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2020年5月16日 (土)

ベスブ石(長野県川上村甲武信鉱山)

Vesuvianite (Ca,Na)19(Al,Mg,Fe)13(SiO4)10(Si2O7)4(OH,F,O)10 珪酸塩鉱物

 

Vesuvianite_kobushimin_01

Vesuvianite_kobushimin_03

 

鉱物好きには有名な、長野県・甲武信鉱山のベスブ石です。

ねこでいっぱいの湯沼鉱泉で泊まって、ベスブ石目当てで行きましたが、期待を裏切らないきれいな標本が採集できました。美しい結晶という意味では、ここのベスブ石は日本でも最高級ですね(そんなに他の産地を知っているわけではないけれど)。ほうじ茶の葉っぱのような渋い色、透明度もすばらしいし、うちでは珍しく顕微鏡を必要としない大きさですw

2枚目の石は骸晶っぽく成長丘が発達していて、複雑な形になっています。柘榴石に時々こんな感じのものがありますね(甲武信鉱山でも割と見られる)。

このひとかけの石だけ、きれいな結晶でなく、形状がいろいろ変化したベスブ石がいくつもついていて、下の写真も同じ石から。

Vesuvianite_kobushimin_02

 

これはもしかして双晶になってるのかな?(双晶についてはこちら

ベスブ石の双晶はネットで探しても出てこないし、どういう形状になるか分からないんですが、何重か斜めに繰り返し接触したように見えます。

あれだけどこにでもたくさんある水晶の双晶がごく稀なのを考えれば、産地の限られたベスブ石の双晶はすごく珍しいものかも!?

ベスブ石の結晶構造は柘榴石と類縁関係にあるらしく、秩父鉱山などでは、確かにどっちだか分からないようなそっくりな見かけをしています(甲武信鉱山のベスブ石は分かりやすいですが)。柘榴石の双晶というのも、あまり聞いたことないですが、これを調べれば参考になるかも? このくらいしか見つけられませんでした(和田信之、広渡文利、高野幸雄「光学異常を呈するザクロ石の光学性・双晶点群および化学組成」『鉱物学雜誌』13巻6号、1978年)。

 

湯沼鉱泉は何度か行きましたが、遠く八ヶ岳を望める高地で、何度行っても楽しいです。何となく、子どものころいつも行っていた丹沢の山小屋を思い出します。動物がいっぱいいるところとか、匂いとか。。。裏の沢沿いの湿地帯には、季節になると水芭蕉が咲き乱れます(木道が壊れてて歩きにくいけれど)。

甲武信鉱山のあたりの山は岩がちで面白いですが、険しいだけでなく、シャクナゲのヤブの大変さを思い知らされたところでもあります。地形図で歩きやすそうな地形に見えても、地図にあらわれない隠れたキレットやヤブで、想定の数倍の時間がかかります。でも知られていない鉱物ポイントが隠れているかもしれないし、多分、ハマるとこれほど面白い山域はないかもしれません。。。

Kobushim_02Kobushim_01

左:長峰北2200m圏峰の東小尾根岩稜帯。右:同2000m圏峰から、右・小川山、左・金峰山。

 

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