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2021年8月に作成された記事

2021年8月29日 (日)

方解石(埼玉県秩父郡小鹿野町二子山)

Calcite Ca(CO3) 炭酸塩鉱物等

 

Calsite_futagoyama_01

Calsite_futagoyama_03

 

秩父鉱山の北にある二子山の方解石です。

鉱物目当てで行ったのでなく、以前登山目的のみで訪れた時に、きらきら光っていてきれいだったので拾ってきたものです(最近戸棚を整理していて発見しましたw)。方解石であることは知っていましたが、まだ鉱物を集めたりしていないころの昔のことです。多分、東峰・西峰を登ったあと、魚尾道峠(よのうとうげ)に下りる途中だったような気がしますが。。。方解石のポイントって、股峠近くでしたっけ? 近くは通っているはずなので、ポイントから登山道に転げ落ちてきたものかもしれません。

透明度が高く、あちこち結晶内部が七色に光っているところがあって、とてもきれいです。方解石は非常にありふれた鉱物ですが、場所によってまったく異なる、さまざまな形態で見られるのが、とても楽しいのです。ここの方解石はそのシャープさ、透明さ、輝きに非常に魅力があります。

西峰と東峰からなる二子山は石灰岩の山で、フズリナ(紡錘虫)やウミユリの化石なども見つかります。古生代に南の海で堆積した有機物の層がプレート移動してきて、中生代ジュラ紀に日本に付加した後に隆起してできた山です。遥か遠い過去の海の残滓を垣間見ることができます。

このあたりには同じような断崖絶壁の山も多いですが、二子山は特に独立した岩稜の見かけのすごさや、普通の登山道があることもあって、人気の山ですね。クライミングの人も多いです。西峰には普通の登山道のほかにも中・上級者用の鎖などがついていないルートもあって、岩を登るのが好きだけどクライミングまではちょっと。。。という人にもとても面白い山です。昔鎖が邪魔と言われて、わざわざはずしたらしい。確かに、峻険とはいえ、手がかり足がかりは多くて、登りやすいです(表妙義などとは比較になりません)。

最近特によく感じる一般登山道の過剰整備を思うと、鎖をすべてはずしたルートを残したのは、高く評価されるべきだと思います。日本ではちょっとしたところでも危ないあぶない危険きけん! と、誰でも子ども扱いするのがデフォななか、よくこういう大人な対応をしたなあと感心します。最近、「山を登りにきたのに、いつのまにか階段ばかり登っていた、な、なにを言っているのかわからねーと思うがry)」と思うことが多くてねw

秩父の石灰岩の山は、いくつか採掘の対象となり、姿を変えています。二子山の隣の叶山も石灰岩が採掘され、下の写真のような姿です。掘られる前はどんなだったんでしょうね。。。子どものころ見た記憶の中の武甲山の姿は、今見る姿とずいぶん印象が違うんですが。。。これらの山々がコンクリートの材料になり、日本の近代化を支えてきたわけです。どんなに姿を変え、たとえ消えてなくなってしまったとしても、山の名前は記憶にとどめておきたいですね。

 

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魚尾道峠付近から見た西峰の岩稜。まるでミニ・ヨーロッパ・アルプスといった風情。

 

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西峰の岩尾根と、隣の叶山。石灰岩が採掘される前は、二子山のような岩山だったのかも?

 

2021年8月19日 (木)

自然金(山梨県大月市大月町本沢鉱山)

Gold Au 元素鉱物

 

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本沢鉱山で見つけた自然金です。母岩は石英。1枚目の写真、ちょっとへこんでますが、金がどうか調べるために針でつついたのですw 金は非常に展性(圧力をかけても破壊されず薄く広がる性質のこと)が大きく、箔状に広がります。色が似ている黄鉄鉱などは、つつくと粉々になってしまうので、この性質ですぐに判断ができます。

金と一緒になっているちょっと黒っぽい金属光沢部分は、金と共生することの多いホセ鉱(Joseite)ではないかと思います。ホセ鉱はビスマス、テルルと硫黄からなる鉱物で、組成のわずかな違いで、ホセ鉱A(Bi4TeS2)、ホセ鉱B(Bi4Te2S)などがありますが、肉眼では違いは分からないそうです(比較観察したことはない)。本沢鉱山ではホセ鉱Aの産出が報告されていますが、自分では判断できません。

本沢鉱山も、石英質の石は少なくなっていますが、それでもまだこんな自然金が見つかるもんなんですねぇ。小さなかけらですが、鏡下ではあちこちに金色の輝きを見ることができます。まああまり人も来ないんでしょうね。秩父鉱山やら甲武信鉱山では、あちこちで石を割ったあとや、ルーペやハンマーの忘れ物があったりしますが、ここではそういう痕跡を見たことがありません。結構行きやすいところだし、蒼鉛やテルルといった、結構珍しい成分の鉱物もあります。石英質の石を割ると、強い硫黄臭がします。

