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2021年9月に作成された記事

2021年9月23日 (木)

玉髄(埼玉県飯能市上名栗武川岳周辺)

Chalcedony SiO2 酸化鉱物

 

Chalcedony_takekawadake_01

 

埼玉県・奥武蔵の武川岳南尾根(名郷からの登山道)上で見つけた玉髄です。

この周辺は後期ジュラ紀から前期白亜紀の付加体層で、石灰石やチャートが散らばります。尾根の東側は石灰の採石場、西側の沢に下りればマンガン鉱山のあった山中のほど近くです(現在名郷からウノタワ、妻坂峠に登る林道・登山道は崩壊のため通行止めになっています。2021年9月現在)。

この石は小さな水晶、緑簾石がついていて、山に登る途中で見つけて拾ってきたものです。石英か方解石か調べようと長波UVをあてていて、光るところがあるのに気づきました。青くきれいに光ります。

 

Chalcedony_takekawadake_02

 

きれいですねー。蛍光する玉髄は初めて拾いました。

玉髄は微細な石英が繊維組織をとったもので、自体は蛍光はしないのですが、内部に不純物が含まれているとそれが光ります。ウランが含まれていると緑に、鉱物油などが含まれていると青く、他にもランタノイド系の元素が含まれていると黄に、マンガンが含まれていて青緑に光るなどいろいろな場合があるようです(蛍光鉱物一辺倒 石英の項)。玉髄の破面はスポンジ状をしていて微細な孔があいており、そこに水などが含まれることによって、水晶とは若干異なる化学的性質を持つのだそうです(比重、屈折率がちょっと違う)。

写真は青く光っているので、石油とか、メタンとか、樹脂のようなものが含まれているのかな? ここらへんの地層は海成なので、メタンの気泡でも含んでいるのか? よくわかりませんが、写真を見る限り、何か入ってそうな見かけはしてますねw

 

奥武蔵のこのあたり(から秩父にかけて)は、石灰採石場、マンガン鉱山があちこちにあります。小松鉱山のようにバナジウム系の鉱物が産出するところもありますが、詳しい場所はわかりません(このあたりじゃないかと思う場所はあるが、まあ見つけるのは無理かなw)。

武川岳から稜線を歩いて鳥首峠から名郷に戻りましたが、峠の下、石灰を採掘していた武蔵白岩鉱山の廃墟が残っていました。2015年まで稼働していたそうですが、今でもズリに飲み込まれつつある村の廃墟、軌道のレールなどを見ることができます。子どものころは西武沿線に住んでいたのでこの近辺もよく来ていたのだけれど、当時はまだ稼働していたんだなぁ。

 

Okumusasi_01
武川岳南尾根。尾根上には石灰岩が多く、よじ登るような場面もあるよ。

Okumusasi_02
白岩集落の廃墟。その裏手は真っ白い石灰のズリが迫ってきている。

 

Okumusasi_03
白岩集落跡から林道まで続く軌道のレール。

 

石灰といえば、最近SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に対応しているという、石灰を使った紙の代替品が話題になっています。木や水を使用しないということで、エコだということなんですが、それに対する批判もあって、どうもよくわかりません。

木の伐採をしなくてすむし水も使わない、石灰は世界中に文字通り山ほどあるってことですね。

反対意見としては、木は植えれば再生できるし、水は消費しているわけでなく利用しているだけ、むしろ石灰は再生できない、ということのようです。

まあでも石灰は、海に生物の死骸が堆積しプレートが動いている限り、現在進行形で生成され続けている(数百万年単位だがw)ので、資源として限りがあるということはないですよね。

でも石灰採掘で山(と森)が崩されるというのも確かです。石灰だけでなく、クリーンエネルギーといわれる水力、風力、太陽光発電も、そういう意味ではクリーンとはとてもいえない。水力なんて環境負荷は表面だけを見ても甚大です。

風力、太陽光発電も、狭い日本では大抵平野ではなく山中に作りますが、作るためにはそれ自体の用地だけでなく、道路(林道)をいっぱい作らなければなりません(植林でもそうですが)。山というのは重力という絶え間ない力に常に抵抗しているわけで、もともと崩れるものですが、道路というのは山の斜面を切っているので大規模な崩壊のきっかけになることが非常に多いのです(伊豆大島の大雨による土石流もそうでした)。山中で皆伐したあとに作られた太陽光発電の場所にでくわすと、土砂が流れ出ていたりするのを見たりもします。山の自然の侵食を加速している、というイメージですね。

