいですね。この付近の山の上もちょっと気になるんですよね。裏の雨ヶ岳の頂上直下にも、信玄時代の金山があったという話もありますし。

 

ただ、最近、特に本栖湖対岸の洪庵キャンプ場の混みようは異常です(ここに限らず、各所のキャンプ場もだけど)。以前は冬なんてパラパラだったような気がするんですが。。。

もちろん新コロの影響もあるんですが、一番の原因は「ゆるキャン△」ですねw

特に洪庵キャンプ場は一番最初に出てくる、いわば「ゆるキャン」を代表するキャンプ場で、中の倉トンネル駐車場の公衆トイレとか、一番の聖地になってるのでは。自分はアニメしか見たことないですが、まあわかりますよ、冬のキャンプがすごく魅力的に描かれてましたから(特に1期)。でも、自分と行動範囲がかなりかぶっているので、とても困るんですよねぇ(苦笑)。

はやいとこブームが去らないかなぁと秘かに願っているのだけれども、いつになりますかね。昔「けいおん」でギターが流行ったあと、レスポールの中古がやたら増えたとかいう話もあり、それと同じようにみんなとっとと飽きて道具類が大量に中古で安く出回ったりしないかなぁ、とかね。

そういえば以前、富士急に「ヤマノススメ」電車が走っていた時、三つ峠に行ったのですが、途中で休んでいる二人(山に登るような感じの人ではなく、もっとひ弱そうな若い男子w)の会話が聞こえてきたことがありましたっけ。以前から知り合いではあるけれど、今日初めて会いました、みたいな調子で、道具を一気に揃えて富士山に登りましたよ、まじですかーみたいな?

自分の好きなアニメ見て、富士山や三つ峠駅からの三つ峠登山(このルートは、あおいちゃんもヘロヘロになっていましたが、結構きついのです)をするその行動力は、実に見上げたものだと思いましたね。でも彼らは今はどうしているのだろう。まだ山に登っているのだろうか、それとももう違うのに凝っているんだろうか。まさかキャンプしてるとか? でもまあそれもいいかもね。いろんなことを手当たり次第するのは、楽しいもんね。『梁塵秘抄』ではないですが、人は遊ぶために生まれてくるのだし、〈真面目に〉遊ぶことは、なにより楽しいのだ。石探しもまたしかり。

 

2021年11月25日 (木)

菱マンガン鉱(山梨県南巨摩郡身延町草間鉱山)

Rhodochrosite Mn(CO3) 炭酸塩鉱物等

 

Rhodochrosite_simobe_01

Rhodochrosite_simobe_02

 

身延にある下部温泉の奥、草間鉱山(下部鉱山)は、マンガンを主体とする産地です。マンガンだけでなく、銅の鉱床も入り混じっているようです。草間鉱山のある下部川の支流・入ノ沢をさらに上流まで遡れば、武田の金山跡(茅小屋金山)もあるらしい。自分が現地に行ったときには河川工事作業中で、鉱山跡まで行けなかったので、仕方なく林道そばの川原でさがしました。それでもチョコレート色のハウスマン鉱、黒く輝くブラウン鉱などは目につくところに多く落ちていたし、塊状の満礬柘榴石、また自然銅らしい部分を含んだ石などもありました。沸石も豊富です。

かなり昔から本などで紹介されていたようで、有名なポイントですが、さすがに不便な場所でもあり、そうそう気軽に訪れるわけにもいきません(昔、碧っぽいうさぎの人が隠れたりしてましたよねぇ、そういえばw)。下流の川原でもこれだけ色々見つかるのだから、ズリまで行けばまだいろいろあるかもしれません。

写真は、赤く四角っぽい菱マンガン鉱(だと思います)の結晶ですが、その周りに一面についているきらきら光り輝く粒子はなんだろう。小さすぎてわからない(ベメント石:Bementite〈Mn7Si6O15(OH)8〉かな?)。相変わらず微細な結晶ですが、実体顕微鏡の接眼レンズごしに見るその姿は、息をのむくらいにきれいですね。二次元の写真では、なかなか表現しきれないです。

