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2020年5月に作成された記事

2020年5月31日 (日)

黒曜石(静岡県伊豆市皮子平)

Obsidian SiO2(H2O) 酸化鉱物

 

Obsidian_kawagodaira_06

 

鉱物ではなく石ころです。

伊豆の天城にある皮子平は、約3200年前に大爆発した東伊豆火山群のひとつで、このへんでは珍しい流紋岩質火山。伊豆で最も激しかった噴火で、西の広い範囲にわたって火山灰が飛び(琵琶湖でも見つかっている)、考古学の縄文後期の年代指標としても使われています。天城山稜の戸塚峠すぐ北にある火口跡から現在の筏場南端まで、約4kmにわたって溶岩流が流れ、さらに火砕流が駆け下りました。地形図を見ても、現地で見ても、溶岩の流れた痕、その両端と先端が切り立っているさまがはっきりとわかります。

火口周辺の広い範囲にわたって黒曜石が散らばっているので、噴火で火山ドームが形成され黒曜石ができたあと、さらに爆発的噴火で周囲に吹き飛ばされたのではないかと思います。北の溶岩流上の林道や天城主稜線上だけでなく、西の大見川を挟んだ対岸の尾根上にも結構大きなかけらがごろごろしています。

傾斜の緩い溶岩流上は今ではその多くが植林地ですが(天城のすべての植林杉の祖先である「精英樹」がある)、上のほうはブナ(伊豆最大といわれるブナがある)、ヒメシャラの森となっていて、稜線から外れていることもあって、人気の少ない別天地です。

北の筏場から、筏場林道、軽石林道(わかりやすい林道名!)などで溶岩流上を歩くか、天城主稜線の戸塚峠から下って行くことになりますが、いずれにせよ、アプローチは結構長くて大変かも。ちなみに火口地点は柵で人工的に囲まれてしまっていて、入れません。

Kawagodaira_01Kawagodaira_02
左:皮子平。右:筏場蛇喰川、皮子平から流れた火山泥流(ラハール)堆積物の崖。

 

ここの黒曜石は、同じ伊豆の柏峠や神津島のもののように真っ黒できれいではなく、白い粒(斜長石の斑晶)が多く入っているのが特徴。割って石器にはしずらい感じで、実際ほとんど使われた形跡はないようです。

顕微鏡で見ると、ガラス質の部分は透き通っていて、中に多くの結晶や気泡のようなもの、石英のかけらのような屈折率が違う面?や虹色の反射が見えて、とてもにぎやかです。深い水の中をのぞき込んでいるようで、とてもきれいですね。構成物としては、斜長石、斜方輝石、角閃石、磁鉄鉱、単斜輝石など。

以下はマクロ写真集。残念ながら、どれがどれかは分かりませんw すべて、ガラスの中に浮いているものです。

 

Obsidian_kawagodaira_01

Obsidian_kawagodaira_04

Obsidian_kawagodaira_03

Obsidian_kawagodaira_02

Obsidian_kawagodaira_05

 

2020年5月27日 (水)

水晶(黄銅鉱含有)(静岡県南伊豆町青野川流域)

石英 Quartz SiO2 酸化鉱物

黄銅鉱 Chalcopyrite CuFeS2 硫化鉱物

 

Quartz_aono_02

Quartz_aono_03

 

針鉄鉱(静岡県南伊豆町青野川流域)と同じ地域で拾った石です。

小さな水晶・針水晶と黄銅鉱が散りばめられており、特に内部に黄銅鉱が内包された水晶が多く見られました。

ここの水晶の透明度は高いので、中身がとてもよく見えます。

ここの鉱床は、湯ヶ島層に属する安山岩質岩石の隙間を充填した浅水性含銅金銀石英脈ですが、黄銅鉱がまず晶出してから、石英がそれらを取り込みつつ成長していった、ということになるのでしょうか。

下の写真には、赤い鉱物の内包物が見えます。なんだろう、赤鉄鉱とかかな?

 

Quartz_aono_01

 

見ていてふと思ったのですが、水晶が内包することになる鉱物を取り込みながら成長するのって、どうなっているのだろう。

普通に考えたら、水晶の表層の部分部分が、周囲の熱水に溶け込んだSiO4を結合させていって、成長していくわけですよね? ある部分に邪魔もの(内包物となる鉱物)があったら、そこの成長は止まって、周りから取り囲むように成長していくのだと思うけど、そうすると成長の度合いが場所によってズレてしまうわけだから、最終的にきれいな水晶の形にならないような気がします。。。

表面が同じ速度で成長していくから、きれいな形の結晶になると思っていたんですが、そうじゃないんだろうか。

でも例えば骸晶というのは、部分部分で成長の度合いが違うから、あんな変な形に成長していくらしいので、成長に邪魔な別の鉱物があったら、やっぱり同じように成長の度合いが違ってしまい、きれいな形にはならないような気がするのだけど、どうなんでしょう。

あるいは、成長する前の「種」の段階で、あらかじめきれいな(あるいは崩れた)形の結晶の「設計図」みたいなものが、すでに形成されていて、たとえ邪魔ものがあったとしても、その「設計図」に沿ってできる限り成長するようになっているとか?(鉱物の「意思」と言い換えれば、SFになるかも。シオドア・スタージョンの『夢みる宝石』はどんな話だったっけなあ)

そういう実験はされたことはないんでしょうか。

人工水晶(水晶に限る必要はないか)を作る際に、わざと邪魔ものを置いておくとどうなるのか(大きさ、邪魔もの鉱物の種類などを変えて)。

割と手軽に成長させられるいろいろな人工結晶があるし、そういう実験があったら、見てみたいなあ。学校の地学部とかで、やってみたら面白いんじゃない?(自分でやれとw)

 

2020年5月26日 (火)

氷長石(長野県川上村甲武信鉱山)

Adularia KAlSi3O8 珪酸塩鉱物

 

Adularia_kobushim_01

 

結晶の形から、透明な氷長石の結晶だと思います。

長石はいろいろな種類がありますが、氷長石は、カリウムを主成分とするカリ長石のグループに含まれる、正長石の仲間です。

ネット上や鉱物の本にある甲武信鉱山の氷長石の写真を見ると、大きな白濁した標本ばかりで透明なものはほとんど出ていませんが、顕微鏡サイズだとこんな透明なものもあるんですね(ちなみに、この石は氷長石の出るポイントではないところで拾ったものです。どこだったかなあ、その近くの緑水晶のポイントだったか)。

英名のアデュラリアは、イタリアに近いスイス南部のアデュラ山からきています。イタリアでアデュラ山というと、その山域の最高峰3402m峰のこと。ドイツ語だと同峰はラインヴァルトホルンといい、アデュラといえば、アデュラ・アルプスという広い山域のことを指すとか。ややこしい。

この石を最初に報告したのはイタリアの自然研究者、建築家のエルメネジルド・ピニ(1739-1825)ですが、スイスを旅行中に手に入れたとのこと。どちらの意味でアデュラと名付けたんでしょうね。現地の人にどこで拾ったか聞いたら「ああこれはアデュラのあたりの沢で拾ったんじゃよ」(UFO特番のインタビュー吹替風に)みたいな? ところで、ゲーテはこのピニとミラノで会ったそうですが、その時に氷長石を見せてもらったようです。ハルツ旅行中に輝く真っ白い方解石を見つけて「ピニのもっていた氷長石を思い出した」と日記に書いています(木村直司編訳『ゲーテ地質学論集・鉱物篇』筑摩書房、2016年)。鉱物の話題で盛り上がったんでしょうねぇ。

