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2020年4月に作成された記事

2020年4月29日 (水)

黄鉄鉱(埼玉県秩父市秩父鉱山)

Pyrite FeS2 硫化鉱物

 

Pyrite_chichibum

 

全体が見えないのでよく分からないけれど、黄鉄鉱の双晶ではないかと思います。

角がシャープで複雑な幾何学的結晶は、見ていてテンションあがります。

ネットで黄鉄鉱の双晶を調べたら、ドイツの十字形に貫入双晶した黄鉄鉱が有名らしいです(鉱物たちの庭)。何となく似た雰囲気ですね。

双晶というのは、複数の同じ種類の単結晶が、原子配列に則して結合した状態で成長したものです。鉱物によって、いろんな結合の仕方があります。鉱物の種類ごとに原子配列は決まっているのだから、その結合の角度も当然厳密に決まっていて、たとえば水晶の日本式双晶だと、必ず84度33分の角度で接しています。二つの結晶がひっついたまま、それぞれ個別に成長したものは山ほどありますが、それとはまったく別の現象です。

こういうのは結晶学の分野になるのでしょうけど、自分はあまり詳しくありません。

鉱物趣味を持つようになってから、無機化学は勉強しなおしているのですが、結晶学まではなかなか手が出せません。以前からの地質学への興味から鉱物に入った自分にとっては、結晶学というのはちょっと異質で難しすぎ。。。

 

この石は、秩父鉱山のとあるポイントで拾ったものです。

急斜面の崩れかけた廃道をたどって(自分の一番得意な分野なので、自然と足が向かったw)、大きな黄鉄鉱や黄銅鉱の自形結晶がごろごろしている夢のような産地を見つけました。坑口らしきものもありました。多分、かなり古い坑道か、試掘の跡ではないかと思います(他の坑口のように、きちんと廃坑処理されていない)。鉱物の多さから見て、多分あまり知られていないところなのかも?(だから場所ははっきりと書かないよw)。

Img_0804

 

2020年4月26日 (日)

水晶(埼玉県秩父市赤岩峠)

(石英) Quartz SiO2 酸化鉱物

 

Quartz_akaiwa_01

 

埼玉中津川の秩父鉱山エリア、赤岩峠付近の沢で拾った石についていました。

これは水晶? 骸晶の一種でしょうか。うまい具合にかっこいい姿になってますね。見た目、水晶とトパズのあいのこみたいな雰囲気を醸し出してます。

多分、水晶の成長段階で、激しい環境の変化が何度か繰り返され、その成長のあとが段々になり(成長丘)、さらに六角形の一辺が欠けて五角形でうまくバランスがとれた角度に偶然なってしまった、とかいう感じではないかと。。。

とても小さいんですが、顕微鏡をのぞいていると、なかなか異質さが際立ってみえます。

 

Quartz_akaiwa_03

Quartz_akaiwa_02

 

同じ石に、他にもいくつかこんな水晶がついていました。

柘榴石だと、こんな成長丘のついたものは割と見かけますが、それに似た感じです。

 

ニッチツ鉱山社宅の廃墟から赤岩峠への道は、途中スカルン地域も通るし、大理石が転がるなかなか楽しい登山道です。さすが秩父鉱山エリア。他にも面白い石が転がってたりします。

赤岩の頂上からは秩父鉱山の谷を見下ろせ、岩稜を少し先までいけば、両神山の大展望もあります。

多分石目当ての人で、赤岩まで足を延ばす人はあまりいないと思いますが、両神山、赤岩、さらに大ナゲシなど、面白そうな山がたくさんあるので、また石拾いもからめて、行きたいところです。知られていない産地とか、ないとも限りませんしね。

Dsc_1921

ニッチツ鉱山社宅跡から赤岩を見上げる

Dsc_1944

赤岩付近から両神山

 

2020年4月24日 (金)

▼分類別リスト

▽元素鉱物

 自然硫黄(群馬県吾妻郡嬬恋村万座温泉)

 自然蒼鉛(長野県茅野市向谷鉱山)

 自然銅(千葉県南房総市平久里川流域)

▽硫化鉱物

 黄鉄鉱(静岡県河津町河津川水系流域)

 黄鉄鉱(埼玉県秩父市秩父鉱山)

 黄銅鉱(山梨県上野原市秋山金山)

 輝安鉱(愛媛県西条市加茂川流域)

 輝蒼鉛鉱(山梨県大月市大月町本沢鉱山)

 辰砂(東京都西多摩郡奥多摩町鋸山)

 閃亜鉛鉱?(山梨県甲州市柳沢峠)―B1

 ヘドレイ鉱(長野県茅野市向谷鉱山)

