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2020年8月13日 (木)

輝蒼鉛鉱(山梨県大月市大月町本沢鉱山)

Bismuthinite Bi2S3 硫化鉱物

 

Bismuthinite_honzawam_01

Bismuthinite_honzawam_02

Bismuthinite_honzawam_03

 

大月市の本沢鉱山跡の沢で採集した、輝蒼鉛鉱を含むと思われる標本です。

ここでよく見られる不透明な石英の塊を割ったところ、内部に銀色の鉱物が集まっていました。

「含むと思われる」と書いたのは、自信がないからです。ここでは、自然蒼鉛、輝蒼鉛鉱、ホセ鉱、硫砒鉄鉱、黄鉄鉱などが産出するらしいですが、どれも似たような見かけばかりなので。。。ところどころ青っぽく見える部分は、方鉛鉱でしょうか? 蒼鉛は、名前とは異なり、青っぽくなることはないみたいです。銀白色の部分が輝蒼鉛鉱ではないかと思うのですが、硫砒鉄鉱かもしれません。

針でひっかいてみると、結構簡単に削れるので、輝蒼鉛鉱としました(モース硬度は、輝蒼鉛鉱=2-2.5、硫砒鉄鉱=5-6)。

自然蒼鉛も期待したのですが、自然蒼鉛のわずかに赤味がかった銀色ではないようです。

 

3枚目の写真の箇所については、銀色の上に付着している緑がかった部分は泡蒼鉛、蒼鉛土の類ではないかと思うので、この銀色も、輝蒼鉛鉱ではないかと考えました。

1枚目の写真の右側には、こんな部分もありました。下はその拡大。

 

Bismuthinite_honzawam_04

 

波打った層状の断面のようなものがありましたが、これも蒼鉛関係でしょうか。石を割ってすぐは、にぶく銀色に輝いていたのですが(ただし、輝蒼鉛鉱と思われる部分の銀色とはちょっと違う)、数日で変色して輝きが失われました。小さくへばりついている銀色の箔状の部分は、輝きは変わりません。ちょっと赤味が入っているようにも見えますが、うーん、これだけで自然蒼鉛としての項目を立てるほどの自信はありませんねw 元素鉱物はぜひ増えて欲しいんですけどね。

左上の白いのは蒼鉛土の類に見えますが、どうでしょうね。金色に輝いているのは、黄鉄鉱でしょうか。蒼鉛と接して産出することはあるのかどうか、分かりませんが。

 

大月から真木川を遡る林道(舗装されていて立派)をずっと上っていくと、小金沢連嶺の黒岳と、雁ヶ腹摺山をつなぐ大峠に行き着きます。そのほんの少し下流、黒岳側から流れ込む小さな沢が、本沢鉱山跡です。林道が沢を渡るところでは、大量のズリ石が林道を埋める勢いで流れてきたのか、石を沢から掘りあげて脇に積んだようなあとが。つまり、林道のすぐ脇で、ズリ石を探すことができるような状況になっています。

沢の奥にも入ってみましたが、鉱山のあった跡のようなものは見つからず。露天掘りだったのかな? 短い沢で、ちょっと奥に入っただけですぐに急峻になっていくので、落石の危険が大きく注意したほうがいいかも。

 

Honzawam_01Honzawam_02

左:本沢鉱山の沢。右:白谷丸から雁ヶ腹摺山

 

大峠には駐車場があり、雁ヶ腹摺山にはせいぜい1時間程度で登ることができます。頂上付近はサンショウバラの咲くちょっとした草原になっていて、ここからの富士山の遠景が500円札に使われたことで有名です。

小金沢連嶺の黒岳へも、1時間半程度で登れます。黒岳は以前、山の向こう側、日川側から登ったことがあります。延々と林道を歩き、ずいぶん遠かった印象があるのですが、こちら側からだと、あっという間でした。。。黒岳の頂上はあんまりおもしろくないので、その南の白谷丸か、ちょっと距離はありますが北にある牛奥ノ雁ヶ腹摺山まで行くといいかも。どちらも広い草原になっていて、とてもきれいで気分いいところなのです。

このあたりの山稜上は、草原と、ちょっと秩父っぽい植生の森が交互に現れてくるので、非常に楽しいですね。この印象は、大菩薩、さらに笠取山、雁峠あたりと共通しています。

ところが、笹子峠から南に入ると、急激に秩父っぽさは失われ、御坂の山々になり、雰囲気ががらっと変わります。そこからは、秋山、道志、そして丹沢と連続した印象を受けます。

ちょうど笹子峠が境界になっているような感じです。地質と植生、そこから生じる風景の印象の関係を、肌で感じることができる地域だと思います。

 

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