自然研究者、科学・数学分野の専門家であり文学者でもある人物といえば、日本の寺田寅彦、ペルシャのオマル・ハイヤームなどがいますが、やはりゲーテはちょっと他に比べるもののない一頭地を抜く存在です。さらに政治家でもあるというのは、ちょっと想像を越えています。

自分は学生のころ、ドイツ詩の授業(山口四郎先生)をとっていましたが、ゲーテの詩ほど完璧に詩形にのっとり、なおかつ想像喚起力に満ち溢れたものは他にはないなあと思ったのを覚えています。またいまでも覚えている数少ないドイツ語の授業で、物理学者のハイゼンベルクのゲーテについての講演を取り扱ったものがありました。ゲーテの原植物(Urpflanzen)について、DNAを思わせるなどと語っていたのがすごく印象的でした。考えてみれば、DNAは原植物であると同時に原動物でもあるわけで。。。(ゲーテにとっての原植物が観念論でなく現実に存在するはずだという考え方は、あくまでフィールドワークを中心としたゲーテらしいところで、好きだなあw)

岩石については、ゲーテはヴェルナーの影響で水成論をとっていたようですが、フンボルトの火成論以降はかなり揺れていたようです。ちょうどそういう時代だったということでしょうね。光の粒子論と波動論もそうですが(ゲーテの色彩論)、定説が確立していない時代に生きていたら面白かっただろうなあと思います。

 

まあ一言でいうと、楽しそうに採集旅行にいそしむゲーテは、鉱物好きにとっては偉大な大先輩なのですw

 


2022/7/24追記

甲武信鉱山の普通の氷長石の写真を追加。

ここの鉱物は、顕微鏡写真には向いてないですね、結晶が大きすぎて。

 

Adularia_kobushim_03

 

甲武信鉱山は楽しくて、いつも時間を忘れて山の急斜面をさまよってしまいます。頂上近くでものすごい雷と雹に出くわしたり、たくさんのねこたちとの思い出もたくさん。未だに見つけられていないものもいくつかあるので、まだこれから湯沼鉱泉にはお世話になるだろうと思います。現在、新コロの影響でかなり厳しいみたいですが、まだまだ元気でいてほしいですね。

 

2020年5月23日 (土)

藍鉄鉱?(東京都檜原村三頭山)※

Vivianite Fe2+3(PO4)2・8H2O 燐酸塩鉱物等

 

Biotite_mitousan_03

Biotite_mitousan_02

Biotite_mitousan_01

 

2020/5/23追記

ネットで、これとそっくりの写真を見つけました。

もしかして、藍鉄鉱か?(電子顕微鏡室/Electron Microscope Section、東京大学物性研究所)

説明中にある「土壌や粘土中に球果状に集合してノジュールで産出することが多く」という状態に該当するわけですね。

デジタル鉱物図鑑の説明に、「堆積岩中、低-中熱水脈より産出」とあります。そういえば、三頭山の頂上から東の稜線上、チャートが多かったっけ。。。

とりあえず、自信ないけれどもタイトルとカテゴリーを変更します。

 

 

以前の記事


2020/4/28

黒雲母(東京都檜原村三頭山)

biotite K(Mg,Fe2+)3(Si3Al)O10(OH,F)2 珪酸塩鉱物

奥多摩の三頭山で拾った石です。

石目当てというわけではなく、普通に山登りに行って、三頭山に登った記念にと、足元にあった何となく惹かれた石を拾いました。泥まみれで、家に帰ってからもずっと置きっぱなしになってたのですが、数か月たってからふと思い立って、洗ってみたところ・・・固まっていた泥が思ったよりも厚く、それをどんどん流れ落としていくと、多くの小さな水晶が姿をあらわして、びっくりしました。

そういえば、現地に三頭山の地質の説明で貫入岩体で石英閃緑岩が云々と書いてあったな、と思い出しました。

奥多摩方面はあまり行ったことがなく(そんなに魅力を感じたことがなかった)、そのあたりの地質に関する知識もほとんどなかったので。。。

ルーペで見てみると、黒い球状のものがたくさんついているのに気づきました。

多分、黒雲母が球状に集合したものではないかと思います。3枚目の写真の右下に、半分に割れて断面が見えているものがあります。その質感が、明らかに雲母にしか見えなかったのでそう考えましたが、どうでしょう。雲母が丸くなっているのではなく、板状の雲母が集合して、まるで牡丹の花のようになっているのが、なかなか趣きがあっていいですね。

いずれにしても、こんな風にきれいな球状に集まった雲母は初めてみますが、そういえば小川山で花びらのように咲いた白雲母のついた石を拾ったことがあります。

ネットで探しても似たようなものは出てこなかったけど(雲母が球状のかたまりになったものはあった)、そんなに珍しいってわけでもないのかな?

雲母ってどこでも見つかるし、あまり注目することはなかったけれど、なかなか奥深いかもしれない。。。

 

ポスンジャク石(栃木県日光市小来川鉱山)

Posnjakite Cu4(SO4)(OH)6・H2O 硫酸塩鉱物等

 

Posnjakite_okorogawam_02

Posnjakite_okorogawam_01

 

薄い水色の、細長い鱗片状のものがポスンジャク石だと思います(青の強い塊状に見える部分は、ラング石かも)。

銅鉱床の二次鉱物で、カザフスタンの中央部、鉱物資源の豊富なカラガンダ州のヌラタルディ(Nurataldy)で、初めて確認されました。草下英明の『鉱物採集フィールドガイド』によると、世界で二番目に報告されたのが、ここ、小来川鉱山だそうです。

変な名前ですが、この鉱物の合成実験をしたロシア人地球化学者・ユージン・ヴァルデマー・ポスンジャク(Eugene Valdemar Posnjak〈1888–1949〉)にちなんで1967年に命名されたとのこと。この人については調べてもよくわかりません。

銅の二次鉱物は、青や緑や白できれいなのですが、どれも似ていて、よくわかりませんね(まあすべての鉱物がよくわからないんですけどw)。

ポスンジャク石と同質異像(化学組成は同じで結晶形は違う)なのがラング石ですが、この二つの違いは、ポスンジャク石が鱗片状、ラング石が四角い感じ、とのこと。でもネット上で調べてみると、産地の違いなのかわかりませんが、どう見ても逆なんですけど。。。という例が散見されます(色も水色から緑がかったものまで幅があるが、これは写真の具合かもしれないしなんともいえない)。

もともと鉱物の結晶の形にもいろいろ変化がありますし、毛状のものが集まって板状になったり、板状のものが集まって丸くなったり、固まりになったり、実物の色もちょっとした組成の違いで全然変わってきたり、目で見ただけではわかるわけないよなあ、と感じることが多いです。結局化学組成を分析機器で調べたりしないとほんとのところは分からないわけで、それができない自分は、もう雰囲気でいいんじゃないか、という気にもなってきますw

