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2021年1月17日 (日)

黒鉱?(神奈川県足柄下郡湯河原町新崎川流域)

kuroko(black ore) 硫化鉱物

 

湯河原の山の林道で見つけました。何度か訪れているところなのですが、今までなかった林道が新しく作られていて、その起点の広場で、このあたりで見たことのない石がたくさん転がっているのを見つけました。林道の工事に伴って、別の場所から持ってきたものかもしれません。その林道が続いていると思われる先に、林道を切り開いた際にできたと思われる見覚えのない露頭が見えたので、そこの石かも?(確認はしてません)

真っ黒で、手にとってみると非常に重く、金属のかたまりのように見えましたので、数個拾ってきました。

林道で拾ったものなので、出所もあやしいですし、普段だったら拾わないのですが(最初見た時は実際スルーした)、ちょっと面白い石だったので、ここで取り上げることにしました。

新崎川流域のいくつかの沢で石を探したことがありますが、どこでも硫化鉱物はまったく見たことがありません。面白そうな鉱物といえば、せいぜいかんらん石くらいで。。。(伊豆の海岸で見られるのとそっくりな、穴のあいた軽い火山の噴出物が多い。箱根や幕山の噴火に由来するものだと思いますが)。

 

Kuroko_yugawara_01

Kuroko_yugawara_04

Kuroko_yugawara_06

 

ネオジム磁石に弱くくっつきます。場所によっては、磁鉄鉱のように強くつきます。

1枚目の写真の石を見た時、閃亜鉛鉱かなとも思いましたが、自信なし。ともかく、なんらかの硫化鉱物であることは間違いないとは思いますが。。。ところどころ丸い穴が空いていて、3枚目の写真のように、穴の中には尖がった牙のような結晶(?)があります。葉片状になっている部分もあります。3枚目の写真の、薄青白く球状だったり薄い板状の部分はなんだろう、重晶石だろうか。

 

Kuroko_yugawara_05

 

この球状のかたまり(とその下)は、黄銅鉱に見えますね。こういうさまざまな硫化鉱物(黄銅鉱、黄鉄鉱、赤鉄鉱、閃亜鉛鉱など?)が混ざり合って集合しているような感じ。緻密な黒っぽい金属のかたまりです。

 

Kuroko_yugawara_02

Kuroko_yugawara_03

 

こんな針状・板状の結晶もありました。こちらは金属でなく、透明感があります。

1枚目の針状結晶の先端には、金属の小さな球がくっついていて、かわいい(写真ではちょっと分かりづらいですが)。1枚目にも2枚目にも、先端を斜めに切り落としたような板状の結晶が見えます。これは、石膏じゃないだろうか。

以前書いた、石膏?(山梨県都留市宝鉱山)の石を思い出しました。この真っ黒で重たい鉱石は、もしかしたら黒鉱といわれるものではないだろうか。粒状の黄鉄鉱とか、何となく雰囲気も似てる。

黒鉱とは、海底の熱水噴出孔周辺に沈殿した硫化物からできた鉱石のことで、主に日本海側に多いようです。熱水噴出孔付近にはその熱や噴出物中の化学物質に依存した生物が多く生息しており、特に不思議な生態・形態をしたチューブワームで有名ですね。閃亜鉛鉱、方鉛鉱、黄銅鉱、黄鉄鉱、四面銅鉱、重晶石や石膏、それに金や銀なども含み、20世紀に入って混ざり合った成分を抽出する技術が確立されてからは、日本では重要な銅・鉛・亜鉛の資源として多く採掘されていた鉱石です(現在ではもう採掘している鉱山はない)。英語でも、「kuroko」といいます。

太平洋側では、伊豆・小笠原の火山フロントの熱水噴出孔により沈殿したものが、海底の黒鉱鉱床として知られていますし、伊豆にもあります。箱根も、伊豆や丹沢と同様、フィリピン海プレートの北進で本州に付加したのだから、黒鉱があってもおかしくはないですよね。

もし林道のために他の場所から持ってきたものであっても、そんな遠くから運んでくるとは思えないし、鉱山近くの林道で、ズリ石を使用している例もあります(錫高野の林道とかそうですよね)。だから、この近くに黒鉱鉱床があるんじゃないかと想像しているのですが、どうなんでしょうか。気になって、夜も7時間くらいしか眠れません。。。今度ここに来たら、見えていた露頭まで行ってみたいと思ってるんですが、いつになるか。。。

正直、こんなところで見つかるとは思いもしなかったもので、情報もなく、経験も知識も足りない自分には同定などできないのですが、とりあえず面白いものであるのは間違いないと思いますので、取り上げてみました。

 

ところで、新崎川は箱根外輪山の白銀山から流れ出ています。特に見栄えもよくない山で、もちろん雪で白く輝くこともめったにない低い山ですが。。。もしかしたらこの名前、そこで採れた石からきてる可能性もあったり?

 

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