 (硫)テルル蒼鉛鉱(長野県茅野市向谷鉱山)

▽酸化鉱物

 玉髄(静岡県河津町やんだ)

 黒曜石(静岡県伊豆市皮子平)

 針鉄鉱(静岡県南伊豆町青野川流域)

 水晶(埼玉県秩父市赤岩峠)

 水晶(黄銅鉱含有)(静岡県南伊豆町青野川流域)

 水晶(日本式双晶など)(長野県茅野市金鶏金山)1

 水晶(日本式双晶など)(長野県茅野市金鶏金山)2

 錫石(茨城県城里町錫高野)

 赤鉄鉱?(埼玉県秩父市秩父鉱山)

 たんぱく石(オパール)(静岡県河津町河津川流域)

 チタン鉄鉱(山梨県甲州市柳沢峠)―B2

 デューク石(長野県茅野市金鶏金山)

 テルル石?(静岡県下田市稲生沢川流域)

 ラムスデル鉱(静岡県下田市寝姿山)

 ランシー鉱(静岡県下田市高根山鉱山)

▽炭酸塩鉱物等

 あられ石(千葉県銚子市長崎鼻)

 水亜鉛銅鉱(栃木県日光市小来川鉱山)

 白鉛鉱(静岡県下田市稲生沢川流域)

 方解石?(神奈川県山北町世附川流域)

 藍銅鉱(栃木県日光市小来川鉱山)

▽硫酸塩鉱物等

 石膏?(山梨県都留市宝鉱山)

 ブロシャン銅鉱(山梨県都留市宝鉱山)

 ポスンジャク石(栃木県日光市小来川鉱山)

 ラング石(栃木県日光市小来川鉱山)

▽燐酸塩鉱物等

 カニュク石(山梨県甲州市鈴庫鉱山)―A1

 毒鉄鉱(山梨県甲州市黄金沢鉱山)

 ヒンスダル石?(山梨県甲州市黄金沢鉱山)

 ミメット鉱(山梨県甲州市黄金沢鉱山)

 藍鉄鉱(東京都檜原村三頭山)

▽珪酸塩鉱物

 含銅アロフェン(山梨県都留市宝鉱山)

 菫青石(いぼ石)(山梨県道志村道志川流域)

 苦土電気石(長野県茅野市金鶏金山)

 クリントン石(埼玉県秩父市秩父鉱山)

 白雲母(神奈川県山北町世附川流域)

 スコレス沸石(山梨県道志村道志川流域)

 鈴木石(群馬県桐生市菱町茂倉沢鉱山)

 セリウム褐簾石?(山梨県北都留郡丹波山村泉水谷)

 鉄かんらん石(静岡県熱海市上多賀)

 鉄礬柘榴石(山梨県富士河口湖町毛無山)

 テフロ石?(群馬県桐生市菱町茂倉沢鉱山)―C2

 トパズ(茨城県城里町錫高野)

 氷長石(長野県川上村甲武信鉱山)

 沸石(静岡県河津町菖蒲沢浜)

 ぶどう石(山梨県身延町杉山)

 へスティング閃石(長野県川上村甲武信鉱山)

 ベスブ石(長野県川上村甲武信鉱山)

 マンガンパンペリー石(神奈川県秦野市水無川流域)

 緑泥石(山梨県道志村道志川流域)

 緑簾石(山梨県道志村道志川流域)

 緑簾石(神奈川県山北町酒匂川流域)

 ロスコー雲母(群馬県桐生市菱町茂倉沢鉱山)―C1

▽???

 ???(山梨県甲州市鈴庫鉱山)―A2

 ???(千葉県南房総市平久里川流域)

▽岩・石ころ

 オンファス輝石角閃石岩(愛媛県四国中央市関川流域)

 黒曜石(静岡県伊豆市皮子平)

 タマネギ状構造(神奈川県東丹沢~山梨県秋山)

 柱状節理〈1〉(神奈川県足柄下郡新崎川流域)

 

※ 記事公開後、鉱物の名称・分類などに変更があったもの。内容に大きな変更のない誤字脱字などの修正は含まない。

 

???(山梨県甲州市鈴庫鉱山)―A2

(前項より続く)

00_suzukura_01

00_suzukura_02

 

うーん、これは一体なんだろう。

白い球状のもので、紫っぽいおへそがついているものが多い。割れたものを見ると、中身は緑。まさにうぐいすあんぱんという感じです。

どうやら虫の卵でも、植物でもなさそうだけど。。。ネットでちょっと調べてみたけれど、よくわかりませんね。

単一の鉱物というより、ミクロサイズの球状岩といった雰囲気です。あるいは、ミクロサイズのストロマトライトのような。

ネットで調べていて、砒素環境に適応した一種の苔がカニュク石の生成に関係あるのではないかとして、カニュク石を育てる実験をしている方のサイトがありました(カニュク石の栽培実験)。なんだか面白そうなので、自分もこの石やほかのカニュク石のついた石を、水をふくませたペーパータオルを敷いたタッパーに入れて日の当たらない環境においてみることにしました。