それでもこうやって色々調べるのは、個人的であってもネットに載せる以上、あんまり適当なことは書けないかな、と思ってのことなのですが、どうせそんな大勢が見るわけでもないし、やっぱり自己満足でいいんじゃないかとも思います。

あと20年くらいすれば、安いハンディ組成分析器とか、Amazonで買えるようになるかも?(需要ないかな?) 自分はちょっとそこまで時間がないかもしれないけどw

 

2020年5月22日 (金)

錫石(茨城県城里町錫高野)

Cassiterite SnO2 酸化鉱物

 

Cassiterite_suzukoya_01

 

錫高野で拾った錫石です。いかにも正方晶系という形がもえますね。

高取鉱山は鉄マンガン重石(タングステン鉱石)、錫石などをメインに採掘していた鉱山です。今でも、ズリで鉄マンガン重石と錫石はよく目にすることができます。どちらも地味な鉱物ですが、この質感には水晶などとはまた違う重厚な魅力があります。

ここは車でアクセスしやすいので、鉱物目当ての人も割と見かけます。ズリもあちこちにあって広いし、危ないところもそんなにない感じなので、気軽に探しに来れるんでしょうね。小さなスコップだけを持って軽装で歩いている人もいるし、ちょっと水晶でも探しに行くか、みたいな?

こういう場所が近くにあったら、ひょいひょい通っちゃうでしょうね。

 

 

そういえば、スズといえば、スズヤベーカリーですね(いや違う)。

石に関しては特に他の人に向けて発信する気など毛頭なかった自分が、このブログを作ろうと思ったきっかけは、アニメにもなったマンガ『恋する小惑星(アステロイド)』(Quro作)です。わかる人はすぐわかったと思いますが、当然ブログのタイトルもそこからきてますw

高校の地学部が舞台のマンガで、小惑星発見という夢をかなえようとする主人公二人と、地学部(天文部と地質研究会が合併して地学部になった)の地学系女子たちをめぐる話で、あちこちに地学的ネタがもりこまれています。

『まんがタイムきららキャラット』(芳文社)という雑誌で今も連載されてます。例えば以前同誌で掲載されていた『けいおん!』は軽音楽部が舞台ですが、別に音楽がテーマになってるわけでなく、単なる舞台設定にすぎないけれど、『恋する小惑星(アステロイド)』はそうではなく、まさに地学そのものが一番重要なテーマになっていて、そこが一番の魅力。天文、地質、地理、さらに気象など、別々の興味を持った子たちが、一見全然違う分野のように見えるものが、けっして無関係ではないことに気づいていくところも、すごく共感できます(自分もそうやって、興味を広げてきました)。

国土地理院に行って、目をきらきらさせる女子高生なんてはたして実在するのか。まさに非実在青少年 (笑)(でも自分は、街のくねくねの小径を見て川をふさいだ跡だとうれしそうに説明してくれる女性を知っているのだ。だから、多分実在すると思う。してほしいw)

内輪ネタで、掲載誌の「まんがタイムきららキャラット 」を「マイカ・タイム雲母(きらら)カラット」とパロるというギャグを見て、やるな! と思いましたね(雲母は英語でmica、日本の古語で岐良々〈きらら〉)。

作者(それと非常に出来のよかったアニメの制作も)の、地学に対する思いが、伝わってきます。本当に好きなんでしょうね。だから、桜先輩の地質標本館で標本に見入る姿や、部の会報をみんなで作っていく様子など見ていて、やっぱり自分も何かしたいなあと思えてきたのです。もうひとえに『恋する小惑星(アステロイド)』のおかげです。

一応、ここを作るきっかけを書いておいてもいいかなと思ったので、載せておきますね。

(ちなみに、地質班の副部長は桜井美景(みかげ)という名前で、多分櫻井欽一と御影石からきてるのかも?)

(あ、スズヤベーカリーっていうのは、主人公の友だちの実家のことねw)

 

2020年5月20日 (水)

チタン鉄鉱(山梨県甲州市柳沢峠)―B2

Ilmenite Fe2+Ti4+O3 酸化鉱物

 

Ilmenite_yanagisawa_02

Ilmenite_yanagisawa_01

 

前回・閃亜鉛鉱?(山梨県甲州市柳沢峠)からの続きです。

六角形を基本とした形状で、磁鉄鉱ほどではないとしても、結構強い磁性を持っています。

ということはやっぱりどこか上流にペグマタイトが露出しているところがあるってことですね。

このあたりの地質を大きく見ると、甲府花崗岩体の徳和バソリスに属します(広範囲に地下深部でできた花崗岩などが地表に露出しているものをバソリスという)。徳和バソリスは、御坂峠周辺(藤野木・愛川構造線)を南限として、そこから北上し、雁ヶ腹摺山・黒岳、大菩薩峠、柳沢峠、雁坂峠、甲武信岳、大弛峠、さらに南下して琴川ダムあたりまで含む、広い範囲です。御坂峠から大弛峠まで延々と稜線を繋いだイメージですね。

徳和というと、乾徳山や黒金山の登山口として知られていますが、乾徳山や黒金山自体は徳和バソリスではありません。

ところで黒金山という山名も、鉱物好きにとっては、ちょっと気になります。場所的には鉱山等あってもまったく不思議のないところですが、そういう話を聞きません(黒金山から稜線ぞいに国師岳方面に向かうと、デュモルチ石で知られる京の沢があります。一度行ってみたいんですが、距離もあってビバーク必須か。。。)。

『和名類聚抄』の宝貨部に、「銕[𨮘鉄附]説文云銕[他結反和名久路加禰此間一訓禰利]黒金也唐韻云𨮘[音賓]𨮘銕為刀甚利」とあるので、 黒金とは銕=鉄のことです。鉄鉱石として使われた、赤鉄鉱、磁鉄鉱、針鉄鉱、鱗鉄鉱、菱鉄鉱などの鉱山があったのかもしれません。

徳和バソリスの花崗岩は磁鉄鉱が多いそうですが、大菩薩の周辺は泥質岩に接しているためチタン鉄鉱が多いとのこと(TreckGEO大菩薩峠)、柳沢峠も同じということかな。

ネットで調べていて、柳沢峠の古い水晶坑のことが出ている文献がありました。「…柳沢峠付近のペグマタイト中(古い水晶坑)でソウ長石の 内部に点在する緑レン石に黒色のカツレン石がはめこまれて産する…」(木村幹「東洋産含希元素鉱物の化学的研究(第56報)山梨県大菩薩峠産カツレン(褐簾)石」『日本化学雑誌』第81巻第8号、1960年)。これだけです。こちらにはチタン鉄鉱についての記述はありません。

『日本希元素鉱物』は実際に実物を見たわけでないので、引用しづらかったのですが、Amazonで見てみたら中古も何点かあるのだけれど、すべて10万円前後でした。うん、買えませんねw

 

閃亜鉛鉱?(山梨県甲州市柳沢峠)―B1

Sphalerite ZnS 硫化鉱物


Sphalerite_yanagisawa_01

Sphalerite_yanagisawa_02

 

