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2020年11月 5日 (木)

銅藍(静岡県下田市稲生沢川流域)

Covellite CuS 硫化鉱物

 

Covelliterendaiji_01

 

河津鉱山由来と思われる、銅藍です。

黄銅鉱、黄鉄鉱などのついた石を割ったところ、黒っぽい藍青色が姿を現しました。最初は黄銅鉱の酸化被膜かとも思ったのですが、よく見ると小さいながらも板状になっているようですので、銅藍であろうと考えました。被膜状や時に六角形の美しい姿をとる銅藍は、あこがれの標本のひとつだったので、汚い川から拾った思いもしなかったこの標本にはびっくりしました。

火山などでも産出することがあるようですが、多くの場合、硫化鉱の二次鉱物として生成されます。銅と硫黄だけの化学式がシンプルでいいですね(鉄などが混じる場合もある)。

鉱物の魅力の大きな要因がその色ですが、青から緑になることが多い銅の二次鉱物は、もっとも好きなもののひとつです。藍銅鉱をメタリックにしたような、時に虹色の光彩をはなつ銅藍は、中でも美しさが際立っていると思います。

人(標本)によってイメージは全然違うと思うけれど、自分的には、白から緑に変化する孔雀石は白い花崗閃緑岩とコケの色。青緑のブロシャン銅鉱は、ちょっと深いサンゴ礁の海の色、あるいはユーシンブルー。藍銅鉱は、高山で仰ぎ見る深い吸い込まれそうな紺碧の空。水亜鉛銅鉱は春のぼんやりと霞んだ淡い水色の空。銅藍はもっと人工的、都会的な金属の色ですね。音でいえば、プリペアード・ピアノって感じかな(現代音楽のジョン・ケージが「発明」した、ピアノの弦にいろんなものをはさんで変な音にする奏法or楽器です。ケージ以外あまり使っている人はいないw ポップス系では、デヴィッド・シルヴィアンと、うみぬこPくらいしか知らないw)。

 

それにしても色というのはなんなのでしょうね。鉱物を構成する元素によって明らかに色は変わってきますが、いろんな色の光を当てれば、表面の色もそれに合わせて変わってきます。また錯視のように、色のないところに色を感じることもあります。

色というのは、物体の表面の性質や光の波長などの物理的な性質ではなく、人間の脳による「感覚」であるという考えが最近あるようです。つまり、もともとこの世界には「色」というものは存在せず、人間の脳が作り出す「概念」であるということでしょうか。。。人間がいなければ今あるこの「世界」は存在しないというとおおげさですが、でもこれは実際その通りなので、人間の可視光とはまったく違う波長しか見えない生物しかいなければ、世界の姿はずいぶん違うわけです。あるいは、光(音、匂い、触覚でも)を認識しない生物しかいない世界であれば、世界の姿はまったく異なるし、光で認識する世界はそこでは存在しないということになる(誰も認識できなければ、存在するとはいえない)。

いやそんなことはない、誰も知らなくても存在しているのだ、という人がいるかもしれない。でもそれは、自分たちがそれが「存在」している、と知ってるからそう思うだけではないか。たとえばAという鉱物があって、ある時点でそのAとそっくりなBという鉱物が見つかったとします。Bという鉱物は、発見され「B」という名前がつけられる前から存在したのか? 存在はしていないと考えられます。それ以前にあったのはAだけで、Bという鉱物は「B」という名前がつけられた時点からしか存在しえない。その違いを認識しない段階では、その違いは存在しないのです。違うことを認識できないのではなく、違いそのものが存在していないのです。

ただ逆にいえば、色というものが「概念」であり物体の色はその物体の物理的性質ではない、としても、色で世界を認識する意識が存在する、ということだけで、色は本質である、ということもいえやしないか。。。認識することそのものが世界を決定するのならば、色で鉱物の種類を視認する意識があることによって、色は本質であると「設定」されるのではないか。。。宇宙とは、常にそのように再設定され続けている、定数など存在していない流動的なものなんじゃなかろうか。。。

 

まあ哲学ごっこも飽きてきたのでもうやめますがw 鉱物の色はなんとも不思議で美しいものであることであることよなあ(古文の授業風に)、と思うわけです。。。

 

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