鈴木石(群馬県桐生市菱町茂倉沢鉱山)
Suzukiite BaV4+Si2O7 珪酸塩鉱物
群馬県・茂倉沢鉱山の鈴木石。。。ではないかと思うのですが、どうでしょうね。
かなり珍しい鉱物だと思いますし、1回しか行っていないところでこんなに簡単に見つかるもんかと疑心暗鬼にもなりますが、分析できるわけもなく、見かけ上はそっくりですので、ここは鈴木石ということにさせてもらおうかと思います。
鈴木石はバリウムとバナジウムが主成分で、まさにここ茂倉沢で発見された鉱物です。発見年も書こうと思ったのですが、なぜか様々なサイトで発見年がばらばらなのはなぜ?(最初の発見地についても、何だかあやふやなところがあります) まあめんどうなので、そのあたりのことは追求するのはやめておきます。いろんな事情があるのでしょう。その事情に興味はあまりないので。
そんなことより、この石の美しさを愛でるほうが、より意味があるのではないかと思います。淡いピンクのバラ輝石の中で、鮮やかなエメラルドグリーンが目にしみます。
ところで、これが鈴木石なのかどうか疑問を感じる理由がもうひとつあって、それは、この石の片割れの方に孔雀石がついていたからです。質感は違いますが、どちらも緑色で、孔雀石はさまざまな姿をとることのある鉱物ですから、これも孔雀石なんじゃないかという疑問があったのです。下の写真は、その孔雀石。
これは明らかに孔雀石ですよね。茂倉沢の孔雀石はどうやらかなり稀産らしく、まあこれはこれでうれしいのですが、やはりどこでも見つかるものよりは初めての鉱物のほうがうれしいのは仕方ない。
こうやって写真に撮ってじっくり眺めていると、その違いもはっきり見えてくるような気がします。孔雀石の方は母岩の表面にへばりついているように見えるけれど、鈴木石のほうはむしろ母岩の中に埋もれているように見えますね。3枚目の写真の鈴木石は、ちょっと孔雀石の部分も混じっているようにも見える。。。
こうやって悩むのも、鉱物の楽しみのひとつかもしれません。
« スコレス沸石(山梨県道志村道志川流域) | トップページ | テルル石?(静岡県下田市稲生沢川流域) »
「▽珪酸塩鉱物」カテゴリの記事
- 灰鉄柘榴石(群馬県利根郡川場村川場鉱山)(2022.06.30)
- 閃石類?(神奈川県南足柄市足柄山地)(2022.06.11)
- 鉄礬柘榴石(茨城県北茨城市華川町花園)(2022.05.18)
- 灰鉄輝石(長野県川上村甲武信鉱山)(2022.05.08)
- 種山石?(埼玉県飯能市岩井沢鉱山)(2022.04.17)
「〇群馬県」カテゴリの記事
- 灰鉄柘榴石(群馬県利根郡川場村川場鉱山)(2022.06.30)
- 緑鉛鉱(群馬県沼田市戸神山)(2022.05.27)
- 緑閃石(群馬県藤岡市八塩鉱山)(2021.01.09)
- コーリンガ石(群馬県藤岡市八塩鉱山)(2020.11.30)
- 水苦土石(群馬県藤岡市八塩鉱山)(2020.11.08)
コメント