Rhodochrositeは「バラ色」という意味のギリシャ語(ρόδο χρώς)が語源で、方解石の仲間で硬度も3.5~4程度と硬くないのですが、その色の美しさから大きなものは宝石としても扱われます。日本も代表的な産地のひとつですが、鉱山がすべて閉山して久しい今となっては、立派な結晶はそうそう見つからないでしょうね。それでも、各地のマンガン鉱山跡では、今でも割と目にすることの多い鉱物です。でも真っ赤なものはそうそう見つからない感じ。

 

入ノ沢の草間鉱山(下)でしばらく石を探したあと、本流の下部川の川原に降りてみたのですが、ここもいろいろ面白い石がありますね。しかも、草間鉱山のようなマンガンに加えて、それとはちょっと違う系統の石英を中心とした鉱物なども見つかります。どうやら下部川の上流には、ほかにも面白そうな場所があるみたい。。。このあたり、もうちょっと探索してみたいなあ。

 

Shimobe_01

入ノ沢そばの林道に立っている、湯之奥金山の説明板。草間鉱山については何も記述がないが、ここが鉱山跡への入口。

 

ところで、現在(2021/11)、身延はたいへんに不便な状況にあります。草間鉱山に行ってから富士山側に抜けようとしたら、身延から中ノ倉を通って本栖湖に抜ける道が崩れて通行止めとか。迂回路を使えと看板があったのだけれども、それが、一度甲府盆地まで出てから精進湖を通るルートで、どれだけ遠回りなんだよ。。。

ちなみに草間鉱山の林道の奥も、湯之奥猪之頭トンネルで天子山地を突っ切って、朝霧高原・人穴の方に通じているのですが、ここも今のところ通行止めです。つまり、富士宮から精進湖まで、身延と富士山麓側との通行ができるところがすべて封じられているという状況です。折角、富士川沿いを、甲府と静岡をつなぐ中部横断自動車道が繋がったというのにねぇ。。。

 

2021年11月14日 (日)

満礬柘榴石(栃木県日光市足尾町久良沢鉱山)

Spessartine Mn2+3Al2(SiO4)3 珪酸塩鉱物

 

Spessartine_kyurasawam_01

Spessartine_kyurasawam_05

Spessartine_kyurasawam_04

 

足尾の久良沢鉱山の満礬柘榴石です。有名産地ですね。有名で、しかも今でも割と確実に目当ての鉱物が見つかるし、ズリも広くて石が多いので、探すのがとても楽しいところです。鉱山あとはどこに行ってもあまり人とは会いませんが、ここでは珍しく石拾いに来た人と会いました。さすが有名ポイント。

ここを地質図Naviで調べると、もうちょい南西の標高950から1000m付近、石倉山の文字の右側に「久良沢鉱山」と表記されていて、道路沿いにある有名なポイントとは場所が違います。どうやらこのポイントは実際には久良沢鉱山ではなく大岩鉱山という名前だったようですが、ややこしいのでここでは久良沢鉱山で通します。ちなみに実際の「久良沢鉱山」の場所には行っていません。この付近になるとさすがに家から遠いので、時間が見えづらい探索は気軽にできません。でもちょっと見に行ってみたい。鉱物の豊富な足尾山地の鉱山跡なのだから、何かあるだろうし。

ここの満礬柘榴石は成長丘が発達しているものが多く、その描き出す幾何学的模様がたまりません。3枚目の写真は結晶を二酸化マンガンの被膜が覆って真っ黒くなっていて、これがまたちょっとメタリックみがあって、きれいなのです。24面体、あるいは36面体の結晶です。

日本で採集できるガーネットは、宝石になるようなものはほとんどないようですが、それでもその結晶の美しさ、かなりの大きさのものが見つけられること、割とどこでもあることなど、鉱物採集の楽しさがつまっていますね。自然の石の中に、こんなに幾何学的な形状のものが入っているのを見ると、驚異を感ぜずにはいられません。

