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2021年2月 8日 (月)

ブーランジェ鉱(山梨県甲州市黄金沢鉱山)

Boulangerite Pb5Sb4S11 硫化鉱物

 

Boulangerite_koganezawam_01

Boulangerite_koganezawam_03

Boulangerite_koganezawam_02

 

細かい毛状の部分がブーランジェ鉱だと思います。一部、水晶の中にも取り込まれているように見えます。

黄金沢鉱山で産出する毛状の金属鉱物といえば、ブーランジェ鉱と毛鉱の二種類がありますが、ブーランジェ鉱と毛鉱はとても似た鉱物で、どちらも鉛(Pb)とアンチモン(Sb)と硫黄(S)を主要成分とした、硫化鉱物です(毛鉱はPb4FeSb6S14)。

これをブーランジェ鉱と判断したのは。。。

まず、TrekGEOの黄金沢鉱山の産出鉱物リスト(https://trekgeo.net/m/0ymn.htm)を見ると、ブーランジェ鉱は載っておらず、毛鉱だけが挙げられています(すぐそばの鈴庫鉱山には、逆に毛鉱が載っておらず、ブーランジェ鉱があげられている)。けれども、同じサイト内の、「日本のブーランジェ鉱の産地」リストの2012年には黄金沢鉱山がでていますので、両方とも産出が確認されていることがわかりました。

松原聰著『鉱物観察ガイド』(東海大学出版会、2008年)の鈴庫鉱山の項内(p.137)に、ちょうど「ブーランジェ鉱と毛鉱」というコラムがあります。それによると、両者は実はスケールがかなり違い、どちらかというとブーランジェ鉱のほうが毛のように細くて、毛鉱のほうがずっと大きく針状であるらしい。

さらに、方鉛鉱があるような鉛の多い環境ではブーランジェ鉱が多く、黄鉄鉱やアンチモン鉱物の多い環境では毛鉱が多いという傾向がみられるそうです。化学式を見ると、ブーランジェ鉱の成分は硫黄>鉛>アンチモン、毛鉱の成分は硫黄>アンチモン>鉛>鉄であることが分かりますね。

写真の右側の大きな光っている金属は方鉛鉱で、その周囲と中にも毛状の鉱物があるので、これはブーランジェ鉱だろう、と判断したわけです。もちろん、あくまでそういった傾向がみられるとのことなので、時には方鉛鉱のそばに毛鉱がついてることだってあるでしょうけど、見た目だけで判断するのは困難らしいので、まあとりあえずはブーランジェ鉱ということにしておいていいのではないでしょうか(適当)。

 

ブーランジェ鉱は、1837年、ノルウェーの化学者タウロウ(Moritz Christian Julius Thaulow: 1812-1850)によって、この鉱物の分析をしたフランスの鉱山技師シャルル・ブーランジェ(Charles Louis Boulanger: 1810–1849)にちなんで命名されました。

アンチモン系の鉱物は、輝安鉱にしてもベルチェ鉱にしても、金属のくせに針状・毛状になることが多いのはなんででしょうね。見た目が面白いので、見つけるとすごくわくわくします。まだ見つけたことのない毛鉱も探してみたいですね。

 

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