青梅街道を、奥多摩湖から丹波山を経てずっと西に進むと、柳沢峠の山越えで、甲府盆地に入ります。

この石は、その柳沢峠付近の沢で拾ったものです。

峠のすぐそばには以前ここでも取り上げた鈴庫鉱山のある鈴庫山、武田の金山で有名な黒川鶏冠山、大菩薩などがあり、何か出てもおかしくないと思うのですが、特に「出る」とされているポイントではありません。ただ、地図を見ていて、ちょっと気になったところでした。

山梨の峠と鉱物」というサイトで、柳沢峠の項目に『日本希元素鉱物』が引用されています。「柳沢峠のすぐ西の沢に水晶坑跡がありこのペグマタイト中に褐レン石、緑レン石チタン鉄鉱があり、内部が褐レン石で表面が緑レン石になっているものも産する・・・・沢をパンニングすると灰重石がみられる」(長島乙吉、長島弘三共著『日本希元素鉱物』長島乙吉先生祝賀記念事業会、1960年)。

このひとかけの石(花崗岩)はペグマタイトっぽいんですが、他には一切見かけなかったので、ごくごく狭い範囲に露頭がある、あるいは以前はあったのか。。。または全然違う場所なのか。人のいた痕跡はあったけれど、鉱山のものかどうかは分かりません(時代を考えると、もっと新しいものっぽかったので多分違う)。大菩薩のペグマタイトでは褐簾石が見つかるそうですが(まだ探しに行ったことはない)、その脈が柳沢峠付近まで続いているのでしょうかね。

 

写真の石は、多分、閃亜鉛鉱、べっこう亜鉛といわれるものだと思いますが、どうでしょうね(べっこう亜鉛は初めて)。断口は貝殻状でした。

この石には他に、磁鉄鉱、煙水晶(石英)、白(?)雲母の小さなかけらがついていました。見つけたあと、沢をしばらく遡行したのですが、他は特になし。黒川鶏冠山に行った帰りだったので、ちょっと時間がなかった。

でも、もうちょっと探索してみたい感じです。もし『日本希元素鉱物』 に出ていたところなら褐簾石が、そうでなくとも、大きめの水晶ももしかしたらあるかもしれない。。。

 

。。。と思っていたんですが。磁石に明瞭に反応するし黒い粒だから磁鉄鉱だと深く考えていなかったのですが、調べているうちにチタン鉄鉱も磁石に反応するらしいと知り(今まで見たことなかった)、よくよく眺めなおしてみたら、これがどうやらチタン鉄鉱で間違いないようです(そのうち別項を立てて紹介するつもりです)。

これは早く再確認しに行かないと。。。

 

2020年5月19日 (火)

沸石(静岡県河津町菖蒲沢浜)

菱沸石 chabazite Ca(Si4Al2)O12・6H2O 珪酸塩鉱物
モルデン沸石 Mordenite (Na2,Ca,K2)4(Al8Si40)O96・28H2O 珪酸塩鉱物
束沸石 stilbite NaCa2Al5Si13O36・14H2O 珪酸塩鉱物
ソーダ沸石 Natrolite Na2(Si3Al2)O10・2H2O 珪酸塩鉱物

 

Mordenite_shobusawa_01

Mordenite_shobusawa_02

 

伊豆・菖蒲沢浜の白浜層の沸石です。タイトルをつけるとすれば、沸石の森かな。

沸石といえば、菖蒲沢浜のすぐ北隣のやんだ浜が特に有名ですが、あちらは潮が引いた時でないと入れません。すぐそばなのに、やんだでよく見る青いセラドン石と玉髄は、菖蒲沢浜の方ではほとんど見られません。かわりに、菖蒲沢浜では、微水晶、銀黒の入った石英と自然金、めのうなどが拾えます。陸で割れた石の中には、金と紛らわしい黄鉄鉱も見られます(鉱床自体は海中にあるようで、表面についた黄鉄鉱は海の水で錆び落ちてしまうらしい)。

沸石は、菖蒲沢浜の左手の岩場で見つけられます(やんだほど広くない)。

写真奥の大きな正方形は菱沸石、毛状はモルデン沸石、真ん中の刀状に先端が尖った集まりは束沸石、右の柱状はソーダ沸石だと思います。

写真に写っているかどうかは不明ですが、この石で一番大きく多かったのは輝沸石だったので、もしかしたら左の大きなぼやけたのがそうかもしれません(そうであれば、5種類の沸石が1画面に入っていることになるので、そういうことにしときましょうかw)

まさに沸石の森というにふさわしいですね。

千葉、神奈川、静岡は、沸石が多いところです(湯河原沸石が世界で最初に発見されたのも、神奈川と静岡の県境でした)。海岸だけでなく、丹沢、静浦山地などでも普通に見られます。沢で石の表面に白い膜のようにへばりついているのは大抵は沸石で、それが空洞などで結晶が成長すると、こんなにきれいな姿になるわけです。

種類も多く、それぞれの結晶の美しさ、さわやかな透明感も魅力的ですが、ありすぎて、「また沸石か」と若干がっかりすることもあったりなかったり。。。(贅沢な)

 

2020年5月16日 (土)

ベスブ石(長野県川上村甲武信鉱山)

Vesuvianite (Ca,Na)19(Al,Mg,Fe)13(SiO4)10(Si2O7)4(OH,F,O)10 珪酸塩鉱物

 

Vesuvianite_kobushimin_01

Vesuvianite_kobushimin_03

 

鉱物好きには有名な、長野県・甲武信鉱山のベスブ石です。

ねこでいっぱいの湯沼鉱泉で泊まって、ベスブ石目当てで行きましたが、期待を裏切らないきれいな標本が採集できました。美しい結晶という意味では、ここのベスブ石は日本でも最高級ですね(そんなに他の産地を知っているわけではないけれど)。ほうじ茶の葉っぱのような渋い色、透明度もすばらしいし、うちでは珍しく顕微鏡を必要としない大きさですw

2枚目の石は骸晶っぽく成長丘が発達していて、複雑な形になっています。柘榴石に時々こんな感じのものがありますね(甲武信鉱山でも割と見られる)。

このひとかけの石だけ、きれいな結晶でなく、形状がいろいろ変化したベスブ石がいくつもついていて、下の写真も同じ石から。

Vesuvianite_kobushimin_02

 

これはもしかして双晶になってるのかな?(双晶についてはこちら

ベスブ石の双晶はネットで探しても出てこないし、どういう形状になるか分からないんですが、何重か斜めに繰り返し接触したように見えます。

あれだけどこにでもたくさんある水晶の双晶がごく稀なのを考えれば、産地の限られたベスブ石の双晶はすごく珍しいものかも!?