こういう感覚は、お店で買うのではあまり得られないんじゃないでしょうか。自分で現地に行って、山なり海岸なりでそこらへんに転がってる石から探して見つけてこそ、得られる感覚な気がします(それが売られているような立派な標本でなくとも)。それに現地に行って、そこの地形や地質、石ころ、植生、空気、あるいは鉱山跡であればその歴史などまで感じ認識することが、鉱物そのものよりも大事ではないかと思うのは、多分自分にとっては、鉱物学よりも地理学のほうに興味の対象が向いているせいかもしれません。

 

鉱物学というのは正直かなり狭い専門的な分野ではないかと思うのですが、地理学というのは、地質、地形、気象、歴史、民俗、さらには政治、経済などまで含む総合学です。そういった文系理系というジャンル分け・考え方がむしろ邪魔になるものではないかと思います。もともとジャンル分けというのが好きではない自分には、すごく居心地がいいというか。。。(音楽でも、ジャンル分けなんてCD屋さんの都合でしかないと思ってましたからw)

そういったジャンルというのは取り扱いが便利だからとりあえずしただけのもので、実際にはそれらの事象は分類分け関係なく、すべて関係しあっているのであって、ジャンル分けのせいでその関係性がよく見えなくなってしまっているような気がします。地理学は、むしろその関係性をメインの対象としているといえるかもしれません。だから、たとえば「鉱山」というものを全体的に取り扱えるのは、地理学しかない。そこに絡んでくる(そして密接に関係しあっている)自然科学と人文科学の両方を取り扱う学問は、地理学しかないから。

以前も書いた気がしますが、最近は学校でGIS(地理情報システム)やフィールドワークなどを使った授業をしているのが、ほんとにうらやましい。自分が学生のころはそういうの一切なかったです。

 

最近はこの地理学が結構一般的になってきたと感じます。その最大の原因はタモリ(笑)

まさか昔はフリージャズ界のアイドル(狭っ!)だったタモリが、地理学のアイドルになるとは思いませんでしたよ。。。何をやらせても器用にこなす人ですが、「ブラタモリ」でのタモリの博識と知識欲にはびっくりですよねぇ。案内の人たちは、カメラの回ってないところではできるだけタモリのそばにはいないようにスタッフから言われるそうです。そばにいると、タモリがすごい勢いでいろいろ質問してきちゃうから、疑問を出してタモリに考え答えてもらうという番組の趣旨が成り立たなくなってしまうとか。

デビュー当時は(芸風的に)絶対NHKには出られないと言われていたタモリが、今ではNHKの顔みたいになっちゃってるのも笑えます。でも、四か国語麻雀とかまた見てみたいなあとか思っちゃうんですけど。。。まあ今のような息のしづらい世の中でも、あっさり適応してしまう器用さが、タモリの才能なんでしょうね。

 

2021年11月 7日 (日)

コバルト華?(山梨県北杜市増富鉱山)

Erythrite? Co3(AsO4)2・8H2O 燐酸塩鉱物等

 

Erythrite_masutomim_01

Erythrite_masutomim_02

 

もうゴミでは? というような小さなシミみたいな感じですが、やっぱりこんな色をしていたら「おおっ?!」と目を引きます。写真はかなり拡大しているので、ボケてしまってますが、肉眼で見ても、この写真よりも細かく見えるということはありません。これは顕微鏡そのものがそんないいものではないこともあるし、何より自分の目がかなり悪いからでもあります。ただ写真で見ると、ただシミが広がっただけでなく、何となく放射状のパターンにのっとっているような感じがしないこともない。。。かな?

