沸石(静岡県河津町菖蒲沢浜)
菱沸石 chabazite Ca(Si4Al2)O12・6H2O 珪酸塩鉱物
モルデン沸石 Mordenite (Na2,Ca,K2)4(Al8Si40)O96・28H2O 珪酸塩鉱物
束沸石 stilbite NaCa2Al5Si13O36・14H2O 珪酸塩鉱物
ソーダ沸石 Natrolite Na2(Si3Al2)O10・2H2O 珪酸塩鉱物
伊豆・菖蒲沢浜の白浜層の沸石です。タイトルをつけるとすれば、沸石の森かな。
沸石といえば、菖蒲沢浜のすぐ北隣のやんだ浜が特に有名ですが、あちらは潮が引いた時でないと入れません。すぐそばなのに、やんだでよく見る青いセラドン石と玉髄は、菖蒲沢浜の方ではほとんど見られません。かわりに、菖蒲沢浜では、微水晶、銀黒の入った石英と自然金、めのうなどが拾えます。陸で割れた石の中には、金と紛らわしい黄鉄鉱も見られます(鉱床自体は海中にあるようで、表面についた黄鉄鉱は海の水で錆び落ちてしまうらしい)。
沸石は、菖蒲沢浜の左手の岩場で見つけられます(やんだほど広くない)。
写真奥の大きな正方形は菱沸石、毛状はモルデン沸石、真ん中の刀状に先端が尖った集まりは束沸石、右の柱状はソーダ沸石だと思います。
写真に写っているかどうかは不明ですが、この石で一番大きく多かったのは輝沸石だったので、もしかしたら左の大きなぼやけたのがそうかもしれません(そうであれば、5種類の沸石が1画面に入っていることになるので、そういうことにしときましょうかw)
まさに沸石の森というにふさわしいですね。
千葉、神奈川、静岡は、沸石が多いところです(湯河原沸石が世界で最初に発見されたのも、神奈川と静岡の県境でした)。海岸だけでなく、丹沢、静浦山地などでも普通に見られます。沢で石の表面に白い膜のようにへばりついているのは大抵は沸石で、それが空洞などで結晶が成長すると、こんなにきれいな姿になるわけです。
種類も多く、それぞれの結晶の美しさ、さわやかな透明感も魅力的ですが、ありすぎて、「また沸石か」と若干がっかりすることもあったりなかったり。。。(贅沢な)
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