まだそれほど時間が経っていないので、まだ特に変化はないですが、これでカニュク石が増えたら楽しいですね。ちなみに、自分のところの石には、苔はついていません。

 

カニュク石(山梨県甲州市鈴庫鉱山)―A1

Kankite Fe3+(AsO4)・3.5H2O 燐酸塩鉱物等

 

鈴庫鉱山は、水晶で有名な竹森川の上流域にあります。

ここで採集できるのが、下のカニュク石です。

きれいなうぐいす色で珍しいけど、まあ地味ですねw

Kankite_suzukura_01

このカニュク石のついた石のひとつに、小さな粒粒が付着しているものがありました。

最初は虫の卵か何かかと思ったんですが、おそるおそる顕微鏡で見てみたら。。。

(次項に続く)

2020年4月23日 (木)

方解石?(神奈川県山北町世附川流域)

Calcite Ca(CO3) 炭酸塩鉱物等

 

Calcite_yoduku_01

 

神奈川県の西丹沢の沢で拾った石です。

一般的に西丹沢というと、中川の流域、畔が丸、檜洞丸あたりまで含めた地域のことを指すことが多いようです。でもこれだと、畔が丸以西の大又沢、水の木周辺が仲間外れになってる感が強いので、個人的にはちょっと違和感を覚えます。

自分としては、中川を境界にして、その西側、畔が丸から三国山(世附川流域)を越え籠坂峠までが西丹沢というイメージがあります。檜洞丸、蛭が岳あたりは、中央丹沢という感じ(玄倉川流域)。

この石を拾ったのは、世附川の支流の沢です(塔ノ岳亜層群になるのかな?)。水が流れたあとが真っ白になっている沢で、もう見るからに何かありそうな雰囲気。

実際、中流あたりに古い試掘の跡と思われる孔があります(丹沢の鉱山跡について詳しい〇福さんの「丹沢を探る」にも出ていない)。この周辺は、いくつか鉱山跡もあり、それらの時代に掘られたものかもしれません。さらにこのあたりは、大正から昭和初期に、後醍醐天皇のお宝がどこかに埋まっているという噂が流れ、あちこち掘り返されたこともあったようですが、そういう宝さがしのあとではないでしょう。

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沢には黄鉄鉱、黄銅鉱を含む石が多く(目に見えるような自形結晶はない)、その周辺では今ではかけらも見つからない鎌田鉱山はこんな感じだったんじゃないか、と思わされます。

鎌田鉱山も、すごい金の含有率だったという話もあり、黄鉄鉱黄銅鉱しか出なかったという証言もあったり、何だか謎です。今も、土砂に埋もれつつある塞がれた坑道口が見られますが、ズリらしきものはまったくありません。森林軌道沿いにあったので、すべて軌道で運び出してしまったのかも?

 

写真の石ですが、多分、鍾乳石状になった方解石ではないかと思うのですが、どうでしょうね。。。

玉髄もこんな形になることもあるらしいし、沸石も丹沢に多いですが、ちょっと違うっぽいし、沢の流れたあとが真っ白になっているのは、石灰岩が多いためかもしれないと考えると、方解石のような気がします。

顕微鏡でしか見えないような小さなものは、硬さも調べられないし、薬品を使ったりしたらすべて溶けて消えそうなので、なかなか調べようがありませんね。

2020年4月22日 (水)

鉄礬柘榴石(山梨県富士河口湖町毛無山)

Almandine Fe2+3Al2(SiO4)3 珪酸塩鉱物

 

Almandine_kenashiyama_01

Almandine_kenashiyama_02

Almandine_kenashiyama_03

 

有名な産地のザクロ石です。

白っぽい長石と石英の石に、濃赤黒のザクロ石が点々と入っていて、登山道のある毛無山の南尾根下部にも、普通にごろごろ転がってます(別の尾根上に露頭もあります)。でも、小さいので、ちょっと石を拾って見ても、多分気づかないと思います。ほとんどの登山者は、知らずに踏んづけて登ってるでしょう(自分も昔はまったく知らずに登ってましたw)。