ベスブ石の結晶構造は柘榴石と類縁関係にあるらしく、秩父鉱山などでは、確かにどっちだか分からないようなそっくりな見かけをしています(甲武信鉱山のベスブ石は分かりやすいですが)。柘榴石の双晶というのも、あまり聞いたことないですが、これを調べれば参考になるかも? このくらいしか見つけられませんでした(和田信之、広渡文利、高野幸雄「光学異常を呈するザクロ石の光学性・双晶点群および化学組成」『鉱物学雜誌』13巻6号、1978年)。

 

湯沼鉱泉は何度か行きましたが、遠く八ヶ岳を望める高地で、何度行っても楽しいです。何となく、子どものころいつも行っていた丹沢の山小屋を思い出します。動物がいっぱいいるところとか、匂いとか。。。裏の沢沿いの湿地帯には、季節になると水芭蕉が咲き乱れます(木道が壊れてて歩きにくいけれど)。

甲武信鉱山のあたりの山は岩がちで面白いですが、険しいだけでなく、シャクナゲのヤブの大変さを思い知らされたところでもあります。地形図で歩きやすそうな地形に見えても、地図にあらわれない隠れたキレットやヤブで、想定の数倍の時間がかかります。でも知られていない鉱物ポイントが隠れているかもしれないし、多分、ハマるとこれほど面白い山域はないかもしれません。。。

Kobushim_02Kobushim_01

左:長峰北2200m圏峰の東小尾根岩稜帯。右:同2000m圏峰から、右・小川山、左・金峰山。

 

2020年5月15日 (金)

緑簾石(透輝石?)(山梨県道志村道志川流域)※

Epidote Ca2(Al2Fe3+)[Si2O7][SiO4]O(OH) 珪酸塩鉱物

(Diopside CaMgSi2O6 珪酸塩鉱物)

 

Epidote_doshi_01

Epidote_doshi_02

 

道志川流域のペグマタイトで拾った緑簾石です。

白いのは微斜長石。右側の結晶は透き通っていてきれいです。最初、透輝石かなとも思ったんですが、ペグマタイトだし、まあ緑簾石だろうということで。。。

このあたりは、昔から登山にはちょくちょく来ていたのですが、石に凝ってから、片っ端から沢に入って水晶の出るポイントを探しました(教えてもらうような知り合いもいないので)。沸石の露頭があったり、大きな金雲母があったり、なかなか楽しい探索でした。結局すごい偶然で水晶のポイントも見つけることができました(山の神様のおかげですね)。

道志の沢は、神奈川側に比べると大分穏やかな印象です。真面目な沢登りなんて、はるか昔の学生の頃にちょこっと経験しただけなんですが、道志の沢はそんな自分でも割と安心して歩けます(もちろん場所による)。

まだまだ探索したいところはいっぱい残っているので、とにかく早く県外に行けるようになってほしいですね。。。

 

Epidote_doshi_03

 

同じ場所で拾った別の石。こちらも白いのは微斜長石、上部の細かい雲母のような欠片は、緑泥石のクリノクロアでしょうか。きらきら渋い緑に光る硬めの泥のような感じで、水晶や微斜長石などを覆っていて、楊枝や釘などでひっかくと削れます。

削っていくと、水晶が顔を出したりします。昔ポケモンにこういうのありましたよねw 地下にもぐって、いろんな色の玉や各種石、化石などを掘りだすのがすごい楽しかった記憶が。。。防御力に特化したメイプルみたいな化石ポケモン好きだったのでw

右側に、名前の通りすだれ状になった緑簾石が見えますが、緑泥石のせいでずいぶん隠されてしまってます。

左側のも緑簾石かな? 

今度楊枝で家でできる鉱石掘りをしてみようw

 


2021/4/1追記

道志の緑簾石の写真追加です。同じ地域ですが、別のポイントで採集したもの。今まで丹沢で見つけた緑簾石の中でも特にきれいなんですが、一面についていて、うまく写真としてまとめられない。。。

 

Epidote_doshi_04

 

この項の、緑簾石とした1枚目右、2枚目のものですが、やっぱりこれは透輝石のような気がしてきました。

というのは、どうも透輝石だと思われる、剣のような形をした板柱状結晶をここで見つけたんですが、それとちょっと似てるんですよねぇ。これもよく見ると下が剣のようにとがっているし(洞戸鉱山の有名な透輝石ともよく似ている)、産状もほぼ同一です(新しく見つけた透輝石らしいものは、そのうち取り上げます)。

各地でいろいろな緑簾石を見て、ようやくそのイメージが固まってきました。

透輝石はさまざまな形状、色があるらしく、見分けるのはかなり難しいらしいです。

以前、緑簾石(神奈川県山北町酒匂川流域)として書いたものも、透輝石のような気がしてきました。緑簾石って感じじゃないですよね。

少しずつではあるけど、自分の見分ける力も成長してきてるのかもしれません。

ということで、タイトルも一応(透輝石?)を加えて、保留状態にしようと思います。

 

2020年5月13日 (水)

ランシー鉱(静岡県下田市高根山鉱山)※

Rancieite (Ca,Mn2+)0.2(Mn4+,Mn3+)O2・0.6H2O 酸化鉱物

 

Ranciite_takaneyamam_01

 

下田市の高根山は、以前紹介したラムスデル鉱の拾える寝姿山のすぐ北。下田市街北のはずれから高根山の沢に少し入ったところに、高根山鉱山跡があります。湯ヶ島層群に相当し、もともとは金や銀をとっていたらしいです。

ここで採集できるランシー鉱は、新鮮なうちは赤銀の金属光沢を持っていますが、マンガン系の鉱物によくあるように、そのまま置いておくと酸化して段々輝きを失い、黒くなります(寝姿山のラムスデル鉱もそうでしたね)。

とてももろいというか柔らかく、石英の間に見つけたこのランシー鉱も、針で軽くつついてみたら、ぐにゃっとつぶれてしまいましたw

心なしか赤みが残っている感じです。つぶれて新鮮な中身が出てしまったのかw もともと塊状だったからいいけど。

 

高根山で一番多いのは石英です。小さな穴を中心として放射状に成長したようなもの(みかんを横に切ったような感じ)や、あちこち虫食いのように穴が空いたような、ひだ状になったようなものが多く見られます(こういうのは抜け殻石英というのかな?)。

大きいものはないけれど、透明度の高い水晶群もよく見つかります。これがとてもきれいなんですよね。小さいほうが透明度が高く見えるのは当たり前ではあるんですが、何だかきらめき方が他の水晶とは違うようにも思えます(小川山の水晶も、同じように感じる)。

このランシー鉱のすぐそばにも小さな晶洞があって、顕微鏡で見ると思わず息をのむような美しさです。

Quartz_takaneyamam_01

 

鉱物好きの人にはもしかしたらそういう人が多いのかもしれませんが、自分は人工的にカットされた宝石には、まったく興味を持てません。それ、別にガラスでいいじゃん、とか思ってしまいます(カット前であれば好きw)。

無骨な岩についた小さな水晶は、別に無理やりカットしなくてもそのままで最高にきれいだし、人為的なダイヤモンドとかよりずっと美しいと感じます。この方が安上がりでいいですねw

また、晶洞をのぞき込むと、きれいな結晶の一部だけが垣間見える、という状況がいいのかもしれません。ハンマーで叩けば結晶が壊れてしまうかもしれないから、のぞき込むように見るしかない、というのが。

手が届いた瞬間に興味を失ってしまうってこともありますしねw

 


2021/2/28追記

もうちょっとましな高根山のランシー鉱の標本を見つけたので、写真をあげますね。

見つけた時はもうちょっと赤味が強かったと思うのですが、太陽光とLED電球の差かもしれません。

やっぱり、それがどういうものかすでに分かっていたから見つけやすかったという面が強いですね。最初は他の人の写真でしか知らなかったので、イメージがつきにくく、見ても気づかなかった可能性もあります。

 

Ranciite_takaneyamam_02

Ranciite_takaneyamam_03

 