さらにいうなら(日本での)植林というのは、自然林を皆伐して杉・檜の単層林にしているわけで、非常に広い範囲にわたって生態系を完全に変えているわけです。特に昭和の拡大造林政策によって、昔からの里山だけでなく、さらに奥の稜線の上まで植林にされました。今でもとっくに崩れた林道の奥、まったく手入れをなされていない植林をよく見かけたりします。最近シカの食害がーとかいろいろ言われて悪役にされますが、一番影響を直接受けたのがこのシカです。というか、環境に対するシカの影響など、人間による影響と比べたらないようなもので、ようするに「自然」環境に対する悪役ではなく、人間の経済活動に対する悪役なのですね。

 

ようするに何が言いたいのかというと、何が自然環境により良いのか、より悪いのか、なんてことを理解するレベルに人間はまだ達していないのではないか、ということ。さらに、そのレベルに達することはないのではないか、ということです。

やはり最近悪役にされるプラスチックですが、本当に環境負荷が高いのかどうか。そもそも海にビニール袋が捨てられているのは、樹脂が悪いわけでなく、そこらへんに捨てる人間が悪いんじゃ。。。その代替として紙が使われるほうが負荷が高いんじゃないか、さらにその代替として石灰が使われるほうが負荷が高いんじゃないか、さらにその代替として。。。

昔、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)ってのがかなり話題・問題になりましたが、現在ではその影響はないとされていたり、まったく解明されていなかったり、ようするに一時の流行でしかなかった。甘味料のチクロも毒だといって世界中で規制されたけれど、結局それを示すような実験結果はひとつもないし(ちなみに日本では今も規制されてる)。これも一時の流行です。新コロのワクチンも似たようなものでは?

 

多分、人間は最終的に何が正解なのか、理解しきることは不可能なんでしょう。わかることはないのだ、と理解することが大事なんじゃないかなあ。そこからどう行動したほうがいいか、見えてくるような気がします(ここで「しなければいけない」と言うと、一気に間違ったほうに進んでしまう)。ソクラテスですね。ソクラテスの「無知の知」というのは、「知らないということを知る」「だからもっと調べなければならない、勉強しなくちゃいけない」ということではありません。後半が違うと思う。

なんか、えらく話が大きくなってしまったので、ここでおしまいw

 

2021年9月15日 (水)

青鉛鉱(茨城県城里町錫高野)

Linarite CuPb(SO4)(OH)2 硫酸塩鉱物等

 

Linarite_suzukoya_01

Linarite_suzukoya_03

 

前回(翠銅鉱?(茨城県城里町錫高野))の続き。同じ石です。「ちょっと違う色合いの水色の部分」と書いたのが、この部分。

希塩酸で、泡だったりしませんが、ちょっと白っぽく脱色するように分解します。この反応、色の傾向、形状から、青鉛鉱ではないかと考えましたけど、どうでしょうねぇ。多分いいんじゃないかな。

2枚目の写真で、濃緑色はブロシャン銅鉱、淡いシアンの一番サイズの大きいのが前回取り上げた部分(翠銅鉱?)、その間にところどころ、もうちょっと濃い水色で透明感のある部分が、今回の青鉛鉱ではないかと思うものです。写真だとちょっと分かりにくいですが(撮影が下手なせいですね)、目で見ると色合い、透明感など、違いがはっきりと分かります。

青鉛鉱というと、藍銅鉱に似た濃い青の透明な結晶というイメージですが、そのイメージと違ってちょっと薄い色合いですね。でもネット上で見てみると水色に近いものもちらほら見られます。自分は美しい紺色の立派なものなんて見つけたことはありませんが、それでも1枚目の写真のように、先が尖った、あるいは刀状の結晶が集合して伸びている様がなかなかいい感じ。皮膜状じゃつまらないですもんね(というか判別できない)。

割とありふれた二次鉱物だそうですし、高取鉱山・錫高野でも多くはないものの鉛系の鉱物(方鉛鉱など)の産出はありますし、採集場所では孔雀石はよく見つかります。青鉛鉱そのものの産出記録は見つかりませんでしたが、あってもおかしくないのかな?

青鉛鉱はその美しい青さから憧れの鉱物のひとつです。ちょっと思っていた色と違うけれども、まあいいかw でも、この青鉛鉱にしろ、翠銅鉱? にしろ、まさか錫高野で見つかるとは夢にも思っていなかったものです。成分を分析したりできないので、「この場所では何が産出する可能性があるか」という情報そのものが、鉱物判別のための一番重要な手段なわけです。その一番の手段が使えないので、判定にまったく自信が持てないのがつらいところ。軟十年も見続けていれば、手に取っただけでぱっとわかるようになるんでしょうか。。。

 

青鉛鉱のLinariteという名前は、スペインのアンダルシア州リナーレス(Linares)が由来。鉛の鉱山で栄えた街ですが、現在ではいくつもあった鉱山はすべて閉山したそうです。フラメンコの有名な歌手・カルメン・リナーレスは、ここの出身ですね。