で、なんだろうといろいろ考えた末、コバルト華ではないかとしました。増富鉱山でコバルト系の鉱物が確認されたことはあるんでしょうか。ちょっと調べてみた限りではなさそうです。

大体こんな鮮やかなピンク色の鉱物なんてそうそうないわけで、まずコバルト華が思いつくのです。というかマンガンとコバルト系以外思いつかなかったw 場所的にマンガンはないだろうと思いますので。。。

構成元素から考えると、As(砒素)は、硫砒銅鉱が産出するのだから十分あります。OとHについてはもちろん問題なし。

あとはCo(コバルト)ですが。。。

ネットで探していて、安藤厚「硫化金属鉱鉱床に伴なうゲルマニウムの地球化学的研究」(地質調査所報告 第208号、1964)(https://www.gsj.jp/data/rep-gsj/No208.pdf)という論文を見つけました。22ページの「第7表 山梨県 増富鉱山産 銅藍および硫砒銅鉱中の微量成分」に、増富鉱山のこの2種鉱石試料の微量成分の定量分析結果が載っています。それによると当論文の目的であるゲルマニウムが硫砒銅鉱中に多く含まれるという結果になっていますが(近くのラジウム温泉の関係ですかね?)、コバルトCoもきわめて微量ではあるけれども、特に硫砒銅鉱には含まれていることがわかります。であれば、材料は一応そろっていると。

まあ実際には分析とかできないですし、そもそも無機化学の基礎知識にも欠けますし、あくまでこれはお遊びですので、真面目に取り上げられると困りますが、こういう変なものも鏡下レベルでは出る可能性がなきにしもあらず、ということですかねw 大体増富鉱山ってちょっと変わったものばかり産出するというイメージです。TrekGEOで増富鉱山の産出鉱物として挙げられているのは、硫砒銅鉱、ルソン銅鉱、白鉄鉱、硫黄、コベリン、銅緑ばん、コルヌビア石、明礬石。すぐそばの温泉も、ちょっと他と違う、日本では珍しいラジウム温泉ですし。

 

ところで温泉って、お湯に含まれるいろんな成分によって効能があるといわれますが、これって実際のところ、どの程度信憑性があるんでしょうかねぇ。日常とは違うきれいな山や海で、気持ちいいお風呂に入っておいしいものを食べてゆっくり過ごせば、別にお湯そのものに効能とかなくても、十分に心身にいいと思うわけで。お湯自体の成分が、どう体に影響してくるのだろう。皮膚から吸収するものなの? それとも湯気とかで体内に入る? 硫黄のまじったお湯につかることが健康に良いのか? 自分も温泉は嫌いではないですが、山に行った帰りに入るとかはあんまりしないですね。お風呂に入るのって基本面倒くさいし時間かかるし、それよりとっとと帰って、ゆっくり家のお風呂に入ったほうがいいので。

でも、関東周辺に限れば、結構いろんな温泉に行ってるかも。自分のお気に入りは、伊豆・湯ヶ島、伊豆・雲見、群馬・川原湯温泉とかですね。湯ヶ島はかすかに硫黄のかおりがするかしないかといった感じの、とてもいいお湯です(硫黄が含まれているかどうかは知らない)。猫越川(持越川)をちょっと上流に行けば、川原に鉱石も転がっていますw(湯ヶ島鉱山、持越鉱山)

雲見は海の水が地下で熱せられたお湯かな、しょっぱいというより、にがりになっているようです。温泉の多い伊豆でも、ちょっと独特の温泉。伊豆で旅館に泊まったりする時は大抵雲見に泊まります。昔いつも泊まっていた旅館は、「とんび」というドラマで使われていましたが、もうずいぶん前に営業を終えてしまいました。

群馬吾妻溪の川原湯温泉は、例の長期騒動になった八ッ場ダムで、以前の長い歴史を持つ温泉街は消えてしまいました(温泉を見つけたのは源頼朝だったとか)。草津温泉を穏やかにやさしくしたような、とてもいいお湯だったんですけどね。温泉街はまったく新しい場所に移ったようですが、違う源泉で湯質も以前とは違うそうですし、はたしてどうなったのだろうか。。。ムササビはもういないのかな。。。

 

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