ところでランシー鉱の仲間でマンガンの一部がカルシウムになった高根鉱という鉱物がありますが(1971年に発表された日本の新鉱物)、ここ高根山鉱山と関係あるのかと思ったら、愛媛県で発見されたもので、名前は人名由来でした。なんだ、紛らわしいなあ。ここでは残念ながら産出は確認されていないようです。

 

2020年5月12日 (火)

石膏?(山梨県都留市宝鉱山)

Gypsum Ca(SO4)・2H2O 硫酸塩鉱物等

 

00_takaram_01

 

前回記事の含銅アロフェン(山梨県都留市宝鉱山)と同じ、宝鉱山の石。ただし、これは坑道跡上にある、露頭で拾った石です。

鉱石を採掘したところが陥没し、上の地表に、岩に囲まれた窪地ができています。その底に、一面黄鉄鉱で覆われてきらきらと輝く大きな岩がごろごろしています。

Takaram_04Takaram_05

黄鉄鉱は大きな自形結晶はあまり見られず砂のようで、触るとぼろぼろ落ちます。一番最初のマクロ写真の銀色の部分が、その黄鉄鉱。拾ってきた石のひとつに、黄鉄鉱と一緒に白い針状の結晶がたくさんついているものがありました。顕微鏡で見るまで、まったく気づきませんでした。

針状結晶をさらに拡大してみました。透明感のある白い結晶です。

00_takaram_02

 

ネットで見つけた宝鉱山についての古い論文によると、「鉱石は主として黄鉄鉱、閃亜鉛鉱、黄銅鉱、黝銅鉱、方鉛鉱があり、脈石としては石英、重晶石、絹雲母を主とし西方珪鉱地帯には一部石膏を産する」(上田年員「宝鉱山の採鉱法」日本鉱業会誌832号、昭和32年10月)。

黝銅鉱(ゆうどうこう)というのは四面銅鉱の古い和名だそうです。

西方珪鉱地帯というのがどのあたりなのか、ちょっとわかりませんが、この中で唯一あてはまりそうな針状結晶があるのは、石膏だけ。色や透明感など見た感じも違和感は感じませんので、とりあえず石膏?ということにしておこうと思います。

日本における石膏鉱床は、ほとんどの場合黒鉱と関りがあるそうです。これがもし石膏だとしたら、宝鉱山が黒鉱由来であったことを示す今でも目に見えるわずかな痕跡ということになるかもしれませんね。

 

2020年5月11日 (月)

含銅アロフェン(山梨県都留市宝鉱山)

Allophane Al2O3(SiO2)1.3-2.0・2.5-3.0H2O 珪酸塩鉱物

 

Allophane_takaram_01

 

鶴ヶ鳥屋山、本社ヶ丸、三つ峠などに囲まれた谷間に、宝鉱山跡はあります。

有名な三つ峠は、御坂峠側、富士急大月線の三つ峠駅、そしてこの宝鉱山側の三方向からの登山道がありますが、それぞれ難易度はC<B<A級といった感じです。御坂峠側からだと、軽く登ってたらなんかいつの間にかついちゃった的な山ですが、宝鉱山側からだと、標高差、険しさともに、相当なものがあります(もっと変なルートもいくつもあって、すごく面白いところなのですが)。で、苦労して山頂に着くと、軽いハイキング気分の人がいっぱいいて、がっくりくるわけですw

宝鉱山はその三つ峠側でなく、本社が丸側にあります。もともとは黒鉱(海底の熱水噴出孔で生成された金属鉱床)だったそうですが、現在ではその痕跡も見つからず、ただ、封鎖された坑道口などの遺構、掘った部分が陥没して窪地になった露頭(黄鉄鉱などが多い)などが見られます。

その遺構のひとつに、明治時代の、採掘・精錬したあとの残りかす(カラミ)捨て場があります。まるで縄状溶岩のような、流れた跡がそのまま固まったさまや、溶けたカラミを入れていた容器の形がそのまま残ったものなどを見ることができます。

Takaram_02Takaram_03

この銅を含んだカラミが風雨にさらされて、緑の孔雀石、水色の含銅アロフェンなどが生成されています。

アロフェンは粘土鉱物です。まあようするにごく小さな粒々でできた、粘土ってことで、ちょっと触るとぼろぼろ落ちてしまいます。でも、赤茶けたカラミの上にところどころ付着している、鮮やかな水色ははっとするくらいきれいなものです。

 

宝鉱山の丁度上の稜線、鶴ヶ鳥屋山から本社ヶ丸に向かう途中に、索道のヤグラが残っています。鉱山と笹子駅を繋いでいた空中索道の遺構です。

Takaram_01

車輪のプレートには、「玉村式」という文字が読み取れます。

玉村式索道は、日本の索道草創期の技師、玉村勇助によるもので、もとは足尾銅山の技師でしたが、明治40(1907)年に独立して、玉村工務所を開設しています。鉱山における空中索道の専門家です(宝鉱山が精錬を中止し、空中索道で笹子駅まで鉱材を運ぶようになったのは明治42(1909)年)。

「足尾の産業遺跡47 玉村勇助と玉村式架空索道」『広報あしお』平成17年9月号。PDF 日光市足尾総合支所「足尾電脳博物館」https://www.city.nikko.lg.jp/hisho/gyousei/kouhou/backnumber/ashio/documents/1709.pdf(2021.11.23リンク更新)

3ページ目の稼働中の索道の写真は、宝鉱山のものと同じものに見えます。

このさびついた車輪は、手をかけると今でも実になめらかに回ります。こういう優れた技師たちが、日本の鉱山を支えていたんだと、実感する瞬間です。

 

2020年5月10日 (日)

輝安鉱(愛媛県西条市加茂川流域)

Stibnite Sb2S3 硫化鉱物

 

Stibnite_kamogawa_01

 

愛媛県のかの有名な市之川鉱山を流れる市之川が、加茂川に合流してすぐ下の川原で見つけた輝安鉱です。

水晶・針水晶の群落の上に、針状(毛状)結晶がまぎれていました。

毛鉱やブーランジェ鉱、ベルチェ鉱など、肉眼では見分けがつかない似た鉱物(すべてアンチモンの鉱物)もあり、これが一体どれなのか迷いましたが、周囲にもうちょっと太めの輝安鉱や、黄色い黄安華(輝安鉱が酸化して硫黄分が抜けて生成されるアンチモンの二次鉱物。ちなみに輝安鉱はSb2S3〈Sb=アンチモン、S=硫黄〉)がついているので、輝安鉱で間違いないのではないかと考えました。

まさに、顕微鏡でしか見ることのできない不思議な世界ですね。

こちらは同じ石についていた、別の結晶。

Stibnite_kamogawa_03

Stibnite_kamogawa_02

 

市之川は丁度中央構造線の付近に位置しており、その断層による裂け目を充填するように輝安鉱の結晶が発達した、裂罅充填鉱床といわれる産地です。世界でもまれにみる規模の鉱床で、海外の鉱物好きの間でも、日本といえば市之川の輝安鉱、的な感じみたいです。ただし1メートル近くもあるようなすごい結晶がとれたのは、明治のころまでで、日本の多くの鉱山と同様に、昭和中期には閉山しています。