パコ・デ・ルシアの有名な「リナーレスの調べ Aires De Linares」という曲は、タランタという鉱山の歌です。きつくて危険なリナーレスの鉱山での生活の中から生まれたものなんでしょう。そう考えながら聞くと、何だか青鉛鉱の青色が、人生の哀愁と、その裏側にある諦観にも似た突き抜けた明るい空の色のようにも思えてきます。

 

ところで錫高野には何度か行っているのですが、そばにある物産センター(県道51号線とビーフラインの交差するところ)にいつも寄って買い物していきます。きのこがおすすめなのです。珍しいハナビラタケがここの名産で、ここでしか買えないんじゃないかなあ。センター内にあるそば屋・そば処山桜もおすすめ。暖かいきのこ汁にそばをつけて食べる、つけきのこそば(うどんもあり)が、えらくおいしいのです。錫高野に行った帰りに、これを食べるのが楽しみのひとつなのだ。

 

2021年9月 5日 (日)

翠銅鉱?(茨城県城里町錫高野)

Dioptase? CuSiO3・H2O 珪酸塩鉱物

 

Dioptase_suzukoya_01

 

錫高野の、稜線そばのズリで見つけました。囲われている崩れた坑口のそばのズリです。ここはよくトパズや、孔雀石なども見つかるところで、面白いんですよねぇ。

まるでペンキを塗ったかのような光沢をした鮮やかなシアンの鉱物で、ぱっと見、これは何だ!と目を奪われます。濃い緑の部分は、ブロシャン銅鉱のように見えます(写真には出ていないが、他にもちょっと違う色合いの水色の部分がある。)。

色的にも銅の二次鉱物だし、水亜鉛銅鉱か変わった形の珪孔雀石かなあ? と思って、希塩酸をかけてみてもまったく何の反応もしないし(多くの銅の二次鉱物は反応する。水亜鉛銅鉱や孔雀石なら泡立つ)、非常にきれいで目立つものであるにもかかわらず、一体なんなのか、全然分からなかったんですよね(濃い緑の部分は希塩酸で溶け、水色の部分は溶けずに色が抜けて白くなる)。一見もろそうなんですが(銅の二次鉱物はもろいものが多い)、いざ削ってみようとすると思ったより硬く、裁縫用の針でもほとんど削りとれません。

でも最近ネット上で、伊豆の河津鉱山で採集したという、翠銅鉱の写真を見つけました。不明鉱物として持ち込まれたものを分析したら翠銅鉱だったという話らしい。

翠銅鉱 東京大学物性研究所 電子顕微鏡室/Electron Microscope Section マクロ写真館 日本の鉱物

これ、まったく同じものに見えませんか? 外形も、色も、そっくりそのままに見える。

翠銅鉱ならば、希塩酸でなんの反応もなかったというのもわかります。組成としても、ここにあるものばかりで、妙な元素が必要というわけでもないので、まあおかしくはないといってもいいかな。。。モース硬度も5なので、結構硬めなのもうなずける。

ということで、(?)付きではあるけれども、「翠銅鉱」として、ここにも載せてしまいます。

普通の(海外産標本の)翠銅鉱とは、もう色も結晶形もまるで違いますね。普通翠銅鉱というと、エメラルドグリーンの透明感のある結晶で(実際昔はエメラルドと間違えられたらしい)、硬度こそ宝石とするには低いものの、非常にうつくしい鉱物です。もしこれが実際に翠銅鉱だとしても、目で見てわかるわけないですよね。。。Dioptaseで検索しても、このような見た目の翠銅鉱は、上記のサイトの写真1枚以外はまったく出てきません。

日本で産出するところはどうやらほとんど知られていないようです。調べられたのは、結局上記サイトの河津鉱山と、島根の銅ヶ丸鉱山だけでした。これは多分海外産との見かけの差異によるものではないでしょうか。売られているきれいな結晶と全然違うものを見つけても、分析しないと翠銅鉱だとは分からないですし、大学の研究室のようなところでない限り、分析なんてできませんから。。。実際には、結構あるのかもしれません。主に銅鉱床の酸化帯で生成されるということで、孔雀石や珪孔雀石があるところには、まれにあるのかも? どのような条件の違いで、同じ材料から違う鉱物が生成されるのか、詳しいことは自分にはよくわかりません。

先ほども書いたとおり、はじめはエメラルドと間違えられていましたが、エメラルドと違って劈開があります。1797年、フランスの鉱物学者アユイによって、劈開面の可視性を意味して、ギリシャ語の「~を通して」を意味する「dia」と、「見ること」を意味する「optasia」から命名されました。

劈開面のクラックが透けて光を反射し、きらきらきれいなのだそうですが、写真のものはそれを彷彿とさせるようなところはありません。日本のどこかに、海外産のようなきれいなDioptaseはないもんでしょうかね。。。

 

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