もともと金を採掘していた鉱山なので、あってもおかしくないのですが、やっぱり金は他の鉱物と比べても特別感があり、うれしいですね。非常にちっちゃいですけど。

昭和17(1942)~18(1943)年という短期間、沢沿いの露天掘りで採掘していたらしいですが、戦争中の物資かき集めといった感じだったんでしょうか? 現地では鉱山であったという痕跡も全然見当たらないし、詳しいことがわからないので、何ともいえませんが。

 

化学記号のAuの語源は、ラテン語の金を意味するaurumから。「光り輝くもの」の意味だそうで、オーラとかオーロラも同起源の言葉です。現代では、フランス語のOr、イタリア語のOroがこの系統ですね。

英語のGoldの語源は、ネットで検索するとサンスクリット語のjvalita(輝くの意)からきているらしいとありますが、どこがどうなって語源なのか、全然わかりませんw

漢字の「金」は、鋳型の形で表現されていて、もともと金属・鉱石全般(特に銅)を表す漢字だったようです。中国の殷、周・春秋戦国時代のころの、青銅器に鋳込まれたり刻まれたりした文字のことを金文といいますが、この「金」とはつまり青銅器のこと。Goldを金としたのは、もっと後の時代のことのようです。金文では「金」の下部が「土」である表記と「火」の表記の二種類があります。「土」というのは地面から掘り出した鉱石という意味でしょう。「火」というのは、火によって錬成され鋳込まれたものであるという意味ですね。金文より古い甲骨文字では「火」の表記となっていて、はるか昔から、鉱石の溶錬が行われていたことがわかります。

 

基本こういうのはネットで検索することがほとんどです。本は重いし、持ち出すのが面倒だし、引っ越しなどでさんざん苦労したので、できるだけ増やさないようにしていて、もうネットか電子ブックで十分かな? 最近買った本は鉱物関係しかないなw

でも、現在大流行りの新コロ騒動(新型コロナウイルス感染症をめぐる出来事をかわいく、わざと矮小化してそう記していますw)で、あらゆるメディアの信頼性が地に落ちたなあと感じているんですよね。いや違うな、最初から信じてなかったけど、もはや情報そのものが害毒でしかないレベルになってしまった、というか。新聞テレビはもちろんネットも、特に新コロに関してはひとかけらも信用してはいけないんじゃないか。新聞テレビというのは政治、宗教、営利活動の入り混じったもので、もともと公平公正なジャーナリズムなんてのは矛盾でしかないのですが、ネットもたいがいだな、と。。。

お盆に帰省したら家族に感染して次の日に発症してしまいました、なんていう思わず笑ってしまうようなお話が、まじめにテレビやらネットで語られているのを見ると、時間の経過にできるだけ耐えられるように苦心して作られている分、書籍のほうがまだましかなあと思えてきます。。。。まあでも出版社によっては校正をほぼ著者だけにまかせっきりなんてところもあるんですけどね。校正って一番その重要性が見えにくく、削られやすい部分で、しかも一番書籍の価値に直結している作業なのです。

とにかくこの新コロ騒動のおかげで、いろんなことが見えてきたような気がします。

2021年8月12日 (木)

硫砒銅鉱(山梨県北杜市増富鉱山)

Enargite Cu3AsS4 硫化鉱物

 

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Enargite_masutomim_02

Enargite_masutomim_03

 

角柱状、あるいは板状の硫砒銅鉱の結晶。ここの硫砒銅鉱は、真っ白い変質した珪岩に埋め込まれるようになっていることが多いみたいですが、これは石英の小さな晶洞の中にぎっしりとつまった状態です。場所によって若干色合いというか輝きが違いますね。同じ石には黄色い硫黄と思われる部分も見られるように、銅と砒素と硫黄の化学式をもちます。

日本ではそれほど多く産出しない鉱物ですが、南北米あたりでは銅の鉱石として採掘対象になるくらいに多いようです。

英語のEnargiteはギリシャ語のέναργής(enarge:明確)から。はっきりとした劈開が由来。

 

採集場所は、銅藍の産地として有名な山梨県の増富鉱山。増富ラジウム温泉の奥にあり、金峰山、瑞牆山の登山口で知られる瑞牆山荘の近く、クリスタルライン沿いにあります。川沿いに鉱山の施設あとと思われる石組などが点在した広場があって、あまり石は転がっていないんですが、時々石英の塊があって、それを割ってみたところ、現れました。

花崗岩中の低温型生成鉱脈ですが、ここの硫砒銅鉱にはゲルマニウムが特に多く、他にはタリウム、アンチモン、モリブデン、錫、タングステン等々が含まれているらしく、かなり特殊な鉱床のようです。

「おそらく、かなり高温の鉱液より、気相中に分離濃縮した諸成分が、花崗岩中の裂罅中に、低温に冷却後、鉱床として沈殿したものであろう」(「地質調査所報告 第208号 硫化金属鉱鉱床に伴なう地球化学的研究」地質調査所、昭和39年11月、p.23)

 