標本の多くは海外に輸出されたらしく、どうも明治のころ、日本はすばらしい鉱物の産出国というイメージがあったみたいですね。当時の海外の輸出業者(石専門ではない)の日記で、日本の水晶はすばらしい! と絶賛されてたりします(どこの水晶だったんだろう、山梨かな?)。

ところでネットを見ていると、「続日本紀」には、飛鳥時代の文武2(698)年七月乙亥 「伊予国献白〇(金に葛)。  」の記事があり、この「〇(金に葛) 」が市之川の輝安鉱ではないかという説もあるそうです。ただ、その時代に市之川の輝安鉱が知られていた、採掘されていたという証拠は一切なく(公式には延宝7年(1679年)に発見された)、伊予国には他にも輝安鉱産地はいくつもあるので、まあ推して知るべしといった感じですね。

 

年始年末に、広島、しまなみ、四国周辺を、宿泊地を決めず、念のためテントも持って車で回ってきました。その時に市之川や関川、別子にも行って(生口島にも寄ったのだけど、最近立ち入りできなくなったらしく大ショック)、拾ったもの。輝安鉱は憧れの鉱物のひとつだったので、市之川から流れてきたものを見つけることができて、大満足でした。

関川もそうですが、普通に街はずれの川原でこんなものを見つけられるのはうらやましいですね(まあ西の人にとっては、秩父とかに気軽に行けるのはうらやましいとなるのかもね)。

 

2020年5月 8日 (金)

藍銅鉱(栃木県日光市小来川鉱山)

Azurite Cu3(CO3)2(OH)2 炭酸塩鉱物等

 

Azurite_okorogawa_01

Azurite_okorogawa_02

 

日光のすぐ南にある小来川鉱山で拾ったものです。

鉱物好きにはバイブル的な存在である草下英明の『鉱物採集フィールド・ガイド』にも出てくる有名な産地ですね。かなり古い本なので、もう産地ガイドとしてはあまり実用的とはいえませんが、小来川鉱山ではまだ現役といっていいでしょう。多くの人が採集に訪れていると思うので、見るべき鉱物がどの程度残っているのか少々疑問ではあったんですが、昨年(2019年)秋に行った時は、それでもかなりの種類のものが見つかりました。

銅の二次鉱物が大好きな人にとっては、まだまだ胸のおどる産地です。青や緑の石がごろごろしてますしね! もしかしたら沢筋では、台風19号の影響で大分かき回されたのが幸いしたのかも?

藍銅鉱の出るズリはごく限られた狭い場所だそうです。それがどこなのか、知らないまま行ったのですが、地形図を見てこの辺に違いないとあたりをつけたところに登ってみると、あちこち掘り返したズリが。。。ああここだなと、すぐにわかりました。みんな掘りすぎw

大きなものは見つかりませんでしたが(期待もしていなかったが)、ルーペサイズのものは運よくゲットできました。

この高い空の色を封じ込めたような透明感のある群青は、探す苦労もどこかに吹っ飛んでいってしまう美しさです。さすが、世界各国で岩絵の具として使われていただけのことはある、魅力的な青ですね。個人的にはFatal Dose Blueと表現したい。

 

ところで、一番上の坑道口のそばに、こんなのが落ちてました。

Okorogawam_01

これは坑道の排水用ポンプのものか、軌道関連のものか、あるいは、坑道内に縦穴があったので、鉱石を引っ張り上げるためのものなのか。。。自分は全然わかりません。

小来川は、このような在りし日の鉱山の様子をうかがわせる遺構もまだあちこちに残っていて、打ち捨てられた廃墟感もなかなか良い感じでした。

こういうのも、鉱山跡をめぐる楽しみのひとつですね。

 

2020年5月 6日 (水)

自然銅(千葉県南房総市平久里川流域)

Copper Cu 元素鉱物

 

Copper_heguri_01

 

千葉県の有名な産地、伊予が岳(千葉県で唯一「岳」のつく山らしい)のふもと、平久里(へぐり)川の支流・荒川で拾ったものです。

周囲に採石場がある小さな川の、小さな滝のそばで見つけました。

斑銅鉱らしき紫や青が散りばめられた中に、箔状で赤銅色にきらめいていて、こういうのを見つけるとどきどきしますね。金や銀もいいけど、個人的には銅の方が好きです。二次鉱物の青や緑も大好物。

Heguri_01

ここで採集できる鉱物は、他に沸石類、方解石、ゾノトラ石、ペクトライト、トベルモリ-石などがあります。結晶した沸石は別として、どれも白い鉱物で似ていて、なかなか判別できないですね。。。

都心から近く、行きやすい産地なので、もう大したものはないかなと思っていたのですが、思ったよりもいろいろなものが見つかりました。少しずつ川岸の露頭が崩れ、その都度川原に新しい石が充填されるのでしょう。

すぐそばの伊予が岳は岩山ですが(低いけど登ると結構面白い)、こことはまったく岩質が違います。

このあたりは、嶺岡オフィオライトと呼ばれる地質地域で、上部マントルから地殻を構成するいろいろな種類の岩の層が切れ切れに重なっていて、地質的にとても興味深いところです(確か伊予が岳か富山に、説明の看板があったような)。フィリピン海プレートによって南の海から北上してきた海洋性地殻が、日本にぶつかって折れ重なりながらのし上がり、陸地になったのが、このあたりの地質です。だから、いろいろ異なった岩質の層が、狭い地域のあちこちに散らばった感じになっているのです。

千葉石(chibaite)という石英に似た新鉱物も、この荒川辺の採石場で発見されたそうです(「新鉱物『千葉石』」)。

新鉱物発見と新小惑星発見は、現代に残った数少ない可能性のある夢ですね。ちなみに日本の新鉱物に、「櫻井鉱」という鉱物があるのだ。「あお」という小惑星も見つかればいいのに(謎)。

 

2020年5月 5日 (火)

ラムスデル鉱(静岡県下田市寝姿山)

Ramsdellite MnO2 酸化鉱物

 

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下田・寝姿山のラムスデル鉱の針状結晶です。

下田市街から見える、寝姿山ふもとの怪しげな朽ちかけたお城(別に戦国時代からあるわけではないw)の脇を登っていって、山の中のヤブに入っていくと、黒い脈が走った暗紫色の流紋岩がごろごろ転がっていていて、それを割ると銀色に輝くきれいな脈があらわれます。それがラムスデル鉱。外の黒い脈もラムスデル鉱なのですが、外気にさらされていると黒くなってしまうわけですね。

大抵は流紋岩の隙間に脈となっていたり、固まりだったりしますが、たまに上の写真のような針状結晶もあって、個人的にはかなり好きな鉱物です。

 

Ramsdellite_nesugatayama_04

 

こちらは、写真の下部に四角柱状の自形結晶が埋もれてますね。

上部の腎臓状になったのもラムスデル鉱でしょうか。下の結晶とまったく同色で、形状のみの変化に見えます。

ここでとれるのはラムスデル鉱と、それが風雨にさらされて黒くなった軟マンガン鉱とエヌスタ石、それに細かい水晶しかないようです。最初の写真の細かい針状結晶が集合したものかと思いますが。。。デジタル鉱物図鑑の軟マンガン鉱の項目には、腎臓状の写真も掲載されていますね。

 