2ミリ以下程度のものしかないのですが、拡大すると、実にきれいな形状で、シャープな結晶であることがわかります。

ザクロ石は同じ原子配列で、原子の種類が異なるいくつかの種類がありますが(類質同像)、日本名を覚えると、何の原子でできてるかも、いつの間にか覚えてしまうという、超便利仕様です。それを知った時、最初に名前をつけた人は頭いいわーと思ったw

鉄礬柘榴石の鉄は鉄。礬はミョウバンのバン(この場合、アルミニウムのこと。アルミニウムはミョウバン〈英:Alum〉から発見されたことで名付けられたとwikipediaに書いてありました。なるほど!)。
他には満礬柘榴石(満はマンガン)、灰礬柘榴石(灰は石灰の灰、つまりカルシウム)、 灰鉄柘榴石 、苦礬柘榴石(苦はマグネシウム。味的に苦いかららしい) などがあります。
鉱物の発見地を名前につけるとかならまだしも、発見者の名前からつけたりするのに比べると、実に気がきいてますよねぇ(小惑星に発見者の名前をつけるのは、独断と偏見で全力で認めますw)。

(追記:ちなみに今は、発見者が自分の名前をつけるのはNGらしい。新鉱物に人名がついている場合は、過去の学者などへの献名ということになる。)

 

2020年4月21日 (火)

黄鉄鉱(静岡県河津町河津川流域)

Pyrite FeS2 硫化鉱物

 

 Pyrite_kawadu_02Pyrite_kawadu_01

伊豆、河津川水系で採集した黄鉄鉱。

五角12面体のきれいな結晶です。

近くに古い銅鉱山跡があるそうで、怪しいと思った林道をちょっと調べてみたけれど、見つかりませんでした。まあいきなり行ってそうそう見つかるものでもないですね。

そのかわり、沢でこの石を見つけました。こんなにきれいな五角12面体の黄鉄鉱が出るとは思わなかったので、びっくりです。

他には、玉髄(オパール?)、重晶石と思われる石などがありました。

この沢の右岸にはスコリア丘があり、そのさらに奥にはちょっとした岩稜地帯があります。昔、そこで重低音のうなり声に脅されたことがあり、もうちょっと調べてみたいけど、ちょっと苦手な山域です(伊豆にはクマはいないということになってますが。。。いるとしたら、まさにこの山域周辺にいるだろうな、と)。

 

2020年4月20日 (月)

▼はじめに

自分にとって、鉱物の魅力は、色、透明感、硬さなどいろいろありますが、やっぱり結晶の幾何学的な形状、そしてそれが分子配列を直接反映している、という点にあります。

石(鉱物)という手にとって見ることができる小さなものから、宇宙の均整と数学的な本質を感じることができるというところに、人はひかれるのかもしれません。簡単な数字の列で世界を表現している、方程式の美しさに通じるものがあると思います。

なかでも、黄鉄鉱は割とどこでもあり、しかも結晶の美しさが際立っています。自然にできたとは到底思えない正方形の輝く結晶から、鉱物の魅力にとりつかれたという人も多いのではないでしょうか。

自分も、いろいろ見てきましたが、やっぱり黄鉄鉱が一番好きです。

 

Pyrite_chichibum_title

 

ここでは、鉱物の、主に顕微鏡で撮った写真をアップしていきます(石ころや岩石も扱います)。

採集をはじめて、まだ2、3年といったところだし、買ったり売ったりはなし、山を掘るのもあまり好きではなく(ズリはのぞく)、基本的に沢やズリなどでの表面採取が中心ですので、大したものはありません。

ただそれでも、顕微鏡を使えば結構いろいろ見つかるものです。

特に南関東~山梨南部~伊豆周辺の山ならば、よほど険しいところでなければ割と歩きなれているので、地形図、地質図などを参考にしながら狙いをさだめ、ちょっと石を拾ってきては顕微鏡で観察をしています。

微細な鉱物ばかりですので、正直鉱物の同定に関しては、まったく自信はありません(硬さを調べることも薬品を使うこともなかなかできないので)。おかしなことを書いているかもしれないので、信用はしないようにw

何だか分からないものも、積極的に出していきます。まったく見当のつかないもの、こうではないかとアタリをつけた(けれども自信のない)もの、すべて写真として面白いものかどうかを優先しています。よって、間違いも多いと思います。ご承知ください。

本当はスケールも記すべきなんでしょうけど、あくまでも鑑賞用ということで、つけません。スケールをつけるの、大変なんですよねw なかなかうまい方法が見つかりません。基本的に、顕微鏡で20~40倍、さらに撮影した写真の端はトリミングします。ものによっては、ルーペでも確認するのが難しい大きさになります。

鉱物の分類表記に関しては、デジタル鉱物図鑑を参照しています。


▼分類別リスト

▼産地別リスト

 

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