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2021年8月12日 (木)

硫砒銅鉱(山梨県北杜市増富鉱山)

Enargite Cu3AsS4 硫化鉱物

 

Enargite_masutomim_01

Enargite_masutomim_02

Enargite_masutomim_03

 

角柱状、あるいは板状の硫砒銅鉱の結晶。ここの硫砒銅鉱は、真っ白い変質した珪岩に埋め込まれるようになっていることが多いみたいですが、これは石英の小さな晶洞の中にぎっしりとつまった状態です。場所によって若干色合いというか輝きが違いますね。同じ石には黄色い硫黄と思われる部分も見られるように、銅と砒素と硫黄の化学式をもちます。

日本ではそれほど多く産出しない鉱物ですが、南北米あたりでは銅の鉱石として採掘対象になるくらいに多いようです。

英語のEnargiteはギリシャ語のέναργής(enarge:明確)から。はっきりとした劈開が由来。

 

採集場所は、銅藍の産地として有名な山梨県の増富鉱山。増富ラジウム温泉の奥にあり、金峰山、瑞牆山の登山口で知られる瑞牆山荘の近く、クリスタルライン沿いにあります。川沿いに鉱山の施設あとと思われる石組などが点在した広場があって、あまり石は転がっていないんですが、時々石英の塊があって、それを割ってみたところ、現れました。

花崗岩中の低温型生成鉱脈ですが、ここの硫砒銅鉱にはゲルマニウムが特に多く、他にはタリウム、アンチモン、モリブデン、錫、タングステン等々が含まれているらしく、かなり特殊な鉱床のようです。

「おそらく、かなり高温の鉱液より、気相中に分離濃縮した諸成分が、花崗岩中の裂罅中に、低温に冷却後、鉱床として沈殿したものであろう」(「地質調査所報告 第208号 硫化金属鉱鉱床に伴なう地球化学的研究」地質調査所、昭和39年11月、p.23)

 

もともと増富鉱山が目的だったわけでなく、急にすぐそばを通ることになったため、そういえばこのあたりに銅藍が採れるところがあったなあと思って訪れました。だから事前にきちんと調べていたわけでなく、なんとなくこのあたりといううろ覚えの情報をたよって、川沿いのちょっと怪しげな(鉱山跡っぽい)ところでちょっとだけ探してみました。すぐそばには金山という地名もあり、例によって信玄がらみかーと思いつつ川に出てみると、まっ茶色に焼けた岩からあちこち水が湧いていて、もう絶対なんかあるだろ、といった風情。

結局銅藍はなかったのですが(帰ってから調べたら、ポイントはちょっと違う場所だった。。。)、いくつか怪しげな石を見つけることができました。硫砒銅鉱は全然意識になかったので、家に帰ってから見つけてびっくりです。現地では小雨で暗くて、ルーペではよく見えなかったし。

ということで、また来ないといけない場所ができてしまった。クリスタルラインと増富ラジウムラインの三叉路のあたりも、なんか非常に探しがいのありそうな雰囲気でしたし。

ラジウムラインの渓谷は、巨大な花崗岩がごろごろしていて(瑞牆山の岩と同じやつかな)、なかなか楽しいところですね。

 

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