Ramsdellite_nesugatayama_02

 

こんなふうに、放射状のものもありました。球状に集合したものの断面という感じでしょうか。

いろいろな産状があって、楽しいですね。

 

下田は、市街北東のはずれには高根山鉱山跡もあり、こちらもなかなか面白いです。どちらも近辺には駐車場等ありませんので、駅の近くの駐車場に車を置いて、歩いて巡ることになります。特に高根山鉱山は住宅地すぐそばなので、無断駐車等はしないようにする必要があります。そんなに離れていないのに、産出する鉱物は全然違うのが面白いです。

河津鉱山も高根山からそんなに離れていないところにありますが、こちらは残念ながら立ち入りはできません。自分も行ったことはありません。こういったことにならないよう、あとの世代の人たちのことも考えて、乱獲や近隣の人たちへの迷惑行為にならないよう、気を付けて行動しないといけませんね。

 

ちなみに、車だったら下田からすぐ行ける爪木崎も、おすすめスポット。灯台付近ではすばらしい柱状節理が見られますし、東側の海岸では、岩場に石英脈が走っていて、小さな水晶がいっぱいついているのを見ることができます(公園内なので、ここは見るだけですよ!)。

 

2020年5月 4日 (月)

白雲母(神奈川県山北町世附川流域)

Muscovite KAl2(Si3Al)O10(OH)2 珪酸塩鉱物

 

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世附川大又沢流域で拾った石。

白雲母か真珠雲母だと思うのですが、わかりません。肉眼だと銀色に見えるけれど、顕微鏡で見ると銀色なわけではなく透明で、輝きがとても強いので銀色に見えるのだとわかりました。

同じ場所(沢)で方解石が割と見られ、この雲母がついている石も真っ白でUVライトで見るとほの赤く光るので、カルシウム成分が多いのだろうということで、真珠雲母かも?

でもここには赤褐色の柘榴石もあって、どうやら上流域に、有名な世附権現山細川谷の柘榴石を含む流紋岩脈の続きがあるみたい。とすると、これは鉄礬柘榴石か? 本を見ると白雲母の共生鉱物として鉄礬柘榴石と書いてあるので、白雲母かも? それとも関係ない? この白雲母?と柘榴石が一緒についている石もあるのですが、その柘榴石は色がちょっとオレンジで、鉄礬柘榴石っぽくないんですよね。実際、細川谷の柘榴石は、鉄礬ザクロ石と満礬ザクロ石の2種類あるらしいし。。。

まあ素人考えなので、まったくわかりませんし、こういう時は大抵ありふれた鉱物のほうなので、白雲母としました。

いずれにしても、輝きの強いきれいなものです。

 

丹沢の大又沢は、神奈川側からだと、浅瀬から大又沢林道をずーっと歩いて行くか、中川の上の原から二本杉峠を越えて行くかの二択になりますが、長い林道歩き、あるいは山越え(しかも途中廃道か道のない尾根歩き含む)と、どっちも結構大変です。それでも行く最大の魅力のひとつは、人が少ないことでしょう。ひとりでも他の登山者、釣りの人に会うと、今日はちょっと混んでた、と感じますw

地質的にも丹沢層~トーナル岩層、地蔵平から富士見峠周辺のどこかには火山があったらしいですし(これが丹沢ザクロ石流紋岩のもと)、北の最奥部には多分ペグマタイトがあるはず。はでな鉱物はそうそうありませんが、おもしろい地域です。

ちょっと前、法行沢に行ったとき、初めて見る工法の新しい木製谷止工がありました。令和元年作なので、もしかしたら昨年の台風の後に作られたものかもしれません。下手なアートなんかより、よほど芸術。特に木製のものは、他にもすばらしい「作品」がいくつか見られます。こういうのを見るのも楽しみのひとつですね。

Yoduku01Yoduku02


2020年5月 2日 (土)

トパズ(茨城県城里町錫高野)

Topaz Al2SiO4F2 珪酸塩鉱物

 

Topaz_suzukoya_01

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茨城県高取鉱山のすぐわきの有名な産地、錫高野で拾ったものです。

大きなトパズはもう滅多に見つからないみたいですが、顕微鏡サイズなら。。。

拾ったときは、()孔雀石がついていたのでとりあえず手にとったんですが(青や緑色をした銅の二次鉱物が好きなので)、ルーペで見ても気づきませんでした。それまでトパズを見つけたことがなかったので、どんな産状が知らなかったですし、それに微小だったので。

家に帰ってから顕微鏡で見ていて、脈に沿って、小さなトパズがいくつもついているのに気づきました。よくも偶然に拾ってこれたなあと、我ながら感心しましたw 顕微鏡がないと、絶対気づかないと思います。自分はこういうのを、「山の神さまに預けられた」と思うことにしています。

よく言われているように、水晶とは全然輝きが違うんですね。そんなあやふやなこと言われても。。。と思っていましたが、見れば一目瞭然です。

 

東の林道から入ったのですが、堰堤上のズリ周辺の沢では、以前来た時よりもいろいろなものが転がっていました。多分、昨年2019年の台風19号等の影響だと思いますが、沢の両岸が大分削れていて、ズリの下部が掘られて露出したのだろうと思います。蛍石(石英に埋まっていてわかりにくいので、あやしいものはUVライトで探す)もちょこちょこと見られました。

こういう有名どころは、何がとれるかあらかじめ分かるので、同定しやすくていいですね。まったく情報のないところで鉄マンガン重石とか見つけても、何の鉱物だかわかるわけがありません。

高取山はそんなに深く険しい山ではないので、いろいろ歩きまわれて楽しいですね。

ただ、神奈川からだとちょっと遠いですけど。。。

 

2020年5月 1日 (金)

針鉄鉱(静岡県南伊豆町青野川流域)

Goethite FeO(OH) 酸化鉱物

 

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南伊豆の古い鉱山跡付近で拾った針鉄鉱(あるいは鱗鉄鉱)です。

ネットで似たものを探すと、スペイン、アンダルシアのリオ・チント鉱山で産出する、「虹の石」と通称される、虹色の針鉄鉱が見つかります。針鉄鉱あるいは鱗鉄鉱の表面が酸化皮膜で覆われ、光の回折・干渉によって虹色に見えるそうです。

これも、それと同じものだと思います。

ただし、ルーペで何とか、顕微鏡がないとはっきりとは見えない小ささですが。。。でも間違いなく虹みたいになってますよね。

この鉱山はもともと金を掘っていたそうですが、その後銅主体に変わりました。もちろん現在では廃坑です。2か所、坑口がありましたが、ズリらしき跡は見つからず。この石は、坑道そばでなく、古い鉱脈の地図を地形図に当てはめて、林道を登って見つけたものです。

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古い伊豆の地学論文集に載っていた桜井欽一氏の論文(というか単なる産地リスト)によると、同地では紫水晶、硫テルル蒼鉛鉱、ヘッス鉱、アルタイ鉱などが産出するらしいですが、それらしきものは見つからず。一度行っただけでは、なかなかポイントは探し出せません。ただ、紫水晶の欠片は見つけたので、他にもいろいろ探せばあるかもと思っています。

まだ鉱脈の広がる地域のほんの一部を訪れただけですので、かなり楽しみな場所です。

 

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