もともと増富鉱山が目的だったわけでなく、急にすぐそばを通ることになったため、そういえばこのあたりに銅藍が採れるところがあったなあと思って訪れました。だから事前にきちんと調べていたわけでなく、なんとなくこのあたりといううろ覚えの情報をたよって、川沿いのちょっと怪しげな(鉱山跡っぽい)ところでちょっとだけ探してみました。すぐそばには金山という地名もあり、例によって信玄がらみかーと思いつつ川に出てみると、まっ茶色に焼けた岩からあちこち水が湧いていて、もう絶対なんかあるだろ、といった風情。

結局銅藍はなかったのですが(帰ってから調べたら、ポイントはちょっと違う場所だった。。。)、いくつか怪しげな石を見つけることができました。硫砒銅鉱は全然意識になかったので、家に帰ってから見つけてびっくりです。現地では小雨で暗くて、ルーペではよく見えなかったし。

ということで、また来ないといけない場所ができてしまった。クリスタルラインと増富ラジウムラインの三叉路のあたりも、なんか非常に探しがいのありそうな雰囲気でしたし。

ラジウムラインの渓谷は、巨大な花崗岩がごろごろしていて(瑞牆山の岩と同じやつかな)、なかなか楽しいところですね。

 

2021年8月 2日 (月)

褐簾石(山梨県甲州市大菩薩峠)

Allanite-(Ce) CaCe(Al2Fe2+)[Si2O7][SiO4]O(OH) 珪酸塩鉱物

 

Allanitece_daibosatsu_01

Allanitece_daibosatsu_02

 

有名な、大菩薩峠近くの褐簾石です。

モース硬度5.5~6と硬いのだけれども、かなりもろいですね。もっときれいな結晶もあったのですが、母岩が大きかったのでちょっと割って小さくしようとかなり優しく叩いたら、気づいたらどっかに飛んで行ってしまってました。。。(あるある)

山中ではあってもアプローチがしやすい産地で、人はかなり入っているようで、結局見つけられた一番きれいなのが写真のもの。露頭はどこだかわかりませんでした。ハンマーやルーペの忘れ物もあった。

この産地は駐車場から大菩薩峠に登る途中の沢ですが、石丸峠に向かう登山道途中の沢でもちょくちょくペグマタイトは散見されたので、探せば他にも何か所かあるんでしょう。

褐簾石のほかには、うっすらと緑~青がかったような長石があって、これがなかなかきれいです。アマゾナイトというほどのものではないけれど、時々ふもとの裂石あたりでも見つかるのと同じものかな。

褐簾石は名前のとおり緑簾石の仲間で、レアアース(希土類元素)を多く含んでいます。化学式の(Ce)とは、レアアースのセリウムのことです。ほかにはランタン(La)、ネオジム(Nd)、イットリウム(Y)などの種類がありますが、日本で産出する褐簾石のほとんどはセリウムを含む、Allanite-(Ce)です。ここの褐簾石もセリウム褐簾石であるといいます。

2013(平成25)年に日本の伊勢で発見され承認された新鉱物として、褐簾石の仲間のランタンバナジウム褐簾石(Vanadoallanite-(La))があります。太平洋日本近海の海底にはレアアースが大量に存在するらしいのですが、それが何百、何千万年かけて日本に付加した結果の姿が、このランタンバナジウム褐簾石ということになりますね。

 

大菩薩峠はハイキングでも「超」のつく人気の場所なので、人出、駐車場の混み方も超一級です(冬は林道が閉鎖されるので、かなり長い距離を歩かないといけません。人が少なくていいかも?)。大菩薩峠自体は特に面白い峠でもないけれど(中里介山の小説『大菩薩峠』を読んだことのある人っているの?w)、個人的には、人ががくんと減る石丸峠がおすすめです。石丸峠から南の小金沢山、黒岳周辺は、奥秩父を思わせる森、開けて気持ちの良い草原と、お気に入りの山域。鉱物的にも、本沢鉱山、湯の沢鉱山などがあって、興味深いですね。ローマ字にすると日本でもっとも長い名前であるらしい牛奥ノ雁ヶ腹摺山(Ushiokunogangaharazuriyama)もここです。さらに南に下れば、笹子峠を通って御坂山地。

大菩薩嶺から北に向かえば、柳沢峠、黒川鶏冠山と、鉱物がらみで知られた地域。さらに北に向かうと笠取山、雁峠(「雁」のつく地名が多いいですよねぇ、このへん)。その途中にある石保戸山は、名前的には昔は鉱山等があったのではないかという気もするのですが、どうなんでしょうか(石保戸山とは金銀鉱石を産む山という意味ではないかと思う)。

この周辺すべて、もっと南の御坂から甲武信岳周辺まで、甲府の花崗岩体が続いていて、山としても魅力的な、山梨でもっとも興味深い地域です(昇仙峡とか乙女鉱山とかその辺は、自分にとって存在しないも同然なので、興味なし)。

 

Ishimarutoge_01

石丸峠付近から、小金沢山と富士山。左はしは雁ヶ腹摺山。

 

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