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2021年8月 2日 (月)

褐簾石(山梨県甲州市大菩薩峠)

Allanite-(Ce) CaCe(Al2Fe2+)[Si2O7][SiO4]O(OH) 珪酸塩鉱物

 

Allanitece_daibosatsu_01

Allanitece_daibosatsu_02

 

有名な、大菩薩峠近くの褐簾石です。

モース硬度5.5~6と硬いのだけれども、かなりもろいですね。もっときれいな結晶もあったのですが、母岩が大きかったのでちょっと割って小さくしようとかなり優しく叩いたら、気づいたらどっかに飛んで行ってしまってました。。。(あるある)

山中ではあってもアプローチがしやすい産地で、人はかなり入っているようで、結局見つけられた一番きれいなのが写真のもの。露頭はどこだかわかりませんでした。ハンマーやルーペの忘れ物もあった。

この産地は駐車場から大菩薩峠に登る途中の沢ですが、石丸峠に向かう登山道途中の沢でもちょくちょくペグマタイトは散見されたので、探せば他にも何か所かあるんでしょう。

褐簾石のほかには、うっすらと緑~青がかったような長石があって、これがなかなかきれいです。アマゾナイトというほどのものではないけれど、時々ふもとの裂石あたりでも見つかるのと同じものかな。

褐簾石は名前のとおり緑簾石の仲間で、レアアース(希土類元素)を多く含んでいます。化学式の(Ce)とは、レアアースのセリウムのことです。ほかにはランタン(La)、ネオジム(Nd)、イットリウム(Y)などの種類がありますが、日本で産出する褐簾石のほとんどはセリウムを含む、Allanite-(Ce)です。ここの褐簾石もセリウム褐簾石であるといいます。

2013(平成25)年に日本の伊勢で発見され承認された新鉱物として、褐簾石の仲間のランタンバナジウム褐簾石(Vanadoallanite-(La))があります。太平洋日本近海の海底にはレアアースが大量に存在するらしいのですが、それが何百、何千万年かけて日本に付加した結果の姿が、このランタンバナジウム褐簾石ということになりますね。

 

大菩薩峠はハイキングでも「超」のつく人気の場所なので、人出、駐車場の混み方も超一級です(冬は林道が閉鎖されるので、かなり長い距離を歩かないといけません。人が少なくていいかも?)。大菩薩峠自体は特に面白い峠でもないけれど(中里介山の小説『大菩薩峠』を読んだことのある人っているの?w)、個人的には、人ががくんと減る石丸峠がおすすめです。石丸峠から南の小金沢山、黒岳周辺は、奥秩父を思わせる森、開けて気持ちの良い草原と、お気に入りの山域。鉱物的にも、本沢鉱山、湯の沢鉱山などがあって、興味深いですね。ローマ字にすると日本でもっとも長い名前であるらしい牛奥ノ雁ヶ腹摺山(Ushiokunogangaharazuriyama)もここです。さらに南に下れば、笹子峠を通って御坂山地。

大菩薩嶺から北に向かえば、柳沢峠、黒川鶏冠山と、鉱物がらみで知られた地域。さらに北に向かうと笠取山、雁峠(「雁」のつく地名が多いいですよねぇ、このへん)。その途中にある石保戸山は、名前的には昔は鉱山等があったのではないかという気もするのですが、どうなんでしょうか(石保戸山とは金銀鉱石を産む山という意味ではないかと思う)。

この周辺すべて、もっと南の御坂から甲武信岳周辺まで、甲府の花崗岩体が続いていて、山としても魅力的な、山梨でもっとも興味深い地域です(昇仙峡とか乙女鉱山とかその辺は、自分にとって存在しないも同然なので、興味なし)。

 

Ishimarutoge_01

石丸峠付近から、小金沢山と富士山。左はしは雁ヶ腹摺山。

 

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